こんにちは、ナビセブ編集部の田口じゅんです。セブに住んで10年以上になります。暮らしとエリアの記事を担当しています。
セブでは、名前を知らない相手に Excuse me. だけでも通じます。実際の街では、Sir・Ma’am・Ate・Kuya・Boss などの呼び方が飛び交っています。呼び方は名前の代わりではなく、年齢差・立場・親しさを相手に伝える言葉です。
ナビセブ編集部のまとめ
迷ったら男性はSir、女性はMa’am。名前を教わったら名前で呼ぶ

初対面の大人には、年齢も立場も関係なくSirとMa’amが使えます。若い女性店員をMa’amと呼んでも失礼にはなりません。
AteとKuyaは「姉」「兄」の意味で、顔見知りになった少し年上の人に使うと自然です。Tita・Tito・Lola・Loloは相手を上の世代に置く言葉なので、初対面では使いません。本人から「Call me Anna.」と言われたら、その日から名前で呼びます。
SirとMa’amは立場に関係なく使える

名前を知らない大人に丁寧に声をかけるなら、SirとMa’amがいちばん使いやすい呼び方です。上司や教師だけに使う言葉ではありません。店員が客を呼ぶとき、客がスタッフに声をかけるとき、警備員やGrabの運転手に話しかけるときにも使います。
| 相手・場面 | 最初に使いやすい呼び方 |
|---|---|
| 成人男性 | Sir |
| 成人女性 | Ma’am |
| 少し年上の親しい男性 | Kuya |
| 少し年上の親しい女性 | Ate |
| 名前を知っている相手 | 相手が希望する名前 |
| 医師 | Doctor/Doc |
| 教師・上司 | Sir/Ma’am |
| 運転手や男性スタッフ | Sir、場合によりKuya |
| 年齢が分からない相手 | Sir/Ma’am |
| 呼び方に迷う場合 | Excuse me |
使い方は「Excuse me, sir.」「Thank you, ma’am.」「Sir, is this seat available?」のように、文の頭か終わりに付けるだけです。Ma’amは「マム」に近く発音します。若い女性にMa’amを使っても、年上扱いにはなりません。
Ateは「姉」、Kuyaは「兄」

フィリピン語委員会(KWF)は、フィリピン語を担当する公的な機関です。その辞書『Diksiyonaryo ng Wikang Filipino』は、AteとKuyaを年上の姉・兄を指す言葉として載せています。家庭では、年下の子どもが姉や兄を名前だけで呼ばず、AteやKuyaを付けます。
| 家族関係 | 呼び方の例 |
|---|---|
| 年上の姉(Maria) | Ate Maria |
| 年上の兄(John) | Kuya John |
| 姉を名前なしで呼ぶ | Ate |
| 兄を名前なしで呼ぶ | Kuya |
日本語の「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」に近い言葉です。違うのは、家族の外まで使う範囲が広がることです。少し年上の親戚・友人・同僚、名札の名前を知らない店員にも使います。
名前を知らない少し年上の人を「Hey」や「You」で呼ぶと、ぶっきらぼうに聞こえます。Ate・Kuyaを付けると、相手を家族に近い距離に置きながら、年上への敬意も示せます。
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Sir・Ma’amとAte・Kuyaの違い

| 呼び方 | 丁寧さ | 距離感 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| Sir/Ma’am | 高い | やや正式 | 初対面、仕事、ホテル |
| Ate/Kuya | 丁寧で親しい | 近い | 市場、地元の食堂、顔見知り |
| 名前 | 関係による | 対等 | 友人、親しい同僚、呼び方を確認した後 |
| 役職 | 敬意・公的 | やや遠い | Doctor、Attorney、Captain |
| Boss | くだけた | 近い | 非公式な日常会話 |
高級ホテルの受付ではSirとMa’amを、地元の食堂や市場ではAteとKuyaをよく聞きます。はっきりした線引きはなく、同じ人が場面によって両方を使います。SirとMa’amは関係が分からないとき、AteとKuyaは関係が少しできた後に使うと自然です。
店員や運転手をAte・Kuyaと呼んでもよい?

