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カルボンマーケットは何が変わった?セブ最古の公設市場と再開発の現在地

セブ市で最も古い公設市場カルボンは、火災と混雑を経て2020年に50年の再開発契約へ。市場として残った機能と、複合地区へ変わりつつある現在地を整理します。

カルボンマーケットは何が変わった?セブ最古の公設市場と再開発の現在地
カルボンマーケットの通りに並ぶ露店。写真: Patrickroque01 / CC BY-SA 4.0

しかし、現在のカルボンは大きな転換期にあります。古い市場施設と路上の売り場を中心とした場所から、整備された公共市場、商業施設、飲食店、公園、観光・文化エリアを含む地区へ変わろうとしています。再開発によって、道路、排水、衛生、照明、安全性は改善されます。しかし、建物が新しくなれば、カルボンの価値がそのまま残るとは限りません。

カルボンをカルボンにしてきたのは、建物ではなく、安い商品、少量でも買える仕組み、早朝から働く商人、地方から届く農水産物、長年の人間関係だからです。Carbon Marketの再開発で問われているのは、古い市場を新しくできるかだけではありません。市場を利用してきた人たちが、新しくなった後も同じ場所で商売と生活を続けられるかです。

結論

公共市場の役割を残しながら、複合地区へ変わる途中

Carbon Marketは、古い市場から新しい商業施設へ完全に置き換わったわけではありません。2026年8月時点でも再開発は続き、契約、公共用地、出店料、売り場、商人の生活をめぐる議論が残っています。

Carbon Marketはいつ始まった?

Carbon Marketは、セブ市の港に近いErmita周辺で、100年以上にわたって発展してきた公共市場です。

Carbon Marketが現在の形で営業を始めた正確な年については、資料によって説明が異なります。「1909年に始まった」「1900年代初めに成立した」「スペイン統治時代から周辺で商取引が行われていた」など、複数の説明があります。そのため、創業日を一日まで断定することはできません。

以前のカルボンマーケットの入口と人通り
以前のカルボンマーケットの入口と人通り。写真: User:P199 / CC BY-SA 4.0

港やDowntownセブに近く、Colon Streetからアクセスできるため、地方の商品を運び込み、市内へ分配しやすい場所でした。港、鉄道、道路、人の移動が重なる場所に商人が集まりながら成長した市場で、一度に設計・完成されたショッピングモールとは異なります。

なぜ「カルボン」という名前なのか

市場の名前は、二酸化炭素やカーボンクレジットではなく、石炭に由来すると説明されています。スペイン語で石炭はcarbónです。かつて、この周辺には、セブRailwayや蒸気船に供給する石炭の保管場所がありました。大量の石炭が置かれていたため、地域がカルボンと呼ばれるようになったとされています。

当時の命名を直接記録した一次資料が十分でないため、「石炭の保管場所に由来すると広く説明されている」と扱います。現在のCarbon Marketで石炭を見ることはほとんどありません。しかし、輸送と物流が集まる場所だった特徴は、農産物や生活物資を動かす市場として受け継がれました。

カルボンは商品を売る場所だけではない

Carbon Marketの一つの売り場の後ろには、複数の仕事があります。農産物の運搬、商品の仕分け、台車での荷運び、氷や容器の販売、ジプニーやトライシクルの運転、食事の提供、小分け、清掃、売れ残り品の回収などです。

少量の購入や商人との価格相談もできます。一個だけ買う人、サリサリストアで売るためにまとめ買いする人、飲食店のため早朝に仕入れる人、家庭用に一日分を買う人が、同じ市場を利用してきました。

1964年に市場用地として正式に確保された

Carbon Marketが長く営業していたことと、土地が法的に市場用地として整理された時期は同じではありません。1964年5月13日、Diosdado Macapagal大統領は大統領布告No. 241を発令しました。この布告によって、セブ市にある国有地の一部が売却や入植の対象から外され、市場用地として確保されました。対象となったLot 913の面積は、5,685平方メートルです。管理はセブ市に置かれました。

これはCarbon Market地区全体の面積ではありません。現在の再開発区域全体を5,685平方メートルと考えるのは間違いです。布告No. 241が対象としたのは、カルボンを構成する特定の土地です。しかし、この資料によって、国がカルボンの土地を公共市場のために確保し、セブ市へ管理を委ねたことが確認できます。

