本文へ移動
Navi Cebu CEBU CITY GUIDE 学校診断・比較セブ島留学ガイド留学ガイド
留学

留学エージェントの悪質な手口12パターン|相談事例・裁判・倒産・26社の規約から見抜き方をまとめた

「今日決めれば割引」「必ず仕事が見つかる」「手数料無料」。留学エージェントとのトラブルに多い手口を12に分け、消費者庁・国民生活センターの相談事例、裁判と倒産の実例、26社の規約と突き合わせて、契約前に見抜く方法と聞くべき一言をまとめました。

留学エージェントの悪質な手口12パターン|相談事例・裁判・倒産・26社の規約から見抜き方をまとめた

この記事に、広告・紹介料・アフィリエイトは入っていません

ナビセブはセブ島の情報メディアで、留学エージェントではありません。この記事に出てくる会社から、掲載料・紹介料・アフィリエイト報酬を一切受け取っていません。

この記事は、留学エージェント26社の規約を読んで比べた記事と、口コミを読んだ記事の続きです。こちらでは、トラブルの「形」を12に分けて、契約する前に見抜く方法をまとめました。

名前が出てくる会社が悪質だ、という意味ではありません。引用しているのは、各社が公開している規約の条文と、投稿先・投稿日がはっきりした投稿、公的機関の資料だけです。同じ条文を持つ会社はほかにもあります。

先に結論:その留学エージェント、大丈夫?契約前に見抜ける危険サイン12個

消費者庁(2010年)と国民生活センター(2005年)がまとめた相談事例、留学あっせん会社の破産(2008年・2010年)、消費者団体の裁判、そして2026年9月に私たちが読んだ26社の規約と、口コミサイト・知恵袋の投稿。並べてみると、トラブルの形は20年前からほとんど変わっていませんでした。

手口は12に分けられます。下の表の「危険サイン」が1つでも出たら、その場では申し込まないでください。右の列の一言を聞いて、答えを書面でもらってから決めれば十分です。

#手口危険サイン(こう言われたら・こうなっていたら)契約前に聞く一言
1期限で急かす「今月中の入金なら○万円引き」「残り2枠」「申込書だけ先に」「その期限は、学校の公式サイトのどこに書いてありますか」
2結果を約束する「必ず仕事が見つかる」「月○ドル稼げるので実質無料」「その英語力で大丈夫」「その数字は、誰が、何人を対象に調べたものですか」
3「手数料無料」で上乗せを見せない学校の正規料金表を見せない。見積が「一式」「学費・滞在費・入学金・手数料を分けて書いてください」
4保証の条件を後から出す「全額返金保証」「最低価格保証」の条件が、注釈や規約の奥にしかない「保証の条件を、全部書面でください」
5規約を見せないサイトに規約・約款がない。契約書を渡さない「規約(約款・条件書)のPDFかURLをください」
6無料期間に例外がある・そもそもない「8日以内は無料」の起点や例外があいまい。無料期間の記載がない「何日目まで、何を起点に、いくらで取り消せますか」
7申込金を理由を問わず返さない「申込金は理由にかかわらず返金しません」「この解約料の算定根拠を説明してください」
8申込金のあとで本当の見積を出す申込金を払ってから総額が上がる。追加料金が後から出てくる「申込金を払う前に、最終の見積を書面でください」
9為替に上乗せして率を言わない見積の為替レートの根拠がない。「差益は当社に帰属」「どの銀行の、いつの、何のレートで、上乗せは何%ですか」
10出発のずっと前に全額払わせる出発の半年以上前に学費の全額を請求。学校への送金を証明しない「学費はいつ、誰の口座に送りますか。送った証明をもらえますか」
11契約後に返事が来なくなる契約前は即日返信、契約後は数日〜1週間。担当が何度も変わる「契約後の担当者と、返信の目安と、現地の緊急連絡先を書面でください」
12部屋や条件が説明と違う部屋の条件が書面にない。「現地の手配会社の判断です」「その部屋を誰がいつ見ましたか。違ったら差額は誰が持ちますか」

12個を見抜く方法は、結局3つに絞れます。①書面でもらう(規約・最終見積・保証の条件・部屋の条件)。②学校の数字と照らす(学校の正規料金、入学条件、学費が入金されたか)。③期限と約束には根拠を聞く。この3つに答えられない会社は、ほかがどれだけ良くても候補から外して構いません。

そしてセブ島に行くなら、日本にオフィスがある学校に直接申し込めます。そうすれば12のうち、紹介料や為替の上乗せ、伝言が遅れる話の多くは、最初から起きません(セブ島の場合)。

前提:留学のあっせんには、利用者を守る法律がほとんどありません

手口の話の前に、なぜ同じトラブルが繰り返されるのかを書いておきます。日本学生支援機構(JASSO)は、留学あっせん業者についてこう書いています。

「これらのサービス全体を包括的に規制する法律などはなく、業者には国や自治体の許可や登録は必要ありません」「業者が規定を自主的に設けて契約書に明記している場合を除いて、基本的にはクーリングオフが適用されません」

出典:JASSO「留学あっせん業者(留学エージェント)の利用について」(2025年7月31日更新)

つまり、誰でも今日から留学エージェントを名乗れて、契約の中身は会社が自分で決めた規約がすべてです。だからこの記事では、規約に何が書いてあるかを手口ごとに並べています。

相談は昔から途切れていません。

  • 国民生活センターには、1995年度から2005年3月までに3,436件の相談が寄せられ、1人あたりの支払済み額の平均は50万円を超えていました(2004年度はおよそ64万円)
  • 2008年度は1,021件。この年に破綻した留学あっせん会社の相談を含む数字です(消費者庁、2010年)
  • 2021〜2024年度にも約1,300件の相談が寄せられています(JASSO)

以下の12の手口は、すべてこの記録と、各社の規約と、利用した人の投稿から拾ったものです。

第1章 相談・勧誘の段階で出る手口(①〜④)

セブの幹線道路
セブの幹線道路。「今だけ」「残りわずか」は、根拠を書面で確かめるまで判断材料にしないでください。

最初の4つは、まだお金を払う前、相談や説明会の場で出てきます。ここで気づけば、損はゼロです。

①「今日決めれば割引」「残り2枠」と、期限で急かす

危険サイン

  • 「今月中に入金すれば○万円引き」「このキャンペーンは今週まで」
  • 「その部屋は残り2つ」「この枠はすぐ埋まる」
  • 「とりあえず申込書だけ先に」「名前だけでも」

公的機関の記録。国民生活センターが2005年にまとめた事例には、資料請求のあと電話で呼び出され、「ワーキングホリデービザが必要だが2名の空きしかない」「急いだ方が良い」と言われてクレジットの一括払いで契約した20歳代の女性が出てきます。あとでビザは取れず、解約するなら企画料として15万円を差し引くと言われました。看護師の資格を使った留学を望んだ40歳代の女性も、「希望の看護コースは制限があり早く申し込むように」と言われて契約しています。

消費者庁が2010年にまとめた資料にも、同じ形が並んでいます。

「無料カウンセリングを勧められ、説明を聞くだけと出向いたところ、長時間説明されて契約を急かされたという事例、資料請求をしたら、呼び出されて強引に申込書を書かされたという事例や、空席がなくなるから早く申し込むよう言われた事例」