地元のレストラン・カフェ・市場では、ごく普通に使います。注文で「Ate, excuse me.」、値段を聞くときに「Kuya, pila ni?」(セブアノ語で「いくら?」)、帰りに「Salamat, Ate.」という具合です。
ただし、全員をAteやKuyaと呼ばないと失礼になるわけではありません。Excuse me・Ma’am・Sir・名札の名前でも十分です。外国人旅行者が無理に使う必要はなく、意味と距離感を分かったうえで使えば自然に聞こえます。
| 場面 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| ホテルスタッフ | Sir | Ma’am |
| レストランスタッフ | Sir | Ma’am |
| Grab・タクシー運転手 | Sir/Kuya | Ma’am/Ate |
| 警備員 | Sir | Ma’am |
| 店の顔見知り | Kuya | Ate |
| 仕事相手 | Sir+名前 | Ma’am+名前 |
| 医師 | Doctor/Doc | Doctor/Doc |
| 年齢不明の人 | Sir | Ma’am |
| 呼び方に迷う | Excuse me | Excuse me |
Grabの運転手をKuyaと呼ぶ人も多いです。それでも、年齢や関係が分からない最初の一言はSirのほうが無難です。
セブではManang・Manongもよく聞く

AteとKuyaはフィリピン語を通じて全国で使われています。セブでは、年上の女性をManang、年上の男性をManongと呼ぶ声もよく聞きます。
| 呼び方 | 一般的な相手 |
|---|---|
| Ate | 少し年上の女性 |
| Kuya | 少し年上の男性 |
| Manang | 年上の女性 |
| Manong | 年上の男性 |
ManangとManongも、実の姉や兄だけに使う言葉ではありません。名前を知らない年上の人にも呼びかけに使います。ただ、Ate・Kuyaより年上の印象を与えることがあり、世代によって受け取り方も変わります。年齢が分からない相手なら、無理に使い分けずMa’am・Sir・Excuse meで話しかけてください。
Tita・Titoと家族の言葉の広がり

フィリピンでは、家族を表す言葉を血縁のない人との関係にも使います。相手を家族の位置に置くことで、親しさと同時に年齢や上下の関係も示します。
| 家族の言葉 | 本来の意味 | 社会での使われ方 |
|---|---|---|
| Ate・Kuya | 姉・兄 | 少し年上の人 |
| Tita・Tito | おば・おじ | 親の世代の親しい人、家族の友人 |
| Lola・Lolo | 祖母・祖父 | 高齢の人 |
| Anak | 子ども | 年長者から子どもや若い人への呼びかけ |
| Nay・Tay | 母・父 | 母や父に近い年長者への呼びかけ |
Tita・Titoは、友人の母親や父親、家族ぐるみで付き合う年上の人に使います。Ate・Kuyaより一世代上の相手です。初対面の人をいきなりTitaと呼ぶと、年齢を上に見積もったように聞こえます。家族や周りの人がその人を何と呼んでいるかを見てから合わせてください。
po・opoとマノ:セブで目にする敬意の表し方

フィリピン語(タガログ語)では、年上への丁寧さを文末の「po」で表します。「Salamat po.」は「ありがとうございます」、はいの丁寧な形は「Opo」です。マニラ出身の人やテレビの言葉として、セブでも耳にします。
セブアノ語の日常会話では、poの代わりにSir・Ma’amやAte・Kuyaを付けて丁寧さを出すのが一般的です。旅行者がpoを付けなくても失礼にはなりません。
年配の親戚にあいさつするとき、子どもが相手の手の甲を自分の額に当てる仕草を「マノ(Mano)」と言います。家族の集まりで見かけたら、敬意を表すあいさつだと分かれば十分です。
Boss・Miss・Mamserの使いどころ

セブでは、男性に気軽に「Boss」と声をかけることがあります。本当の上司という意味はなく、運転手・販売員・作業員・客に対する友好的な呼び方です。「Salamat, boss.」は「ありがとうね」くらいの軽さです。役所やホテルの正式な受付、仕事の初対面ではSirを使います。
若い女性スタッフに「Miss」と声をかける人もいます。年齢や結婚の有無を連想させるので、誰にでも使える呼び方ではありません。相手の年齢が分からなければMa’amにします。
「Mamser」は、Ma’amとSirを合わせた言葉です。店員が男女の混じった客に「Mamser」とまとめて呼びかけるのを、モールや食堂で耳にします。客の側から使う必要はありません。
教師はSir・Ma’am、またはTeacher+名前