市場が大きくなるほど問題も増えた

Carbon Marketは、市民に安い商品を提供する一方で、長年さまざまな問題を抱えてきました。

カルボン公設市場の建物と青果の積み荷
カルボン公設市場の建物と青果の積み荷。写真: Elmer B. Domingo / CC BY-SA 4.0
  • 古い市場施設
  • 狭い通路
  • 排水
  • ごみ
  • 火災
  • 路上販売
  • 車と歩行者の混在
  • 違法または未登録の売り場
  • 駐車場所
  • 商品の搬入
  • 夜間の安全
  • 衛生設備

カルボンの問題は、単に建物が古いことだけではありません。市場の中だけで営業が完結せず、道路、歩道、公園、周辺の空き地まで商売の場所として使われてきたことも関係しています。商人が多いから活気が生まれます。しかし、売り場が増え続ければ、人と車が通れなくなります。市場の自由さと、市場を安全に管理することの間には、以前から難しい問題がありました。

火災で市場施設が失われた

Carbon Marketでは、施設の老朽化だけでなく、火災による被害もありました。Unit 2は1998年の火災で失われ、その後、再建が長く進まない時期がありました。Unit 3でも2018年に火災が発生し、上階が被害を受けています。

市場には可燃性の商品、狭い売り場、電気配線、調理器具、夜間営業、大量の商品が同居します。そのため、火災が発生すると、商品だけでなく商人の生活基盤まで失われます。新しい市場施設に防火設備、広い通路、整理された電気設備が必要とされた背景には、こうした経験があります。

Freedom Parkは本来、市場ではなかった

Carbon Marketの中で、昔と現在の変化が分かりやすい場所の一つがFreedom Parkです。この場所は、市場の売り場としてつくられた土地ではありません。以前はPlaza Washington、さらに前はPlaza Recoletosと呼ばれた公共空間でした。Freedom Parkという名前には、人々が集まり、意見を表明できる場所という意味があります。

整備されたフリーダムパークと記念塔
整備されたフリーダムパークと記念塔。写真: Filipinayzd / CC0

しかし、市場が拡大するにつれて、Freedom Parkにも花、植物、生活用品などを売る商人が集まりました。長い間利用してきたセブアノにとっては、Freedom Park=花を買う場所という記憶もあります。

再開発では、売り場が移され、Freedom Parkは再び公園として整備されました。これは、歴史的な公共空間を取り戻したとも言えます。しかし、そこで商売をしていた人から見れば、長年の営業場所を失った変化でもあります。同じ出来事でも、立場によって意味が違います。

2020年に50年間の再開発契約

  1. 2020年
    Megawideの子会社Cebu2World Development, Inc.は、Carbon Market地区の建設・運営に関する50年間の契約を獲得しました。
  2. 2021年1月
    セブ市行政とJoint Venture Agreementが結ばれました。当時、事業規模は₱5.5 billionと発表されています。

再開発には、公共市場の近代化、衛生環境、道路と歩道、排水、駐車場、防災と安全、公園と歴史的空間の再整備、飲食・小売・観光機能の追加が含まれます。開発会社はカルボンを、公共市場だけでなく、商業、文化、歴史、観光を組み合わせた地区へ変える方針を示しています。

すでに変わったカルボン

再開発は一度に完成するのではなく、段階的に進められています。開発会社が2024年1月に公表した情報では、その時点で次の5エリアが稼働していました。

屋根付きの飲食スペースに集まる人々
屋根付きの飲食スペースに集まる人々。写真: Wide Awake! / CC BY 4.0
  • Bagsakan
  • Sto. Niño礼拝堂と公園
  • Interim公設市場建物
  • Freedom Park
  • The Barracks

また、道路と歩道の補修・拡幅、排水設備、安全対策なども行われたと説明されています。Interim公設市場建物は、新しい主な市場が完成するまでの仮設市場として使われています。仮設といっても、単純な屋外テントではありません。登録された売り場、通路、照明、衛生設備を備えた市場施設です。