出典:消費者庁「留学等あっせんサービスをめぐるトラブルと消費者へのアドバイス」(2010年7月15日)

2025〜2026年の投稿。同じ言い方は、今も投稿に出てきます。

みん評|2025年9月28日|★1|StudyInについての投稿

9月中に入金しなければ語学学校の料金が540豪ドルほど上がると言われた。(学校のキャンペーンが終わる為)しかし、実際のところ学校のキャンペーンは年中行なっているので、差は微々たるものでしかない。

みん評|2026年9月16日|★1|スクールウィズについての投稿

早く申し込むことを急いでいて「いつ申し込みますか?」「いつ申し込むか決められますか?」

みん評|2026年4月7日|★1|海外留学EFについての投稿

大学側の説明会の前に早割の締め切りを設定してることも、親身的ではないなと思いました。

ほかにも「二人部屋は今決めないとすぐ埋まってしまう」(スマ留、2026年2月)、「去年利用した子も10万円オフキャンペーンやってて、ずっとやってんじゃん」(夢カナ留学、2025年11月)という投稿があります。

規約ではどう出るか。急かされて申し込んだ翌日に気が変わったとき、いくら取られるかは規約で決まります。26社のうち9社には、無料で取り消せる期間がありません。たとえばスクールウィズは契約成立日から15,000円、セブ島留学センターは申込金20,000円(返金はバウチャー)、海外留学EFは出発61日前より前でも登録料と入学金の8万円が戻りません(手口⑥)。急かす会社と、無料期間がない規約が重なると、1日で数万円が消えます。

見抜き方:期限の根拠を聞く

  • 「その割引の期限は、学校の公式サイトのどこに書いてありますか」。学校のキャンペーンなら、学校のページで確かめられます
  • 「この見積の有効期限を、書面に書いてください」
  • 「今日申し込んで、明日取り消したらいくらですか。規約の何条ですか」

根拠を出せない期限は、判断材料にしなくて構いません。JASSOも「とりあえず名前を」と催促されても焦らないように、と書いています。

②「必ず仕事が見つかる」「英語力は大丈夫」と、結果を約束する

危険サイン

  • 「現地ですぐ仕事が見つかります」「月○ドル稼げるので、実質○円です」
  • 「その英語力でも大丈夫です」(入学条件を見せないまま)
  • 「就職率98%」「満足度95%」など、条件の書かれていない数字

公的機関の記録。消費者庁の2010年の資料には、こういう事例があります。

「1か月あたり1,000ドル稼げるとの話だったが、現地に行ってみたら200ドルしか稼げなかったという事例。」

国民生活センターの2005年の事例では、看護師向けの留学を希望した女性が英語力に不安があると伝えたところ「大丈夫と言われ」、契約後に語学学校のテストで「自分のレベルでは受け入れできない」と言われました。解約を申し出ると、申込金は返金できないと言われています。同センターは問題点として「語学力がなくても大丈夫といって契約させたり」するケースを挙げています。

JASSOも「トラブルにつながりやすい例」として、次の3つを挙げています。

  • 語学力・学力の要件を満たしていないのに安易に留学を勧める
  • 資金の不足を現地での就労によって補うことを勧める
  • 「留学で日本での就職が有利になる資格を取得できる」等を根拠なく述べる

裁判になった例。消費者団体の消費者機構日本は、ワールドアベニューの看護留学の勧誘について、必要な語学力の要件という不利益な事実を告げずに契約させていたことを、申し入れの中で問題にしました。この件はその後、解約料の条項をめぐる差止請求訴訟になり、2012年に和解しています(手口⑦)。

2024〜2026年の投稿。

みん評|2026年4月28日|★1|夢カナ留学についての投稿(渡航後)

契約時に到着から2ヶ月で職が手に入らなかったら全額返金保証があると言われていましたが、それにも条件があることは全く知らされず、見ておいてとも言われず適当に渡された規約の隅に書いてありました。

Yahoo!知恵袋にも、2024年12月に「弊社でレッスンを受けていただけるとすぐ必ずお仕事は見つかります」と営業に言われた、という投稿があります。

数字の注釈を読む。会社が出す数字には、たいてい条件が付いています。夢カナ留学の「渡航から3.1週間で98.4%が希望職種に就職」の注釈は「夢カナEnglish中級クラス以上の授業を受講し、2023年9月〜2024年7月に渡航した学生のうち、諸条件を満たした学生を対象とした割合」です。「実質0円」の注釈は「現地での就労で留学費用の回収を目指す留学」でした。数字そのものより、誰を数えたのかを見てください(ほかの会社の例は口コミ記事の「実績」の章)。

法律で言えること。消費者契約法は、将来どうなるか分からないことについて「断定的判断」を示して契約させた場合(第4条1項2号)や、事実と違うことを告げた場合(同1号)、利益になることだけを言って不利益な事実を故意または重大な過失で告げなかった場合(同2項)に、契約を取り消せると定めています。「月1,000ドル稼げる」「必ず見つかる」と言い切られて契約したなら、消費生活センターに相談する材料になります(契約してしまった人へ)。

見抜き方:数字と約束の出どころを聞く

  • 「その数字は、誰が、いつ、何人を対象に調べたものですか」
  • 「仕事が見つからなかった場合、返金されるのはいくらで、条件は何ですか。書面でください」
  • 「学校の入学条件(英語力)を、学校の公式ページで見せてください」

留学生のアルバイトは、法律で制限や禁止をしている国が多いとJASSOは書いています。現地で稼いで費用を取り戻す計画は、その国のビザの条件を自分で確かめてから立ててください。

③「手数料無料」を強調して、学校の正規料金を見せない

危険サイン

  • 「手数料0円」「学校に直接申し込むのと同じ値段です」と言うのに、学校の料金表を見せない
  • 見積が「一式」「パッケージ料金」で、学費・滞在費・手数料が分かれていない
  • 滞在先が、エージェントが用意した寮やシェアハウスに決まっている

「無料」のお金の出どころ。無料をうたうエージェントの収入は、学校から受け取る紹介料です。各社も公式にそう説明しています(DEOW「学校から生徒様を送った分頂ける紹介料を利益としています」、StudyIn「学校からの紹介料だけで経営を実現しています」など)。紹介料そのものは悪いことではありません。問題は、学費に何が乗っているかが利用者から見えないことです。

留学情報館は、この仕組みを規約にはっきり書いている数少ない会社です。

「運営費とは、お申込先のマーケティング費用になり、留学情報館へ支払われる紹介料になります」

入金後に解約した場合、33,000円に加えてこの「運営費」が差し引かれます。出典:留学情報館 規約

投稿に書かれた金額。「学校に直接頼んだほうが安かった」と金額つきで書く人が、会社をまたいで出てきます。

投稿書かれている金額
スマ留|みん評 2025年7月28日「スマ留レジデンスは2人部屋で1か月16万円」「2人部屋の相場は7~8万円」
スマ留|みん評 2025年1月29日「学校の料金は現地では月間7万円」「17万円に対して30万円以上支払わされました」
StudyIn|みん評 2025年8月2日「3ヶ月の費用は100万ちょい」「30万から40万抑えれる」
留学情報館|みん評 2026年1月30日「仕事確約プログラムに65万」「パッケージなので内訳を見せられない」「現地エージェントに直接頼めば15万程で済みました」
セブ島留学センター|知恵袋 2023年6月13日(元利用者の回答)「手数料無料というのは、留学費用は手数料を上乗せされているからです」

