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セブ市SRPのSouth Coast Cityの開発投資はいくら?土地取得費・Ayala Land投資・事業全体の数字を整理する

South Coast Cityでは、2015年の土地取得対価100.1億ペソと、Ayala Landが2021年に公表した約900億ペソの長期投資計画を区別する必要があります。約900億ペソは土地と開発への支出を含む約20年間の計画で、SM側を含む地区全体の支出済み総額ではありません。ArenaやSMXにも個別の公表金額がありますが、対象範囲と計上時点がそろわないため、単純に足した数字を総事業費にはできません。

セブ市SRPのSouth Coast Cityの開発投資はいくら?土地取得費・Ayala Land投資・事業全体の数字を整理する
South Coast Cityの開発投資はいくら?土地取得費・Ayala Land投資・事業全体の数字を整理 — Patrickroque01, CC BY-SA 4.0

要点

South Coast Cityでは、2015年の土地取得対価100.1億ペソと、Ayala Landが2021年に公表した約900億ペソの長期投資計画を区別する必要があります。約900億ペソは土地と開発への支出を含む約20年間の計画で、SM側を含む地区全体の支出済み総額ではありません。ArenaやSMXにも個別の公表金額がありますが、対象範囲と計上時点がそろわないため、単純に足した数字を総事業費にはできません。

South Coast Cityを調べると、100億、900億、3,000億ペソといった規模の違う数字に出会います。さらにArenaやConvention Centerのニュースには、それぞれ別の投資額が登場します。どれか一つを選んで「開発費はいくら」と答える前に、その数字が土地代なのか、将来の投資計画なのか、個別施設の費用なのかを確認することが、この地区の事業規模を理解する出発点です。

公表金額は対象と時点をそろえて比較する

英語記事でよく使われるbillionは10億を意味し、₱10.01 billionは100.1億ペソ、₱90 billionは900億ペソです。いずれもフィリピンペソの金額で、日本円ではありません。以下では英語表記も添え、原資料の数字と照合できるようにしています。

公表金額 対象・公表時点・読み方
100.1億ペソ/₱10.01B 2015年の共同取得用地の対価。Ayala Landの2015年次報告書に記載された土地取引の金額。
約900億ペソ/約₱90B Ayala Landが2021年6月30日のPSE開示で説明した、土地と開発への約20年間の投資計画。
70億ペソ/₱7B SM Primeが2026年7月9日に発表したSM Seaside Cebu Arenaの施設に関する金額。
36億ペソ/₱3.6B SM Primeが2025年11月27日に公表したSMX Seaside Cebuへの投資額。別のSMX公式紹介には53億ペソと記載。
約80億ペソ/約₱8B SunStarが2026年7月10日に報じた、Arena・SMX・ホテル等の複合施設に関する経営側の説明。個別施設額との内訳照合はできない。
公表金額は対象と時点をそろえて比較する

出典:Ayala Land 2015年次報告書〈PDF172ページ〉Ayala LandのPSE開示SM PrimeのArena公式発表SMXへの36億ペソ投資発表SunStarの複合施設投資報道

表の数字は、同じ総額を別の資料が言い換えたものではありません。土地取引、会社別の長期計画、建物単位の発表が混在しています。特に「investment」と書かれていても、最終的に支払いが終わった建設費を意味するとは限らず、発表文が示す対象と段階まで読む必要があります。

土地取得費100.1億ペソは、建物まで含む完成費用ではない

Ayala Landの2015年次報告書によると、SM–ALI側のコンソーシアムは2015年6月30日、Cebu Cityが所有するSRPのLot No. 8-B-1の入札に参加し、落札しました。対象面積は263,384㎡で、取得対価は100.1億ペソです。現在の開発紹介で使われる約26haという数字に対し、この報告書は土地取引の対象を区画番号と面積で示しています。

同じ記載には、対価をSMが56.99%、ALIが43.01%の割合で負担したことも示されています。ここで確認できるのは土地取得対価の負担割合であり、現在の全建物の所有割合や共同事業会社の株式比率ではありません。100.1億ペソを「SMだけが支払う総開発費」と説明したり、この割合をそのまま将来の開発費に掛けたりすると、資料の意味が変わってしまいます。

この土地取引額から分かるのは、開発の基盤となる用地の取得規模です。その後に建つ施設、街区内道路、設備、造園などの費用がすべて含まれた完成時の地区総額を示す数字ではありません。取得時点と開発時点を切り分けることで、古い土地代が現在の建設費として紹介される混同を避けられます。

出典:Ayala Land 2015年次報告書の土地取得記載

Ayala Landの約900億ペソは、約20年間の投資計画

約900億ペソの意味を確認するうえで中心となるのは、Ayala Landが2021年6月30日にPSEへ提出した報道内容の確認開示です。同社はSouth Coast Cityについて、この金額を支出する計画があると確認したうえで、土地とプロジェクト開発への支出を含み、想定期間は約20年と説明しています。また、当時の予測に基づき、市場環境に左右される計画であることも明記しました。

この説明には、読み落とせない条件が三つあります。投資主体がAyala Landであること、土地関連支出を含むこと、長い期間にわたる計画であることです。そのため約900億ペソを共同開発全体の予算とみなすことも、2021年の単年度支出とみなすこともできません。2026年の記事でこの数字を使う場合も、「2021年に公表された長期計画」と時点を添える必要があります。