The Barracksには、飲食店や小売店舗が入り、従来のカルボンを利用していなかった層も訪れる場所になりました。

曲線屋根のサントニーニョ礼拝堂
曲線屋根のサントニーニョ礼拝堂。写真: A.C.T. Alejandre / CC BY-SA 4.0

以前と再開発中のカルボンを比較

以前の生活市場と、再開発中の複合地区を同じ項目で比較します。現状は完成後の姿ではなく、変化の途中です。

比較項目 THEN|以前のカルボン NOW|再開発中のカルボン
主な役割 食品と生活用品の公共市場 公共市場+飲食+商業+文化
売り場 建物、路上、公園周辺に自然に形成された売り場 区画化・登録された売り場と新しい市場施設
通路 商品と人が混在 通路を区分・整備
排水 雨や市場排水が課題 排水設備を改善
支払い 現金中心 一部でデジタル決済を導入し、デジタル化を推進
Freedom Park 花店などの売り場 公共公園として再整備
利用者 商人、住民、仕入れ客と長年の常連関係 従来の利用者に加え、新しい利用者や飲食・観光客も想定
管理 セブ市中心 セブ市と民間事業者のJVA
街の見え方 生活市場 再開発中の複合地区
Carbon Market再開発前後の役割・施設・管理の比較

Carbon Marketは、古い市場から新しい商業施設へ完全に置き換わったわけではありません。公共市場としての役割を残しながら、複合地区へ変わる途中にあります。

新しくなって良くなったこと

Carbon Marketの近代化には、必要だった部分があります。

  • 通路と安全:通路が整理されれば、買い物客だけでなく、商品を運ぶ人や緊急車両も移動しやすくなります。
  • 排水と衛生:生鮮市場では、水、魚、肉、野菜、ごみが集まります。排水設備と清掃方法の改善は、見た目だけでなく、働く人の健康にも関係します。
  • 防火:火災を経験した市場では、防火設備、電気配線、避難経路の整備が必要です。
  • 夜間の照明と警備:早朝や夜間に働く商人にとって、照明と安全管理は重要です。
  • トイレと休憩設備:公共市場で働く人は長時間滞在します。清潔なトイレ、シャワー、休める場所は、観光客のためだけではなく、商人の労働環境にも必要です。

建物だけで公共市場を評価できるか

新しい建物、デジタル決済、飲食店、駐車場だけで公共市場を評価することはできません。次の点も確認する必要があります。

  • 小規模商人が支払える料金か
  • 以前の商人が戻れるか
  • 売り場の割り当ては公平か
  • 少量購入ができるか
  • 商品価格が上がらないか
  • 路上商人を排除するだけにならないか
  • 市民が日常的に使える場所か
  • 商業施設が公共市場より優先されないか

観光客が写真を撮りたくなる市場になっても、以前の買い物客が商品を買えなくなれば、カルボンの役割は変わってしまいます。

商人が心配していること

再開発に対し、すべての商人が同じ意見を持っているわけではありません。新しい施設、衛生設備、照明、安全性を歓迎する人もいます。一方で、一部の商人団体は、次の点に懸念を示しています。

  • 出店料の上昇
  • 売り場の割り当て
  • 移転後に戻れるか
  • 未登録商人の扱い
  • 公共市場の民営化
  • 公共用地の商業利用
  • 50年間という契約期間
  • Joint Venture Agreementの合法性

2026年6月、商人団体Carbohanong Alyansa側の弁護士は、裁判で争っているのは再開発そのものではなく、Joint Venture Agreementの合法性だと説明しました。対象となる公共用地を長期の商業的共同事業へ含められるのか、手続きが適切だったのか、市にとって財政的に妥当なのかが争点とされています。

2026年8月時点で裁判上の結論が確定したとは確認できません。そのため、この記事では、商人側の主張を確定した事実としてではなく、現在審理されている論点として扱います。

セブ市と開発会社の役割は同じではない

カルボンの再開発では、セブ市行政とCebu2World Development, Inc.の役割を分けて考える必要があります。Cebu2Worldは、施設の建設、運営、商業エリアの開発を担う民間事業者です。一方、カルボンは公共市場です。公共市場の登録商人、出店料、市場規則には、セブ市の市場規則や条例が関係します。2026年には、セブ市側からも、市場の行政権限は市にあり、民間事業者へすべてを譲ったわけではないという説明が出ています。

現場では、商人の認定、料金決定、徴収を誰が担い、公共市場と商業区画をどう分けるのかが分かる必要があります。不明確なら商人の不安は残るため、契約上の説明だけでなく、誰が何を決めているかを見ます。