金額は投稿者の計算で、会社側の内訳は確かめられません。

公的機関のアドバイス。消費者庁は2010年の資料で「見積書により、代金の内訳を把握しましょう」と書き、特に、海外の受入先に払う学費や航空会社に払う航空券代が「見積書で明確に区分されて記載されているかを確認しましょう」としています。JASSOも「業者の知名度や支払い金額だけで判断せず、料金の明細やサービスの内容で選びましょう」と書いています。

見抜き方:学校の数字と一行ずつ比べる

  • 「学費・滞在費・入学金・教材費・送金手数料・御社の手数料を、分けて書いてください」
  • 同じ学校・同じ期間・同じ部屋で、学校にも直接見積を頼んで並べる。差があれば、それが上乗せか、含まれる項目の違いです
  • 2〜3社から同じ条件で見積を取る

見積の読み方は、別の記事で詳しく書いています。

④「返金保証」「最低価格保証」をうたい、条件を後から出す

危険サイン

  • 「全額返金保証」「最低価格保証」「キャンセル料無料」が大きく書いてあり、条件は注釈や規約の奥にしかない
  • 保証の条件を聞くと「大丈夫です、ほとんどの人が対象です」とだけ答える

規約に書いてある条件。保証そのものは、条件を読めばどれも正直に書いてあります。ただ、条件の数が多いと、実際に使える人はかなり限られます。

会社うたい文句規約・注釈に書いてある条件
iae留学ネット「留学業界初!全額返金保証付き留学」条件は6つ。「12週間以上の一般英語コース」「出席率95%以上」「宿題をすべて期限内に」「週ごとの復習をすべて」「すべての試験を時間内に」「追加サポートをすべて活用」。1つでも欠けると対象外
CEBU21「90日間学費返金保障制度」対象外になる条件が8つ。「授業出席率が95%未満」「定期テストを1回でも欠席」「定期テストで1分野でもレベル上達が確認」など。申し出は留学終了日から10日以内・書面のみ。寮費・食費・入学金・送金手数料は返金の対象外
成功する留学最低価格保証「学校通学期間5週間以上」かつ「弊社が契約している学校」。4週間以下は対象外
タビケン留学最低価格保証「4週間以上」「提携校のみ」。条件6項目を全文公開している
セブ島留学センター最低価格保証「弊社の判断で他社と同等以下の金額に致しかねる場合がございます」「お客様に通知することなく中止・条件変更ができる」

2026年9月22〜23日時点の各社公式サイト・規約より。

投稿。「キャンセル料無料」も、条件つきの保証の1つです。

みん評|2025年12月16日|★1|StudyInについての投稿

全額返金されるか確認したら、stdylnのキャンセル料金を除いた金額を返金予定と返信あり。売りにしてるキャンセル料無料はウソです。

StudyInの規約では、キャンセル料が「原則発生しません」なのは8日以内で、8日を過ぎると20,000円(税別)です。ウソではなく、条件が先に伝わっていなかったことが投稿の原因です。手口②の「到着から2ヶ月で職が見つからなければ全額返金」も同じ形でした。

見抜き方:条件の数を数える

  • 「保証の条件を、全部書面でください。対象外になる条件はいくつありますか」
  • 「申し出の期限と方法(書面・メール・電話)は何ですか」
  • 「返金の対象になる費用と、ならない費用(寮費・食費・入学金・送金手数料)を分けてください」

条件を読んで、自分がほぼ確実に満たせる保証だけを数に入れてください。

第2章 契約書(規約)に出る手口(⑤〜⑧)

「HALL OF JUSTICE」の文字が残るセブの石造りの建物
「HALL OF JUSTICE」の文字が残る、セブの石造りの建物。規約は、契約の前にサイトで読めるかどうかが最初の分かれ目です。

次の4つは、規約(約款・条件書)の中に出てきます。規約は契約する前に読めるので、ここで見抜ければ、お金を払う前に止まれます。

⑤規約を見せない、サイトに置かない、契約書を渡さない

危険サイン

  • サイトのどこを探しても、利用規約・約款・条件書・特定商取引法に基づく表記がない
  • 「利用規約」というリンクを開くと、中身は個人情報の方針だけ
  • 申込書や契約書を渡さない。解約料を聞いても答えない

26社のうち4社は、規約を公開していませんでした。

  • 夢カナ留学:利用規約・約款・特定商取引法に基づく表記のどれも見つからない。フッターの「利用規約・プライバシーポリシー」の中身は個人情報の方針だけで、「キャンセル」「解約」「返金」「申込金」という言葉が1つも出てきません
  • ラストリゾート:観光庁長官登録旅行業(第2133号)でJATAにも加盟しているのに、旅行業約款も条件書もサイトにない。よくある質問に「通常申込後8日以降出発の30日前までの申し出で2万円のキャンセル料が発生します。」の一文があるだけ
  • iae留学ネット:規約のページがなく、よくある質問に「弊社に対するキャンセル料 55,000 円(税込)」の一行だけ
  • ClassLive留学:同じ会社の韓国留学サイトには申込規定があるのに、フィリピン留学のサイトには「申込金30,000円」の一行だけ

公開していなくても、契約書には何かが書いてあります。夢カナ留学については、時期の違う2人が同じ数字を書いています。

Yahoo!知恵袋|2022年2月13日|契約当日の利用者

契約のキャンセル規定には、「8日以内の解約であると、10万円のキャンセル料がかかると記載されているのですが、まだ支払前でなんのサービスも受けていない状態です。

みん評|2026年5月19日|★1

私の場合は契約通り10万円の違約金でサヨナラしましたが

ほかの会社の多くが「8日以内なら無料」としているなかで、契約する前にこの数字を知る方法がありません。規約が公開されていないと、利用者は他社と比べることもできないのです。

「公開はしているが読みにくい」もあります。成功する留学の条件書は画像1枚のPDFで、文字の検索もコピーもできません。

公的機関の記録。国民生活センターの2005年の事例には、申込書も契約書も渡されないまま申込金を払い、料金の説明を求めても答えがなく、解約したいと言ったら「申込金は返金しないと申込書に書いてある」と言われた例があります。別の例では、書面も解約料の説明もないまま契約し、2日後に取り消しを申し出たら年会費6万8千円の30%を払えと言われています。

消費者庁は「重要な事項は書面でもらいましょう」と書き、「後々の『言った、言わない』のトラブルを回避するために」契約書などの書面を取り付けるように、としています。国民生活センターも「事前に契約書(約款)を必ず読むこと」を最初のアドバイスに挙げています。

ちゃんと書いてある会社もあります。ウィッシュインターナショナルの条件書は、契約が成立したら「速やかに」留学の条件と会社の責任を書いた書面を渡す、と条文にしています。セブ島留学マスターの条件書にも、契約書面を渡すことが書いてあります。