期間については、2021年3月のMyCebu掲載プレスリリースに15年という説明があります。しかし、同年6月のPSE開示ではAyala Land自身が約20年と明示しているため、ここでは後者を基準にします。この違いを、土地の完成日や全施設の開業日が一律に5年延期された証拠として扱うことはできません。投資の想定期間と、個々の工事・開業工程は別の情報です。

出典:Ayala Landの2021年6月30日PSE開示2021年の初期開発紹介〈MyCebu〉

ArenaとSMXの金額は、個別施設の発表として扱う

SM Seaside City CebuのArena
SM Seaside City CebuのArena

SM Primeは2026年7月9日、SM Seaside Cebu Arenaを70億ペソの施設として紹介しました。これはArenaについての日付付き公式発表であり、South Coast Cityの全街区や将来の住宅・商業開発までを含む数字ではありません。また、施設が開設段階に達したことと、公表額が監査済みの最終精算額であることも同じではありません。資料にない費用内訳や支払完了状況まで付け加えず、公式発表の施設額として読むのが適切です。

SMXでは、公式資料同士に金額の違いがあります。SM Primeの2025年11月27日発表は36億ペソの投資と説明する一方、SMX公式サイトの別の開発紹介には53億ペソと記載されています。後者の本文には公表日が明示されておらず、差額が予算改定、対象範囲、付帯設備などのどれによるものかも説明されていません。したがって「17億ペソ増額した」「費用削減で36億ペソになった」といった変更理由は確定できません。

比較表では日付が明確な36億ペソの発表を示し、53億ペソの公式記載が併存することを補足しています。これは、36億ペソが2026年9月時点の確定した最終費用だという意味ではありません。二つの公式数字があるときは、大きい方や新しく見えるページだけを選ぶのではなく、対象と改定の説明がそろっているかを見る必要があります。

出典:Arenaの70億ペソ公式発表SM PrimeのSMX投資発表53億ペソを記載するSMX公式紹介

約80億ペソや3,000億ペソを地区全体の確定総額にしない

SunStarは2026年7月10日、Arena、SMX、二つのホテル、関連施設からなる複合施設について、経営側が約80億ペソと説明したと報じています。しかし、同記事のArena70億ペソと、別の公式発表のSMX36億ペソだけでも単純合計は80億ペソを上回ります。この状況では、全記事の数字が同じ費用範囲で集計されているとは扱えません。80億ペソをSouth Coast City全体の総事業費にしたり、差し引きでホテル費を算出したりする根拠はありません。

一方、不動産サービス会社Santos Knight FrankのCebu開発解説には、South Coast Cityを3,000億ペソ規模と評価する表現が見られます。ただし、その説明には、誰の支出をどの期間で合計したのかという内訳が示されていません。事業の価値を表す評価額と、開発会社が投じる費用は同じ指標とは限らないため、これを900億ペソの更新版や支出済み総額として置き換えることはできません。

出典:約80億ペソの発言を掲載したSunStar記事Santos Knight FrankのCebu開発解説

足し算よりも、重複する費用を見分ける

土地取得費に約900億ペソをそのまま加える方法には、土地関連支出の重複という問題があります。約900億ペソの説明自体が土地と開発を含むうえ、土地取得対価100.1億ペソはSMとALI側の共同負担額です。対象企業の範囲も違うため、二つを合わせて新しい総額を作ることはできません。同様に、約900億ペソから土地取得費全額を引き、残りをAyala Landの建物予算とする計算も適切ではありません。

投資計画から、現在までの支出額や残予算を求めることにも限界があります。約20年間の計画を年数で均等割りしても、各年の実際の投資額にはなりません。South Coast Cityの規模を伝える場合は、取得対価、会社別計画、施設別公表額をそれぞれの定義で示す方が、根拠のない一つの総額にまとめるより正確です。

結論

South Coast Cityの投資規模は、土地取得対価100.1億ペソ、Ayala Landの約900億ペソの長期計画、SM側の個別施設額に分けて読むことで理解できます。金額の差は、必ずしも増額や減額を意味せず、対象企業・費用範囲・発表時点の違いを含みます。確認できる公表資料だけでは、地区全体の最新の確定総事業費や支出済み総額は一つにまとめられないため、それぞれの数字に条件を添えて捉えることが重要です。

情報確認日:2026年9月7日。金額はフィリピンペソ表記。過去の発表値と投資計画を区別しています。

よくある質問

約900億ペソは、すでに全額が支出されたお金ですか?

2021年に公表された約20年間の投資計画であり、全額の支出完了を示す数字ではありません。実際の累計支出を知るには、South Coast Cityを対象とした別の実績資料が必要です。

SMとAyalaは開発費を半分ずつ負担するのですか?

2015年次報告書の土地取得対価は、SM56.99%、ALI43.01%の負担と記載されています。この割合だけで、将来の全開発費や個別建物も同じ割合で負担すると判断することはできません。

投資額からDistrict Squareの現在の販売価格は分かりますか?

地区への投資計画と個別用地の販売価格は別の数字なので、投資額を面積で割って現在価格を求めることはできません。購入を検討する区画について、販売主体が提示する時点付きの価格と条件を確認する必要があります。

写真:SM Seaside City CebuのArena(撮影:Objekted/CC BY-SA 4.0)。Wikimedia Commonsより、トリミング・縮小して使用

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