こんにちは、ナビセブ編集部の田口じゅんです。セブに住んで10年以上になります。暮らしとエリアの記事を担当しています。
家族からセブを理解する
セブで生活していると、9月に入ったころからクリスマスソングを耳にするようになります。
モールにはクリスマスツリーが置かれ、店頭には飾りやギフトが並び始めます。まだ暑く、クリスマスまで3か月以上あるのに、Ber months na!という声を聞くこともあります。
Ber monthsとは、September、October、November、Decemberの4か月です。しかし、セブのクリスマスは、9月から毎日パーティーをしているという意味ではありません。
9月から少しずつ雰囲気が生まれ、12月に入ると学校、会社、教会、家族の予定が重なり、クリスマスイブからクリスマス当日に大きな山場を迎えます。セブのクリスマスを理解するには、1日だけの祝日ではなく、数か月続く生活の季節として見る必要があります。
ナビセブ編集部のまとめ
セブのクリスマスシーズンは、法律で開始日が決められているわけではありません。
しかし、生活の中では次のように進みます。
| 時期 | 主な変化 |
|---|---|
| 9月 | クリスマスソングや飾りが始まる |
| 10月 | モールや店の商品が増える |
| 11月 | パーティー、ギフト、帰省の準備が進む |
| 12月前半 | 学校や会社のクリスマスパーティーが増える |
| 12月16~24日 | Simbang Gabiが行われる |
| 12月24日夜 | Noche Buenaを家族で囲む |
| 12月25日 | クリスマス当日を家族と過ごす |
| 12月末~1月 | 親族訪問や新年の集まりが続く |
大切なのは、「9月からクリスマスが始まる」という言葉を、そのまま祝日の開始日だと考えないことです。9月から空気が変わり、12月に家族と信仰の行事が集中します。
なぜ9月からクリスマスソングが流れる?

フィリピンでは、9月から12月までをBer monthsと呼ぶことがあります。9月になると、モール、スーパー、ラジオ、ネットショップなどでクリスマス関連の商品や音楽が増えます。
セブでも、
- クリスマスツリー
- Parol
- 飾り用のライト
- ギフトセット
- パーティー用品
- クリスマスセール
などを早い時期から見かけます。これは、全員が9月から宗教行事を始めるという意味ではありません。商業施設の販売時期、海外で働く家族の帰国予定、学校行事、会社のパーティーなど、クリスマスに向けた複数の準備が長期間続くためです。
セブのクリスマスは家族の予定表でもある
クリスマスが近づくと、家庭内の会話にも予定が増えてきます。
- 誰の家へ集まるのか
- 故郷へ帰るのか
- 何を料理するのか
- 誰にギフトを渡すのか
- 子どものパーティーはいつか
- 教会へ何日に行くのか
- 帰省の交通手段をどうするか
クリスマスは、飾りを楽しむだけの季節ではありません。離れて暮らす家族が再会し、親族の予定を調整する時期でもあります。セブ市やマンダウエ市で働く人が、セブ島の北部、南部、周辺の島へ帰る場合もあります。
そのため、家族の計画は数週間前から始まります。
12月はクリスマスパーティーが重なる
12月に入ると、学校、会社、友人、地域、教会などでクリスマスパーティーが行われます。一人が複数のパーティーへ参加することもあります。一般的に見られる内容には、
- 食事
- ゲーム
- ダンス
- 歌
- プレゼント交換
- くじ引き
- グループでの出し物
などがあります。プレゼント交換では、予算やテーマが事前に決められることがあります。例えば、実用品、食べ物、特定の色などです。しかし、パーティーの内容は学校、会社、家庭によって異なります。
全員参加が当然だと決めつけず、日時、予算、服装、ギフトの条件を確認します。
クリスマスは出費が増える季節でもある
クリスマスは楽しい季節ですが、家計への負担も増えやすくなります。
| 主な出費 | 内容 |
|---|---|
| ギフト | 家族、友人、名付け子への贈り物 |
| 食べ物 | Noche Buenaやパーティーの料理 |
| 交通費 | 帰省、親族訪問 |
| 衣類 | パーティーや家族写真の服 |
| 飾り | ツリー、Parol、照明 |
| 負担金 | パーティーや共同の食事の負担金 |
特に親族が多い家庭では、少額のギフトでも合計額が大きくなります。また、名付け親であるNinongやNinangのもとへ、名付け子が挨拶に来ることもあります。しかし、必ず高価なギフトや現金を渡さなければならないわけではありません。
家庭の経済状況や関係によって、渡し方は異なります。
Simbang Gabiは12月16日から始まる

カトリックのクリスマス行事として知られているのが、Simbang Gabiです。伝統的には、12月16日から24日まで9日間行われるミサです。早朝に行われるMisa de Galloのほか、地域や教会によっては前夜にミサを行う場合もあります。
Simbang Gabiの時期には、教会の周辺で、
- Bibingka
- Puto bumbong
- ホットチョコレート
- コーヒー
- ライスケーキ
などが販売されることがあります。ミサの後に家族や友人と食べる時間も、クリスマスシーズンの風景の一つです。ただし、開始時刻やミサの形式は教会ごとに異なります。
9回参加すれば願いがかなう?
Simbang Gabiについて、「9回すべて参加すると願いがかなう」と聞くことがあります。これは広く知られた民間の言い伝えです。しかし、カトリック教会が説明する中心的な意味は、クリスマスに向けて信仰を整え、祈ることにあります。
願いをかなえるためのスタンプラリーではありません。旅行者が参加する場合も、珍しい行事として見るだけでなく、祈りの場であることを理解する必要があります。
12月24日夜のNoche Buena