見抜き方:申し込む前に、規約をもらう

  • 「規約(約款・条件書)のPDFかURLをください」。出てこなければ、その会社はそこで終わりで構いません
  • 「契約書面は、いつ、どの形でもらえますか」
  • 口頭で聞いた解約料や条件は、メールで送ってもらう

⑥「8日以内は無料」に例外がある、そもそも無料期間がない

危険サイン

  • 「クーリングオフがあるので安心です」と言う(留学の契約には、基本的にクーリングオフはありません)
  • 無料で取り消せる期間の「起点」(申込日・契約成立日・入金日)があいまい
  • 出発が近い申込でも「8日以内は無料」とだけ言う

「8日以内は無料」は、法律ではなく会社のルールです。国民生活センターは「『留学等斡旋サービス』はクーリング・オフの適用がないので、原則、契約後の無条件解除はできない」と書いています。各社の「8日以内は無料」は、会社が自分で決めたルールです。だから会社によって日数が違い、例外があり、そもそもない会社もあります。

26社の規約社数例
申込から8日以内は無料14社留学ジャーナル、スマ留、ISS留学ライフ、StudyIn など
無料期間が6日1社タビケン留学(「申込から6日以内」。入学金相当額15,000円はいかなる場合も返金なし)
無料期間がない9社スクールウィズ(契約成立日から15,000円)、セブ島留学センター(申込金20,000円。返金はバウチャー)、CEBRIDGE(フィリピン留学のみの場合「解除日にかかわらずデポジットの金額」=11,000円)、海外留学EF(出発61日前より前でも登録料と入学金の8万円が戻らない)、留学タイムズ(申込金5万円)など
規約が非公開で分からない2社夢カナ留学、ClassLive留学

2026年9月22〜23日時点。詳しい表は比較記事の「解約したらいくら取られるか」にあります。

8日ルールにも例外があります。

  • 留学ワールドDEOW:「渡航日の30日前(ピーク時40日前)以降の申し込みの場合、8日間の経過期間を待たず、取消料が発生」(ビザ不要のプログラムで22,000円、ビザが必要なプログラムで33,000円)。成功する留学、ウィッシュインターナショナル、セブ島留学マスターにも、出発30日前以降の申込を除く、という同じ形の例外があります
  • 成功する留学:8日以内の無料は「出発前サポートとしてお渡しした資料を、お渡しした状態でお返しいただいた場合に限ります」
  • スマ留:申込金は「本申し込みの日から8日以内(学校開始日まで90日の期間がない場合、3日以内)」に払う決まり

26社のなかで、法律上のクーリングオフに当たる内容を自分から書いているのは、スマ留だけでした(特定商取引法に基づく表記に「申込みの撤回及び契約の解除をすることができます。その場合、キャンセル料金のご負担はありません」)。

公的機関の記録。消費者庁の2010年の資料には「契約の翌日なのにキャンセル料を請求された」事例があります。国民生活センターの2005年の資料には、契約から7日後に解約しようとしたら、契約書に「契約金の2割の負担金」と書いてあった学生の例があります。契約金は108万円でした。

見抜き方:日数と起点と例外を、条文で確かめる

  • 「何日目まで無料ですか。起点は申込日ですか、契約成立日ですか、入金日ですか」
  • 「出発まで30日を切った申込でも同じですか」
  • 「無料期間に取り消しても引かれるお金(申込金・デポジット・教材費)はありますか」

答えは規約の何条に書いてあるかも一緒に聞いてください。条文を示せない「無料」は、無料ではないと考えたほうが安全です。

⑦申込金・手配料を「理由の如何を問わず返さない」と書く

危険サイン

  • 「申込金は、理由にかかわらず一切返金いたしません」
  • 出発のずっと前、まだ何も手配していない時期でも、高い解約料が決まっている
  • 解約料の中身(何にかかった費用か)を聞いても説明しない

いま公開されている規約の例。

  • セブ島留学マスター:「お申込金は研修期間に関わらず一律 20,000 円」「正式申込後、お申込金は理由にかかわらず一切返金いたしません」
  • ISS留学ライフ(13週間以上):「手続き料金(お申込金)70,000円」「手続き料金(お申込金)は返金できません」
  • タビケン留学:「いかなる場合でも入学金相当額(15,000円)の返金は出来かねます」
  • 留学タイムズ:申込金は受入機関1つにつき一律5万円で、ほとんどの解約の場面で返らない
  • beo:「原則として、お客様のご都合により契約を取り消し、返金をご請求いただくことはできません」

これらは規約に書いてあるので、読めば契約前に分かります。そのうえで知っておいてほしいのは、規約に書いてあっても、金額が高すぎれば法律で無効になる部分があるということです。実際に争われた例があります。

時期何があったか
2003年10月30日東京簡易裁判所の判決。留学あっせんの費用を返さないという特約について、払った50万円の返還が求められた事案で、特約は消費者契約法9条1号により「平均的な損害の額」を超える部分が無効とされ、損害の額は10万円と認められた
2010年5月・8月消費者機構日本が、ワールドアベニューの「申込金は理由の如何を問わず不返還」「途中帰国時の支払済み費用は不返還」の条項などについて改善を申し入れ
2011年9月14日改定後の規定(看護師資格の取得プログラムで申込金315,000円。契約8〜19日目の取消で105,000円、20〜29日目で210,000円、30日目以降は全額)も「平均的な損害」を超えるとして、東京地裁に差止請求訴訟
2012年11月5日裁判上の和解。取消料は「8日目まで0%、9日目以降10%、61日目以降30%」などの段階に。2026年2月1日版の条件書の数字は、この和解の内容とほぼ同じ
2017年6月20日消費者団体の消費者被害防止ネットワーク東海が、日本ワーキング・ホリデー協会の約款について申し入れ。申込日の翌々日から7日以内でも32,400円、8日目から出発61日前まで54,000円という解約手数料や、入学金などを一切返金しない条項を、消費者契約法9条1号の問題として指摘。協会は2017年11月に修正後の約款を開示し、2018年3月に申し入れは終了

出典:東京簡裁の判決は判例を紹介している法律事務所のページ(近江法律事務所)、ワールドアベニューの件は消費者機構日本、日本ワーキング・ホリデー協会の件は消費者被害防止ネットワーク東海。ワールドアベニューは和解で規定を改め、いまの条件書は公開されています。

公的機関の記録。消費者庁の2010年の資料には「違約金として90%を請求された」「書類には『解約料実費』とあるが、全額を解約料として請求された」という事例があります。国民生活センターの2005年の資料には、15万円を払ったあと連絡が途絶え、解約を求めたら既払金の7割を請求された例があります。同センターは、出発まで日数があり手続きも始めていないのに、約款にあるといって高い解約料を請求するケースを問題点に挙げています。

法律で言えること。消費者契約法9条1号は、解約料や違約金のうち、同じ種類の契約の解約で事業者に生じる「平均的な損害の額」を超える部分を無効にしています。9条2項は、利用者から求められたら、事業者は解約料の算定の根拠の概要を説明するよう努めなければならない、と定めています。

