こんにちは、ナビセブ編集部の山下こうきです。ホテルとイベントの記事を担当しています。
小泉進次郎防衛大臣が2026年10月28日から30日まで、セブ島を訪れました。目的は、マクタン島で開かれた東南アジアと日本などの防衛大臣の会議に出ることです。会議の合間には7か国の国防大臣と個別に会い、フィリピンとは護衛艦を譲る話し合いを続けることを確かめました。
ナビセブ編集部のまとめ
言ったのは「日本は攻める国にならない」「困ったらすぐ電話しよう」の2つ。フィリピンとの協力はさらに深まります

| 何をしに来た? | 東南アジアの国々と日本・米国・中国などの防衛大臣が集まる会議に出るため |
| 何を言った? | 日本は守りを固めるが、自分から攻める国にはならない。もめごとが起きたら、まず相手に直接電話しよう |
| 何が決まった? | フィリピンに中古の護衛艦を譲る話し合いを続け、先に乗組員の訓練を始める。小型の飛行機も2027年度に1機渡す方向 |
| これから日比は? | 船・飛行機・人の訓練で協力が続き、両国の関係はさらに近くなる |
そもそも何の会議?|東南アジアと日本・米国・中国などの防衛大臣が集まる場

小泉大臣が出たのは2つの会議です。1つ目は、東南アジアの国々(ASEAN)と日本だけで話す会議。2つ目は「ADMMプラス」と呼ばれ、ASEANに日本・米国・中国・韓国・インド・オーストラリアなど8か国が加わります。国の防衛を担当する大臣が、年に1回顔を合わせる場です。
2026年はフィリピンがASEANの議長国なので、会場はラプラプ市のMactan Expo(マクタン・エキスポ)になりました。ラプラプ市では1月にASEAN観光フォーラム、5月にASEAN首脳会議も開かれています。
| 日にち | 小泉大臣の予定 |
|---|---|
| 10月28日 | 日本とASEANの会議。米国・韓国・インド・フィリピン・ベトナム・シンガポールの大臣と個別に会談。日米豪比の4か国でも会談 |
| 10月29日 | ADMMプラスで演説。オーストラリアの大臣と会談 |
| 中国 | 国防大臣は来ず、マニラの大使館の担当者が代わりに出席 |
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言ったこと①「日本は攻める国にならない」|なぜ言ったのか

日本はいま、防衛のルールを大きく見直しています。年内には、国の守り方の基本方針を書いた3つの文書を書き直す予定です。武器を外国に出すときのルールも、4月に改めました。
周りの国から見ると「日本は強くなって、また攻める国になるのでは」と心配になります。そこで小泉大臣は演説で「専守防衛は変わらない」と言い切りました。専守防衛とは、攻められたときだけ守り、自分から攻めには行かないという日本の決まりです。
つまり「守りは強くするけれど、攻める国にはならない」と、各国に先回りして説明したわけです。会見では「説明してほしい国があれば、中国も含めて私が説明に行く」とも話しています。
言ったこと②「困ったらすぐ電話しよう」|なぜ言ったのか

演説のもう一つの柱が「Speak Directly(直接話そう)」です。海の上では、各国の船や飛行機が近づいて、ぶつかりそうになることがあります。そのとき相手の国と連絡が取れないと、ちょっとした勘違いが大きな争いにつながりかねません。
小泉大臣は「何か起きたとき、ためらわず最初の電話をかけられるか。その相手の顔を知っているか」と会場に問いかけました。ふだんから大臣どうしが知り合いで、直通の電話(ホットライン)がすぐ使える状態にしておこう、という呼びかけです。意見が合わない国とも、連絡の道だけは開けておく。それが争いを防ぐいちばんの近道だという考え方です。
会議中に北朝鮮がミサイル発射|その場ですぐ話せた

演説した29日のお昼前(フィリピン時間11時36分ごろ)、北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。韓国軍の発表では約10発で、日本の海域への落下は確認されていません。
ちょうど会議の最中だったので、日本側は同じ会場にいた米軍の司令官や韓国の国防大臣と、その場ですぐに情報を交換しました。「直接話そう」と呼びかけたその日に、顔を合わせて話せる大切さが実際に示された形です。
何が決まった?|国ごとにかみくだいて整理