フィリピンの学校や英語学習の場では、教師をSirやMa’amで呼ぶのが基本です。Teacher+名前で呼ぶ学校もあり、どこでも同じではありません。周りの生徒がどう呼んでいるかを見て合わせます。

| 状況 | 呼び方 |
|---|---|
| 呼び方が分からない | Sir/Ma’am |
| Teacher+名前で紹介された | Teacher+名前 |
| 名前で呼ぶよう言われた | 名前 |
| 大学教授 | Professor/Sir/Ma’am |
仕事の場では、敬称+名前の形もよく使います。Sir Mark・Ma’am Maria・Ate Ana・Kuya Jun・Attorney Cruz のような形です。肩書がはっきりしている相手には、その肩書を使えば失礼になりません。
医師はDoctorかDoc

病院やクリニックでは、医師をDoctorかDocと呼びます。DocはDoctorを短くした形で、セブでもよく耳にする呼び方です。名前が分かれば「Doctor Reyes」のように呼べます。
看護師や受付スタッフをDoctorと呼ぶのは間違いです。役割が分からない相手には、SirかMa’amを使ってください。
Lola・Loloと、避けたい呼び方

Lolaは祖母、Loloは祖父の意味です。家族以外の高齢の人に、親しみと敬意を込めて使うこともあります。ただ、見た目だけで初対面の人をLolaと呼ぶと「とても年上に見えた」と伝えるのと同じです。知らない女性を突然「おばあちゃん」と呼ばないのと変わりません。本人や家族がLola・Loloと呼んでいる場合を除き、最初はMa’amかSirにします。
| 避けたい呼び方 | 理由 |
|---|---|
| Boy・Girl | 相手の年齢や立場を低く扱うように聞こえる |
| 離れた場所から「You!」 | ぶっきらぼうに聞こえる。Excuse meで呼ぶ |
| 見た目だけでLolo・Lola・Tita | 相手の年齢を決めつけることになる |
名前だけで呼ぶのは失礼?

必ず失礼になるわけではありません。職場や外国人の多い環境では、年上の人でも名前で呼ぶことがあります。本人に「Please call me Anna.」と言われたら、その後はAnnaと呼んで問題ありません。
家族・学校・地域の集まりでは事情が違います。年上の人を名前だけで呼ぶと、距離が近すぎるか敬意が足りないと思われます。呼び方を聞くなら「What should I call you?」が自然な英語です。
呼び方を相手に合わせる3段階

1.最初はSir・Ma’am
相手の名前・年齢・立場が分からないときに使います。
2.周りの呼び方を見る
同僚や家族が、その人を何と呼んでいるかに合わせます。
3.本人の希望に合わせる
「名前で呼んでください」と言われたら、呼び方を変えます。いつまでも敬称を付け続けるより、相手が心地よい距離に合わせるほうが丁寧です。
👨💻 ナビセブ編集部
ナビセブ編集部の結論

セブの人は、名前を知らない相手にも呼び方を付けて話しかけます。AteやKuyaは、会話の入口をやわらかくする言葉です。知らない人を「You」と呼ばずに済みます。その反面、呼び方には年齢と立場が入っているので、親しみのつもりで相手を不快にさせることもあります。
覚えた言葉をすぐ使う必要はありません。最初の一言はSirとMa’am、2回目からは周りの呼び方と本人の希望に合わせてください。旅行や短期の滞在なら、Excuse me・Please・Thank youを丁寧に言うだけでも気持ちは伝わります。
よくある質問

若い店員にもMa’amと呼んでよいですか?
はい。セブではMa’amが成人女性への丁寧な呼び方として広く使われ、年配という意味にはなりません。
AteとKuyaは実の姉や兄だけに使いますか?
いいえ。少し年上の親戚・友人・同僚・店員、名前を知らない人にも使います。
AteやKuyaは名前の前に付けますか?
名前が分かれば「Ate Ana」「Kuya Jun」のように付けます。名前を知らなければ、AteかKuyaだけで呼びかけになります。
Grabの運転手をKuyaと呼んでもよいですか?
よく使われる呼び方です。年齢や関係が分からない最初の一言は、Sirのほうが無難です。
Bossは失礼ではありませんか?
くだけた場面では友好的な呼び方です。仕事や役所など正式な場では、Sirを使ってください。
呼び方を間違えたらどうしますか?
短く謝って、相手が希望する呼び方に変えれば問題ありません。「What should I call you?」と聞くのが自然です。
最後に

この記事の内容は2026年10月に確認しました。確認先は、フィリピン語委員会(KWF)の辞書・フィリピン教育省の学習教材・フィリピン人の呼称を扱った研究論文です。
セブに着いたら、まずホテルやモールのスタッフが客を何と呼んでいるかを聞いてみてください。顔見知りができたら、その人が周りから呼ばれている名前で呼べば間違いありません。