見抜き方:申込金の行き先と、解約料の根拠を聞く

  • 「申込金はいくらで、何に使われますか。どの時点まで返りますか」
  • 「この解約料の算定根拠を説明してください」(消費者契約法9条2項で、事業者は求められたら概要を説明するよう努めることになっています)
  • 「まだ学校に何も申し込んでいない段階で取り消したら、いくらですか」

⑧申込金を払わせてから、本当の見積を出す

危険サイン

  • 「まず申込金を入れていただいてから、正式な見積を出します」
  • 申込金の金額が、規約やサイトに書いていない
  • 無料期間が過ぎたころに、追加料金や条件の説明が次々に出てくる

知恵袋に残っている相談。2022年3月23日の投稿です。

Yahoo!知恵袋|2022年3月23日|会社名は伏せられている

申込金(数万円)を入金した後に、改めて見積り書が届きました。(中略)最初に提示された申し込み前の見積もり書の金額の倍額でした。(+100万円ほど)

この投稿者は、申込金の数万円は「クーリングオフ期間が過ぎているから」返金できないと言われています。

無料期間が過ぎてから説明が出てくる。

みん評|2026年5月8日|★1|スマ留についての投稿

クーリングオフ期間中には重要な説明がほとんどなく、期間が過ぎてから都合の悪い内容を次々に説明されました。

みん評|2025年7月28日|評価なし|スマ留についての投稿

追加料金があるのならやめようと思いますとラインすると解約料金が10万円かかると言われました。渡航まで1年以上あり、手配や手続きは一切始まっていない

規約を見ると、スマ留の約款は9日目以降のキャンセル料を「申込金及び英語学習ツールの実費」としていますが、申込金の額そのものは約款に書かれていません。ウィッシュインターナショナルの条件書も、申込金の金額は書いていません。申込金の額が規約にない会社では、いくら取られるかを契約前に確かめる方法が、見積しかないということです。

公的機関の記録。消費者庁の2010年の資料には、申込金を払ったら、渡航は1年先なのに残金も払ってほしいと急かされた事例があります。武蔵野市の相談事例(2016年)には、短期留学で「事前説明と違い、追加の負担金が発生し、希望した授業も受けられなかったため、途中帰国した」例があります。JASSOはチェックポイントとして「金額の変更、追加の可能性(追加経費や為替変動による支払い金額の変更)」を確かめるように書いています。

見抜き方:お金を払う前に、最終の数字をもらう

  • 「申込金を払う前に、最終の見積(総額・内訳・為替レートの日付)を書面でください」
  • 「この見積から増える可能性がある項目は、どれですか。上限はいくらですか」
  • 「無料で取り消せる期間は、最終見積を受け取った日から数えてもらえますか」

第3章 お金の流れに出る手口(⑨〜⑩)

夕方のセブの港
夕方のセブの港。学費は外貨で海外の学校に送られます。誰が、いつ、どのレートで送るのかを確かめてください。

払ったお金が、どのレートで換算され、いつ学校に届くか。ここは利用者からいちばん見えにくいところです。

⑨為替レートに上乗せして、率を言わない

危険サイン

  • 見積の為替レートがいくつか書いてあるだけで、どの銀行の、いつのレートか書いていない
  • 規約に「当社所定のレート」「社内レート」とだけある
  • 規約に「為替の差益・差損は当社に帰属」とある

26社のうち、上乗せ率を数字で公開していたのは1社だけでした。

規約の書き方社数例
上乗せ率を数字で公開1社ウィッシュインターナショナル「三菱UFJ銀行TTSレートに4%を乗じたレート」
上乗せを選べる特約として率を提示1社留学情報館(+4.98%)
基準の銀行レート名や「当社所定のレート」だけ13社留学ジャーナル、スマ留、DEOW、タビケン留学 など
「差益・差損は当社に帰属」4社スクールウィズ、CEBU21、ワールドアベニュー、ウインテック留学センター
為替の記載そのものがない7社ISS留学ライフ、ネイティブキャンプ留学、ラストリゾート など

スクールウィズの申込約款には「請求書発行日から振込期日までの為替変動に伴う差益又は差損は当社に帰属するものとし、請求又は払い戻しは致さない」とあります。円高になって会社に差益が出ても、利用者には戻りません(円安で損が出ても追加で請求されない、という意味でもあります)。ウインテック留学センターの「社内レート」は、何を基準にしたレートかも書かれていません。

上乗せ4%は、セブ島3か月(50万円前後)なら2万円、欧米1年(200万円前後)なら8万円です。この金額は、見積書のどこにも別の行としては出てきません。

投稿。

みん評|2025年9月12日|★1|StudyInについての投稿

為替レートを高い金額設定で契約金を払わせておいて、担当は「あとで返金対応します」とのこと。いざ終わってみると、リスクヘッジのため通常レートの+2円でお支払いいただき、返金は行っておりません。とのこと。

公的機関の記録。消費者庁の2010年の資料には「見積書の為替レートについて、自分で計算してみてもおかしな金額であり、書面にも為替レートの説明がなく、不審に感じる」という事例があり、アドバイスとしてこう書いています。

「為替レートに一定のパーセントを上乗せして請求されることがありますが、そのパーセントは事業者によって様々です。事業者の説明資料などにより、為替レートの取扱いをしっかり確認しましょう。また、自ら送金手続きを行うのも一つの方策です。」

反対に、利用者に有利な決まりを書いている会社もあります。セブ島留学センターは「見積り時と申込み時にレート変動がある場合、お客様にとって、得になる方のレートを採用いたします」と書いています。

見抜き方:レートを自分で計算する

  • 「見積書の為替レートは、どの銀行の、いつの、何のレートですか。御社の上乗せは何%ですか」
  • 見積の円の金額 ÷ 外貨の金額で、実際に使われたレートを出し、同じ日の銀行のレートと比べる
  • 「学費を、自分で学校に直接送金できますか」

⑩出発のずっと前に全額を払わせる(そして学校に送らない)

危険サイン

  • 出発の半年以上前に、学費を含む全額の支払いを求める
  • 「なぜ今払う必要があるのか」を聞いても、はっきり答えない
  • 学校に送金した証明(学校の請求書・領収書)を見せない

公的機関の記録。消費者庁の2010年の資料には、支払い時期の事例がまとめて載っています。

「出発が2年先なのに全額支払わされた、出発は1年先だが入金を求められている、出発が7ヶ月先なのに支払ってしまったという事例。」

同じ資料には「大学への授業料をあっせん業者には支払っているのに、大学からは、受け取っていないと言われた事例」もあります。国民生活センターの2005年の事例では、娘のイギリス留学の費用を学費を含めて一括で払ったところ、会社から倒産の通知が届き、現地に確認すると「3ケ月分の学費しか納入されていなかった」と書かれています。武蔵野市の相談事例(2016年)にも、高校生のアメリカ留学で「留学先の高校の授業料も含め300万円を業者に支払ったが、現地校に支払われていなかった」例があります。