| 相手の国 | 決まったこと |
|---|---|
| フィリピン | 海上自衛隊の護衛艦(あぶくま型)を、引退したあとできるだけ早く譲る話し合いを続ける。渡す前に、フィリピン海軍の乗組員の訓練を日本が始める |
| フィリピン | 自衛隊の小型飛行機(TC-90)を2027年度に1機渡す方向で、使い方や整備の協力を話し合う |
| 米国 | 米国製のミサイルを日本国内で組み立て・検査する工場をつくることで合意。サイバー攻撃への備えでも協力 |
| オーストラリア | 日本が開発中のミサイルの試験に、オーストラリアの試験場を使う調整を進める |
| インド | 年内に東京で、外務・防衛の大臣会合を開く |
| 中国 | 国防大臣が来なかったので、会談はなし。小泉大臣は「直接話したかったので残念」と話した |
フィリピンとの話でいちばん大きいのは護衛艦です。ただし、まだ引き渡しは決まっていません。今回決まったのは「話し合いを続けること」と「先に人を育てること」です。船だけ渡しても、動かせる人と直す仕組みがなければ使えないからです。
フィリピンと日本は、東シナ海と南シナ海で力ずくで現状を変えようとする動きに反対し、中国の活動への強い心配も共有しました。中国側は「フィリピンの政治家が参加を邪魔した」と主張し、フィリピンの国防大臣は「それは中国の言い分で、ASEANの考えではない」と言い返しています。
これから日本とフィリピンの関係はどうなる?

ここ1〜2年で、日本とフィリピンの距離は一気に縮まっています。今回の訪問は、その流れの続きです。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2025年9月 | 自衛隊とフィリピン軍がお互いの国で一緒に訓練しやすくなる協定が発効 |
| 2026年5月 | マルコス大統領が国賓として来日。両国の関係を一段上の「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げ |
| 2026年10月 | 国交正常化70周年の記念レセプションをセブでも開催。今回の防衛大臣会談で護衛艦と飛行機の話が前進 |
| 2027年度 | 小型飛行機TC-90を1機渡す方向 |
これからは、護衛艦を渡す準備としての乗組員の訓練、飛行機の受け渡し、一緒に行う訓練が続きます。日本にとってフィリピンは、同じ海を守る大事な仲間になりつつあります。小泉大臣は前日の日ASEAN会議でも「ASEANの進む道はASEANが決める。日本はその手伝いをする」と話し、押しつけではなく支える立場を強調しました。
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留学生にとっての今回の訪問|11年前はセブ島留学の現場を視察

小泉大臣は2015年9月にもセブを訪れています。内閣府大臣政務官としてセブで開かれたAPECの大臣会合に出席し、その合間にセブ島留学とオンライン英会話の現場を視察しました。英語を学ぶ日本人の姿を見に来た政務官が、11年後に防衛大臣として同じ島へ戻ってきた形です。
セブで学ぶ日本人留学生にとって、日本とフィリピンの距離が近づくのは心強い話です。現地の先生や友だちと話すとき、今回の会議は会話のきっかけにもなります。編集部としては、70周年の今年をきっかけに、学校どうしの交流や留学生が参加できる行事がセブでさらに増えることを期待しています。

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👨💻 ナビセブ編集部
ナビセブ編集部の結論

小泉大臣がセブで伝えたのは「日本は守りを固めるが、攻める国にはならない」「もめごとはまず直接話して止めよう」の2つです。フィリピンとは護衛艦と飛行機を譲る話が進み、先に人を育てる協力も始まります。
2015年に留学の現場を見に来た人が、今回は防衛の相手国としてセブに来ました。日本とフィリピンの関係は、守りの面でも人の交流の面でも、これからさらに近くなっていきます。
よくある質問

小泉防衛大臣は何のためにセブへ行ったのですか?
10月28日の日本とASEANの防衛大臣会議と、29日のADMMプラスに出席するためです。会議の合間に7か国の国防大臣と個別に会談し、日米豪比の4か国会談にも出席しました。
「専守防衛」とは何ですか?
攻められたときだけ守り、自分から攻めには行かないという日本の防衛の決まりです。日本が防衛力を強めても、この決まりは変えないと小泉大臣は説明しました。
「Speak Directly」は英語学習の話ですか?
違います。防衛大臣どうしが「困ったらすぐ直接電話しよう」という呼びかけです。勘違いから争いになるのを防ぐため、ふだんから連絡できる関係を作っておく考え方です。
フィリピンに護衛艦はもう渡したのですか?
まだです。護衛艦が引退したあと、できるだけ早く譲れるよう話し合いを続ける段階です。その前に、フィリピン海軍の乗組員の訓練を日本が始めます。
セブの留学生に関係はありますか?
会議そのものは国の防衛の話で、留学の手続きや生活がすぐに変わることはありません。ただ、小泉大臣は2015年にセブ島留学の現場を視察しています。今年は日本とフィリピンの国交正常化70周年で、留学生が参加できる記念行事もセブで開かれています。
最後に

この記事の情報は2026年11月1日に確認しました。会談の内容は、防衛省の発表と10月28・29日の大臣会見をもとにしています。会見の全文は防衛省のサイトで読めます。