カルボンが残したもの

再開発によって、建物と景観は変わっています。しかし、カルボンには現在も残っている役割があります。

  • セブの食料を動かす:カルボンには、地方から野菜、果物、魚、肉、米などが集まります。それを家庭、食堂、サリサリストア、小売商人が買います。
  • 少額で買える:大型店ではパッケージ単位の商品でも、市場では必要な量だけ買える場合があります。これは所得が限られる家庭にとって重要です。
  • 小さな商売を始められる:大きな資本を持たない人でも、売り場、台車、路上販売などから商売を始められるのが、従来のカルボンでした。
  • 人間関係で取引する:長年の常連客と商人の間では、商品の質、仕入れ時間、価格、支払いについて関係がつくられています。新しい建物へ移しても、この関係は設備として再建できません。

カルボンで残すべきものは古い建物だけではない

歴史ある場所を守るというと、古い建物や記念碑を残すことを考えます。しかし、Carbon Marketの歴史は、建築物だけにあるのではありません。早朝に商品を並べること、地方から届く品を仕分けること、必要な量だけ売ること、商人同士の助け合い、常連の好みを覚えること、少ない資金で商売を始められることも、カルボンの歴史です。

Freedom Parkを再建し、昔の名前を表示し、古い建物を修復しても、小規模商人がいなくなれば、カルボンの生活文化は残りません。一方で、古い環境をそのまま維持し、火災、排水、衛生、安全の問題を放置することも、商人を守ることにはなりません。カルボンに必要なのは、昔の状態へ戻すことではありません。安全で清潔になっても、生活市場として使い続けられることです。

結論

カルボンの建物や景観は変わりつつあります。再開発を評価する基準は、安く少量でも買え、小規模商人が働き、セブの食料が市民へ届くという役割が残るかどうかです。安全で清潔な施設と、生活市場として使い続けられる条件の両方を見る必要があります。契約や公共用地、商人の生活をめぐる議論は、原稿の2026年8月時点で続いています。

よくある質問

Carbon Marketはいつできましたか?

正確な開設日は資料によって異なります。1900年代初めに市場として形成されたと広く説明されていますが、スペイン統治時代から周辺で商取引が行われていたという資料もあります。

カルボンという名前は何に由来しますか?

セブRailwayや蒸気船に使われた石炭の保管場所が周辺にあり、スペイン語で石炭を意味するcarbónからカルボンと呼ばれたと説明されています。

Carbon Marketはセブ市の市場ですか?

はい。カルボンは公共市場です。1964年の大統領布告No. 241では、対象となる国有地が市場用地として確保され、セブ市の管理下に置かれました。

Carbon Marketは民営化されたのですか?

セブ市行政と民間事業者Cebu2World Development, Inc.が50年間のJoint Venture Agreementを結んでいます。しかし、セブ市は公共市場に対する行政権限を維持していると説明しています。契約の合法性や公共用地の扱いについては、2026年8月時点でも議論と裁判が続いています。

再開発は完成していますか?

いいえ。Interim公設市場、Freedom Park、The Barracksなどは稼働していますが、Carbon Market地区全体の再開発は2026年8月時点で進行中です。

再開発で良くなったことは何ですか?

道路、歩道、排水、照明、安全、衛生設備などの改善が進められました。商人と利用者が安全に使える市場環境をつくることが目的の一つです。

商人は再開発に反対していますか?

意見は一つではありません。施設改善を歓迎する商人がいる一方、出店料、売り場の割り当て、移転、公共市場の商業化、契約の合法性に懸念を持つ商人団体もあります。

旅行者もカルボンへ行けますか?

利用できます。しかし、カルボンは観光施設だけではなく、商人が働き、市民が買い物をする生活市場です。商品の搬入や営業を妨げず、人物を撮影するときは許可を取る必要があります。

主な確認資料

この記事では、開発会社が公表する整備内容と、商人団体が示す懸念を分けて記載しています。Joint Venture Agreementに関する裁判上の論点は、2026年8月29日時点で最終的な司法判断が確定していないため、どちらかの主張を事実として断定していません。

Carbon Marketの施設、売り場、料金、工事予定は変更される可能性があります。訪問や出店手続きの際はセブ市市場課の最新案内を確認してください。情報確認日:2026年8月29日

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