実際に起きた破産。早く集めたお金を学校に送らずに使うと、会社が傾いたときに全員が困ります。

会社何が起きたか
株式会社ゲートウェイ21(2008年)9月26日に事業を停止し、10月1日に東京地裁へ破産を申し立て。申立時の負債は約12億9,000万円。破産管財人の報告では、まだ出発していない人が約1,330人・約9億5,000万円。第3種旅行業の登録があり、日本旅行業協会(JATA)の会員でしたが、留学として結んだ契約は旅行業の弁済の対象になりませんでした。管財人は、債権者に配当できる可能性は極めて低いと報告しています
株式会社サクシーオ(2010年)7月4日に事業を停止し、翌日に破産を申し立て。負債は約8億円。渡航予定者435名が出発できず、現地にいた約750名のうち、代金の全額または一部しか学校側に払われていない人が205名いました。第3種旅行業の登録がありましたが、日本旅行業協会は「弁済業務保証金制度にあてはまらない契約が多い」とコメントしています

出典:帝国データバンク(ゲートウェイ21)、トラベルビジョン(2008年10月3日・10日、2010年7月7日)、帝国データバンク(サクシーオ)

エージェントではなく、学校のほうが突然閉まることもあります。2026年9月にはEC English(9月14日)とILAC(9月18日)が相次いで閉校しました。オーストラリアでは2024年12月にIH Sydneyが閉校し、ワーキングホリデービザや観光ビザで通っていた人は、学生ビザの人を守る学費保護制度(TPS)の対象外だと案内されています。そして日本のエージェントの規約は、ほぼ全社が学校の閉鎖を「免責」としています。StudyInだけが、転校できるよう努めることを規約に書いていました。

前払いを遅らせる仕組みを持つ会社もあります。J-CROSS(留学サービス審査機構)は、渡航90日前より前に学費を請求しないことを認証の条件にしています。留学ワールドDEOWと成功する留学の条件書には「出発日の90日前までは、申込者に授業料等のお支払いを請求していません」とあり、留学ジャーナルは2010年に前受金の信託保全の制度を入れています。

消費者庁のアドバイスはこうです。

「早期に多額の前払金を求められていると感じた場合は、なぜこの時期に支払いが必要なのかの説明を求め、明確に説明できないような事業者や、不合理な理由で多額の前払金を求める事業者には注意しましょう。」

同じ資料は、手続きが済むたびに「受入先の正式な入学許可書や、学費などを送金したことを示す書面等を必ずもらうように」とも書いています。

見抜き方:お金の行き先と時期を確かめる

  • 「学費はいつ、誰の口座に、いくら送りますか」
  • 「学校に送った証明(学校の請求書や領収書)をもらえますか」
  • 「出発の90日前より前に払う必要があるなら、その理由は何ですか」
  • 支払ったら、学校にも直接メールで「入金されていますか」と確かめる

第4章 契約したあと・現地で出る手口(⑪〜⑫)

夜のセブ市街
夜のセブ市街。現地で困ったとき、夜でも日本語で連絡がつく相手は誰かを、出発前に決めておいてください。

最後の2つは、お金を払ったあとに起きます。ここで気づいても遅いので、契約の前に「契約したあとどうなるか」を書面でもらっておくのが見抜き方になります。

⑪契約した瞬間に返事が遅くなり、担当が何度も変わる

危険サイン

  • 契約前は当日中に返事が来るのに、契約後は数日〜1週間かかる
  • 「担当が付きます」と言われたのに、返信するのが毎回違う人
  • 渡航中の連絡先が、メールか問い合わせフォームしかない

公的機関の記録。国民生活センターの2005年の事例には、入会金10万円を払って学校選びを頼んだのに「1ヶ月間何の連絡も情報提供もなかった」、催促しても「2週間たっても連絡がない」という例があります。別の例では、15万円を払ったあと連絡が途絶え、1か月半後に出発日を決めろという電話が来ただけでした。消費者庁の2010年の資料にも「当初説明されていたサポートがなかった事例」「留学先の入学許可書が届かない、出発までに働き先が決まらないという事例」があります。

2022〜2026年の投稿。今も、会社をまたいで同じことが書かれています。

Yahoo!知恵袋|2024年11月10日|スマ留を契約した直後の利用者

契約した瞬間3日間もLINEの返信が全然返って来ず

この投稿者は翌日スマ留から電話があり、「LINE担当者とサポート担当者の引き継ぎが上手く出来てなくて自動送信メールだけ送られてるという状態だったらしく」と追記しています。会社が原因を説明した、数少ない記録です。

みん評|2025年12月9日|★1|StudyInを契約中の利用者

2日経過してますが既読すらつきません。これ、何回もですよ。

みん評|2024年4月30日|★1|beoについての投稿

担当がつくといいつつ、メールの返信は毎回違う人ですし

beoについては2022年8月にも「担当がコロコロ変わります。一年で3回変わりました」という投稿があります。比較記事で1位の留学ジャーナルにも「お金の説明がなく、費用なども一週間ほど待っても連絡がない」(2024年5月)という投稿があり、夢カナ留学には「渡航後に連絡は一件もなく、サポートは一才受けていません」(2026年4月)という投稿があります。

なぜ起きるのか。無料のエージェントの収入は、学校からの紹介料です。紹介料は、契約と入金で決まります。だから契約までにいちばん力が入り、契約のあとは次の契約に力が向きやすい、という仕組みの上にある仕事です。転職口コミサイトOpenWorkで見られる留学エージェント7社の「人材の長期育成」の評価は、どこも2.0〜2.8でした。担当者が育つ前に入れ替わる職場なら、「担当が変わる」という投稿は自然に出てきます。

もちろん、良い担当者もいます。スマ留にも「実際には平均して3時間程度で返信をいただけることが多く」(2026年4月、★5)という投稿があります。返信の速さは、担当者と時期で大きく変わる、というのが投稿全体から言えることです。だから「契約後も同じ速さで返事が来る」ことを前提に選ばないでください。

見抜き方:契約後の体制を、先に書面でもらう

  • 「契約後の担当者は誰ですか。返信は何営業日以内が目安ですか。契約後も同じですか」
  • 「渡航中の緊急連絡先は、24時間ですか、日本語ですか、有料ですか」
  • 契約前に一度、メールで具体的な質問を送って、返信の速さと中身を見る

消費者庁は「契約後も、事業者に対して手配の進捗状況を確認しましょう」と書いています。JASSOは、契約書・領収書・メールの写し、電話や面談の日時・相手・内容のメモを残すように勧めています。

⑫部屋・学校・条件が説明と違い、「現地の手配会社の判断」にされる

危険サイン

  • 部屋の人数・広さ・食事・場所が、書面に書かれていない
  • 「きれいなシェアハウスです」と言うが、誰が見たのかは言わない
  • 保険・送迎・オプションが「自由に選べます」と言われたのに、規約では指定されている
  • 規約に「受入機関の都合による変更には責任を負わない」とある

公的機関の記録。消費者庁は2010年の資料で、こう書いています。

「食事の手配、寮やホームステイ先の場所、衛生状況、治安などに関して、事前の説明と現地の状況が異なるというトラブルが多く見られます。」

国民生活センターの2005年の事例では、渡航後にITコースへ移る予定だったのに、その年は定員割れで開講していないことが分かり、代理店は「知らなかったと非を認めたが、解約には応じない」とされています。消費者庁の資料には、ビザが間に合わず「入国時に観光目的と説明すればよい」と事業者に言われ、入国を拒否された事例もあります。