クリスマスイブの夜には、家族でNoche Buenaを囲む家庭があります。Noche Buenaは、12月24日の夜からクリスマス当日にかけて行う特別な食事です。料理は家庭によって違いますが、
- ハム
- スパゲッティ
- レチョン
- チキン
- ルンピア
- フルーツサラダ
- ケーキ
- Queso de bola
などが用意されることがあります。しかし、すべての家庭が豪華な料理を並べるわけではありません。家族が集まることを重視し、用意できる範囲で食事を楽しむ家庭もあります。料理の種類より、誰と同じ時間を過ごすかが中心です。
クリスマス当日は街へ出る日とは限らない
12月25日はクリスマス当日です。2026年は祝日(Regular Holiday)に指定されています。この日は、親族を訪問したり、教会へ行ったり、自宅で食事をしたりして過ごす家庭があります。
モールやレストランが営業する場合もありますが、通常とは営業時間が異なることがあります。一方、ホテル、病院、空港、BPO、警備などの職場では、仕事を続ける人もいます。
「フィリピン人はクリスマスなら全員休める」と考えることはできません。家族と過ごす日だからこそ、その日に働いている人への配慮も必要です。
クリスマスは12月25日で終わらない

セブでは、クリスマス当日が終わっても親族訪問やパーティーが続くことがあります。海外や別の島から帰省する人の到着日が異なるため、全員が12月25日に集まれるとは限りません。さらに、
- 12月30日のリサール記念日(Rizal Day)
- 12月31日の大晦日
- 1月1日の元日
- 1月の家族行事
へと休暇の雰囲気が続きます。セブでは、クリスマスと新年が、家族で過ごす一つの長い季節のようにつながることがあります。
しかし、全員が同じクリスマスを過ごすわけではない
セブにはカトリック以外の宗教を信仰する人もいます。カトリックの家庭でも、クリスマスの過ごし方は同じではありません。
- 毎年教会へ行く
- Noche Buenaだけ行う
- 故郷へ帰る
- 家族で旅行する
- 仕事を続ける
- 特別な行事を行わない
という違いがあります。「セブアノはクリスマスを長く祝う」という説明だけでは、個人の生活までは分かりません。長いシーズンの中で、何を大切にするかは家庭ごとに異なります。
セブのクリスマスを4段階で見る
セブのクリスマスを理解するときは、次の4段階に分けると分かりやすくなります。
| 段階 | 時期 | 生活の変化 |
|---|---|---|
| ①雰囲気づくり | 9~10月 | 音楽、飾り、商品が増える |
| ②準備 | 11月 | ギフト、帰省、パーティーを計画する |
| ③お祝い | 12月 | パーティー、Simbang Gabi、Noche Buena |
| ④家族で過ごす季節 | 12月末~1月 | 親族訪問と新年へ続く |
「9月に始まる」というのは、主に1番目の「雰囲気づくり」です。家族と信仰の行事が本格化するのは、12月に入ってからです。
ナビセブ編集部が長く感じるクリスマスシーズン
私もセブで暮らし始めたころ、9月にクリスマスソングが流れることに驚きました。日本では、クリスマスの飾りは年末の短い期間に集中する印象があります。しかし、セブでは数か月かけて少しずつ準備が進みます。
長く生活して分かったのは、クリスマスが単なる1日のイベントではないことです。離れている家族へ連絡し、帰省日を決め、料理やギフトを準備し、学校や職場の仲間と一年を振り返る。その積み重ねが、セブの長いクリスマスシーズンを作っています。
ナビセブ編集部の結論
セブのクリスマスは、9月から雰囲気が始まります。しかし、9月からクリスマス当日を祝っているわけではありません。Ber monthsに音楽と飾りが増え、11月には帰省やギフトの準備が進みます。
12月にはパーティーとSimbang Gabiが始まり、Noche Buenaとクリスマス当日に家族が集まります。そして、その時間は新年まで続きます。セブのクリスマスが長いのは、飾りを長く置くからだけではありません。
離れて暮らす家族が予定を合わせ、再び同じ場所に集まるまでに時間が必要だからです。クリスマスを1日の祝日ではなく、家族が近づいていく長い季節として見ると、セブの暮らしが分かりやすくなります。
よくある質問
セブでは本当に9月からクリスマスが始まりますか?
9月から音楽、飾り、商品が増え始めます。ただし、公式な開始日ではなく、クリスマスシーズンの雰囲気が始まるという意味です。
Ber monthsとは何ですか?
September、October、November、Decemberのように、英語名が「ber」で終わる4か月を指す呼び方です。
Simbang Gabiはいつ行われますか?
伝統的には12月16日から24日までの9日間です。時刻や形式は教会によって異なります。
Noche Buenaとは何ですか?
12月24日の夜からクリスマス当日にかけて、家族で囲む特別な食事です。料理や過ごし方は家庭によって違います。
主な確認資料
- Catholic Bishops’ Conference of the Philippines|Simbang Gabiに関する指針
- CBCP News|Simbang Gabiの意味
- Presidential Communications Office|2026年のRegular HolidaysとSpecial Non-Working Days
- Presidential Communications Office|Proclamation No. 1006
※この記事は、ナビセブ編集部のセブでの長期生活経験と、フィリピンのクリスマスに関する公式発表・公開資料をもとに整理しています。
※クリスマスの過ごし方、宗教行事、ギフト、食事には家庭や地域による違いがあります。セブアノやフィリピン人全体を一つの生活様式として分類するものではありません。
情報確認日:2026年8月29日