大阪府の消費生活苦情審査会が扱った例(2007〜2008年)では、3か月の留学とホームステイで合計417,540円を払った人が、ホームステイ先の環境に問題があるとして、留学を1か月に短縮して帰国することにしました。事業者が最初に示した返金は54,383円でした。審査会は、約款の免責の条項が事業者の責任まで全部免除する趣旨なら消費者契約法8条1項1号で無効になると判断し、最終的に158,000円を返すことで合意しています。審査会は、この事業者は語学学校との契約を「仲介するだけの存在ではない」とも書いています。

2024〜2026年の投稿。

みん評|2026年2月4日|★1|スマ留についての投稿

書類にも二人部屋と記載されていたため、てっきり二人部屋が用意されていると思っていました。しかし蓋を開けてみると、ベッドルームが3つに分かれているだけの実質七人部屋でした。

みん評|2026年8月6日|★1|スマ留についての投稿

4つある内の1番大きな部屋に案内されるとゆうことで我慢して行った結果案内されたのは1番小さな部屋でお風呂トイレもシェアで使わないといけない。(中略)これ以上この件に関してのお問い合わせは受け付けないと言われて

みん評|2026年2月7日|★1|StudyInで留学中の利用者

1ヶ月しかその寮には入れないと言われました。(中略)なぜ1ヶ月しか入れない寮を案内されたのかも不明ですし

ほかにも「庭にプールがあって綺麗なシェアハウス」と聞いていたのに「古く、清潔感もない全く別物の物件」だった(スマ留、2025年12月)、食事付きで頼んだのに朝は毎日コーンフレークだった(留学ジャーナル、2024年5月)という投稿があります。部屋以外では、「保険は自分で好きな会社を選べるとの説明を受け、それを前提に契約しましたが、実際には指定の保険会社への加入が必ず必要でした」(スマ留、2026年5月)、保険の加入を最初は「必須」と案内され、あとで「推奨」と直された(ネイティブキャンプ留学、2025年9月)という投稿もあります。

なぜずれるのか。スマ留の投稿には「スマ留が行っているメルボルンでのホストファミリー先は、別の代理店が決めています」(2024年5月)とあります。エージェント → 現地の手配会社 → 滞在先、と間に2つ入ると、説明と現物がずれやすくなります。そして規約の多くは、受入機関(学校や滞在先)の都合による変更を免責にしています。留学ジャーナルの約款は「予告なしに変更される場合や定員に満たない等の理由」で実施されなくなった場合に「一切その責任を負いません」とし、スマ留の約款には、部屋が説明と違った場合の扱いを決めた条文が見当たりませんでした。

見抜き方:部屋の条件を書面にして、責任の所在を聞く

  • 「その部屋を、御社の誰が、いつ見ましたか」
  • 「部屋の人数・広さ・食事・場所・入れる期間を、書面に書いてください」
  • 「説明と違ったら、差額は誰が持ちますか。規約のどこに書いてありますか」
  • 「手配は御社がしますか。現地の別の会社がしますか」
  • 「保険・送迎は自分で選べますか。指定があるなら規約のどこですか」

もう契約してしまった人へ:まずやること

夕方の海にかかる橋
夕方の海にかかる橋。契約したあとでも、できることはあります。まず記録を残して、相談窓口に連絡してください。

契約したあとに手口に気づいても、打てる手はあります。やることは6段階で、順番を飛ばさないのがいちばん近道です。

  1. 記録を残す。契約した時点の規約・見積・領収書・メールやLINEの画面・電話のメモを、日付つきで1か所に
  2. 書面で伝える。解約(または取消し)の意思と、解約料の算定根拠の説明(消費者契約法9条2項)を、日付が残る形で求める
  3. 規約と突き合わせる。時期・何の何%か・申込金・為替レート
  4. 消費者ホットライン「188」に電話する。消費生活センターの助言と「あっせん」。相談は無料
  5. 払い方に応じた手を打つ。カードの分割・リボ払いなら割賦販売法の「支払停止の抗弁」。会社と連絡がつかないなら、すぐ学校へ
  6. 第三者に決めてもらう。留学協会のADR(申立1万円)、少額訴訟(60万円以下)、弁護士(法テラス)

ウソの説明で契約させられた場合は、消費者契約法4条で契約そのものを取り消せます。高すぎる解約料は9条1号で「平均的な損害の額」を超える部分が無効です。条文の一覧、解約通知の文例、支払停止の抗弁の条件、実際に返ってきた例まで、別の記事に全部書きました。

記事の内容で気になることがあれば、そのまま質問してください

この記事に書いた手口に当てはまるか、手元の規約や見積で気になるところはどこか。ナビセブは相談窓口ではないので法律の判断はできませんが、規約や見積の読み方ならお答えできます。お問い合わせから送ってください。

セブ島に行くなら、12の手口の多くは最初から避けられます

セブの港と橋
セブの港と橋。セブ島には、日本のエージェントを通す道と、学校に直接申し込む道があります。

欧米の語学学校は、日本語の窓口も日本のオフィスもないところが多く、エージェントを通す理由がありました。セブ島は違います。日本にオフィスを持ち、日本語で直接申し込める学校が多くあります(3D ACADEMY、Brighture、MeRISE、QQ English など。学校名のアルファベット順)。

学校に直接申し込めば、この記事の手口のうち、次のものは最初から起きません。

  • ③ 紹介料の上乗せ:学校の料金表の金額で払う
  • ⑨ 為替の上乗せ:自分で送金するか、学校の決済で払う
  • ⑩ 学費を学校に送らない:払う相手が学校そのもの
  • ⑪ 伝言の遅れ:留学中に困ったときも、学校の日本オフィスに日本語で直接言える

ただし、学校にも規約があります。解約料や返金の決まり、入学金や送金手数料の扱いは、学校の規約で確かめてください。フィリピンでも、サウスピーク(公式トップに「現在閉校中です。」)やNILS(2021年3月以降 全サービス停止中)のように、比較記事に載ったまま営業していない学校があります。申し込む前に、公式サイトが今も更新されているかを見てください。

学校ごとの申し込み窓口と、エージェントなしで申し込む手順は、別の記事にまとめています。

判断材料にならないもの:受賞・実績・ランキング・登録番号

手口とは別に、「安心材料」として出てくるけれど、実際にはあまり当てにならなかったものも書いておきます。

  • 受賞歴:ST Star Awards は、取引先である学校側が投票する賞です
  • 「実績◯万人」「満足度◯%」:確認した範囲では、すべて自社調べでした。26社のうち10社は、同じサイトの中で実績や拠点の数字が食い違っていました(一覧は口コミ記事)
  • 比較サイトの順位:「留学エージェント おすすめ」の上位記事8本に出てくる上位の顔ぶれはほぼ同じ6社で、6社とも紹介の報酬(アフィリエイト)が設定されていました。一部の比較サイトは、競合のエージェント自身が運営しています(比較記事)
  • 旅行業の登録・JATA加盟:ゲートウェイ21もサクシーオも登録していましたが、留学の契約は弁済の対象になりませんでした(手口⑩)
  • J-CROSS認証:財務の審査や、8日間の無条件解除・渡航90日前より前の学費請求の禁止を条件にしているので、何も審査されていない会社との差はあります。ただしJ-CROSS自身が「倒産等の財務トラブルが認証期間中に一切発生しないことを保証するものではない」と書いています(比較記事の本題3)

よくある質問

Q. 悪質な留学エージェントの一覧や、行政処分の記録はありますか?

留学あっせんには国の許可・登録の制度がないため、行政が業者を一覧にした公表はありません。私たちが探した範囲でも、留学あっせんを理由にした行政処分の公表は見つかりませんでした。会社の名前で判断するより、この記事の12の手口に当てはまるかどうかで判断してください。規約・見積・保証の条件を書面でもらえない会社は、それだけで候補から外して構いません。

Q. 「手数料無料」のエージェントは避けたほうがいいですか?

無料そのものは問題ではありません。無料のエージェントは学校からの紹介料で成り立っていて、その仕組みを公式に説明している会社も多くあります。避けたいのは、学校の正規料金と比べられない会社(手口③)と、規約が読めない会社(手口⑤)です。同じ学校・同じ期間で学校に直接見積をもらい、エージェントの見積と並べれば、上乗せがあるかどうかが分かります。

Q. 申込金は、取り消したら返ってきますか?

規約によります。「理由にかかわらず返金しない」と書いている会社もあります。ただし、解約料や違約金が「平均的な損害の額」を超える部分は、消費者契約法9条1号で無効になります。2003年には、留学あっせんの費用を返さない特約について、払った50万円のうち損害は10万円とした東京簡易裁判所の判決があります。高すぎると感じたら、消費生活センター(188)に相談してください。

Q. 留学の契約に、クーリングオフはありますか?

基本的にありません。JASSOは、業者が自主的に規定を設けて契約書に書いている場合を除いて「基本的にはクーリングオフが適用されません」と書いています。多くの会社の「8日以内なら無料」は会社が自分で決めたルールなので、日数や例外は会社ごとに違います。調べた26社のうち9社には、無料で取り消せる期間がありませんでした。

Q. エージェントとトラブルになったら、どこに相談すればいいですか?

まず消費者ホットライン「188」から、近くの消費生活センターに相談してください。相談は無料です。話し合いで解決したい場合は、留学分野のADR(裁判外紛争解決)機関として、特定非営利活動法人 留学協会があります。相談の前に、契約書・規約・見積・領収書・やりとりの記録を集めておくと話が早く進みます。

Q. セブ島留学でも、エージェントには気をつけたほうがいいですか?

手口そのものは、行き先が違っても同じです。ただセブ島の場合は、日本にオフィスがあり日本語で直接申し込める学校が多いので、紹介料や為替の上乗せ、伝言の遅れといった手口の多くは、学校に直接申し込めば起きません。エージェントを使う場合も、この記事の12の危険サインと「契約前に聞く一言」で確かめてください。

まとめ:手口は12、見抜く方法は3つ

青い海の上を渡る橋
青い海の上を渡る橋。見抜く方法は3つだけ。書面でもらう、学校の数字と照らす、根拠を聞く。

20年分の相談事例と、裁判と、破産と、26社の規約と、2022〜2026年の投稿を並べて分かったのは、トラブルの形はほとんど変わっていないということでした。「2名の空きしかない」(2005年)と「いつ申し込みますか?」(2026年)は、同じ手口です。

  1. 書面でもらう。規約・最終見積・保証の条件・部屋の条件・契約後の連絡体制。口頭の説明は、書面にならなければ無いのと同じです
  2. 学校の数字と照らす。学校の正規料金、入学条件、学費が学校に入金されたか。エージェントの説明を、学校の公式の情報で確かめます
  3. 期限と約束には根拠を聞く。「今日まで」「必ず」「保証」と言われたら、その根拠と条件を聞きます

この3つに書面で答えてくれる会社なら、あとは相性の問題です。答えられない会社は、ほかがどれだけ良くても外して構いません。そしてセブ島に行くなら、日本にオフィスがある学校に直接申し込む道があります。

この記事の情報源と調査方法

調査日:2026年9月22〜26日/調査対象:消費者庁・国民生活センター・JASSO・自治体の相談事例と注意喚起、消費者契約法・割賦販売法の条文、裁判例と消費者団体の申し入れ、留学あっせん会社の破産の報道、留学エージェント26社の規約(2026年9月22〜23日に取得)、みん評・Yahoo!知恵袋・OpenWorkの投稿。

調査方法:公的資料と規約は原文を取得して、引用は原文のままにしています。長い引用は(中略)で省いています。投稿は、投稿先と投稿日がはっきりしているものだけを使い、投稿者が本当に利用者かどうか、会社側の言い分は確かめていません。投稿は削除・変更されることがあります。手口の「型」を示すための引用で、名前の出てくる会社が悪質だという意味ではありません。記事中の写真はセブの街並みで、本文に出てくる会社・学校とは関係ありません。

探したが見つからなかったもの:留学あっせんを理由にした行政処分の公表。2011年以降の、国民生活センター・消費者庁による留学あっせんに絞った注意喚起。

主な出典:
消費者庁「留学等あっせんサービスをめぐるトラブルと消費者へのアドバイス」(2010年7月15日)/国民生活センター「増加する『留学等斡旋サービス』トラブル」(2005年5月10日)/JASSO「留学あっせん業者(留学エージェント)の利用について」(2025年7月31日更新)/武蔵野市「留学あっせんサービスの利用は慎重に」(2016年)/消費者庁「消費者契約法」/e-Gov法令検索 消費者契約法/近畿経済産業局「消費者相談事例」/消費者庁「消費者ホットライン」/大阪府消費生活苦情審査会「留学プログラムの契約金返還に関するあっせん事案」/近江法律事務所 判例紹介(東京簡裁 2003年10月30日)/消費者機構日本「約款の改定作業等を現在進めています」・「差止請求訴訟を提起」(2011年9月14日)・「裁判上の和解結果のご報告」(2012年11月)/消費者被害防止ネットワーク東海「日本ワーキング・ホリデー協会への申入れ」/帝国データバンク(ゲートウェイ21)・同 続報・同(サクシーオ)/トラベルビジョン(2008年10月3日)・(2008年10月10日)・(2010年7月7日)/The PIE News「IH Sydney closes」(2024年12月)/みん評 留学エージェントの口コミおよび各社ページ/Yahoo!知恵袋 各質問ページ/OpenWork 各社ページ/各社公式サイトおよび利用規約・約款・条件書(一覧は比較記事)

※ 本記事は、公的機関の公開資料、各社の公開情報、投稿先・投稿日の明記された第三者の投稿にもとづく事実の記載であり、特定の事業者の評価・信用を毀損する意図はありません。投稿内容の真偽は確認できません。記載内容に誤りがある場合はお問い合わせよりご指摘ください。速やかに確認・訂正します。

NEXT GUIDE 留学エージェントの手数料はいくら?「無料」の正体と有料の相場を、26社の規約と海外の統計から書いた【2026年9月】