ナビセブ編集部のまとめ
2010年に始まった2棟の住宅開発で、現在のIT Parkの「住む街」への転換を早くから示した。私有住戸の賃貸条件はホテルの統一サービスと異なる。
2010年の発売と2棟への展開

Cebu IT Parkには現在、Avida Towers Riala、38 Park Avenue、Calyx Centre、Asia Premier Residencesなど複数の住宅棟があります。
しかし、IT Parkがまだ現在ほど住宅地として完成していなかった2010年に、Ayala Landがセブ市で初めて本格的なコンドミニアムのコミュニティとして始めたのがAvida Towers Cebuです。Ayala Landの公式開示では、2010年6月15日に発売され、2棟構成、敷地面積6,262㎡、タワー1は518戸と発表されています。
現在もAyala Property Management Corporationの管理物件一覧にAvida Towers Cebuが掲載されており、Cebu IT Park内で現役の住宅物件として確認できます。
この記事では個人所有の住戸の宿泊レビューではなく、Avida Towers Cebuがいつ始まり、どのような規模・住戸タイプ・共用設備を持ち、現在のIT Parkの住宅開発の中でどんな位置にあるのかを整理します。
Avida Towers Cebuは2010年に発売
Ayala Landの公式開示によると、Avida Towers Cebuは2010年6月15日に発売されました。
開発したのはAyala Landの完全子会社Avida Landで、Asian I-Officeとの共同開発として進められました。Ayala Landはこのプロジェクトを、同社にとってセブ市で初めてのコンドミニアムのコミュニティであり、ビサヤ・ミンダナオ地域へのAvidaの本格展開を象徴するプロジェクトとして発表しています。
現在のCebu IT Parkには多くの住宅がありますが、Avida Towers Cebuが始まった2010年は、まだIT Parkがオフィス中心のエリアだった時期です。その意味でAvida Towers Cebuは、現在の「IT Parkの中に住む」という暮らし方が広がる初期段階を示すプロジェクトです。
敷地面積は6,262㎡、2棟で構成
Ayala Landの公式発表では、プロジェクトの敷地は6,262㎡です。そこに2棟の住宅タワーを建設する計画として発売されました。現在のAvida Towers Rialaは5棟なので、単純な棟数ではRialaの方が大規模です。
しかしAvida Towers Cebuは、それより前の世代のプロジェクトとして、IT Park内にまとまった住宅コミュニティを作ったことに意味があります。
タワー1は518戸
2010年のAyala Land公式開示では、タワー1は518戸と発表されています。SunStar Cebuの当時の記事では、タワー1は25階建てで、うち22フロアが住居階、住戸数は518戸と詳しく報じられています。つまり500戸を超える住宅を一つのタワーで供給する規模でした。
2010年当時のCebu IT Parkを考えると、これは単なる小規模なコンドミニアムではありません。
タワー2は予定より早く発売
タワー1は販売開始後の反応が非常に強く、The Freeman / Philstarの2010年の報道では、518戸の90%以上が4か月以内に販売されたとされています。そのためタワー2は当初2011年9月を予定していたところ、約1年前倒しされ、2010年10月1日に発売されました。タワー2は527戸として発表されています。
Ayala Landの2010年版の年次報告書(Annual Report)でも、タワー1への強い需要を受けてタワー2の発売を1年前倒ししたことが記録されています。IT Park内で住宅の需要が想定以上に強かったことが分かるデータです。
2010年当時は「Asiatown IT Park」
Ayala Landの2010年公式発表では、所在地をAsiatown IT Parkと記載しています。現在一般的に使われている名称はCebu IT Parkですが、当時の公式名称はAsiatown IT Parkでした。この名称の違いも、Avida Towers Cebuが長く存在していることを示しています。古い物件ページや記事でAsiatown IT Parkと書かれていても、別の場所を意味しているわけではありません。
IT Parkの「住む街」への転換を早くから示した
Ayala Landの2010年の年次報告書では、Avida Towers Cebuを、Avidaにとってマニラ首都圏以外で初めての高層開発として位置づけています。タワー1への反応が強く、タワー2を予定より1年前倒ししたことも記録されています。これは、セブで「オフィスの近くに高層コンドミニアムを買う・住む」という需要が、IT Parkの成長と同時に強くなっていたことを示しています。
現在では普通に見える「IT Park内にコンドミニアムがある」という景色も、2010年当時は新しい開発でした。
住戸は広さと生活空間で選ぶ
スタジオ・1ベッドルーム・2ベッドルームの3タイプ
Ayala Landの正式発表では、タワー1の住戸タイプは次の3つです。
- スタジオ
- 1ベッドルーム
- 2ベッドルーム
現在残るプロジェクト資料では、おおよその広さは次のとおりとされています。
| 住戸タイプ | 広さの目安 |
|---|---|
| スタジオ | 約22㎡ |
| 1ベッドルーム | 約36㎡ |
| 2ベッドルーム | 約52㎡ |
単身の社会人からカップル、家族まで、IT Park内で暮らす複数の生活パターンを想定した構成です。
スタジオは一人暮らしに向いたコンパクトな住戸
スタジオは約22㎡のコンパクトな住戸です。現在でもIT Parkで働く単身の社会人が多いため、この広さは一人暮らし用の住まいとして分かりやすいタイプです。ホテルの客室と違い、長期居住を前提にキッチンやダイニングスペースを組み込んだ間取りになります。一方、個人所有のコンドミニアムなので家具や家電はオーナーによって異なります。
1ベッドルームは約36㎡
1ベッドルームは約36㎡です。寝る空間とリビングを分けられるため、スタジオより生活しやすくなります。IT Park内で在宅勤務をする人や、数年単位で住む人にとっては、寝室を独立させられることは大きな違いです。現在の個人向け賃貸市場でも、Avida Towers Cebuの1ベッドルームの住戸は継続して流通しています。
2ベッドルームは約52㎡
2ベッドルームは約52㎡です。寝室2つ、リビング、キッチン、ダイニングを持つ構成で、家族や複数人で住む場合に向きます。同じAvida Towers Cebuでもスタジオと2ベッドルームでは暮らし方が大きく違います。そのため「Avida Towers Cebuはいくらで泊まれるか」と一つの数字で見るより、どの住戸タイプを借りるかを確認する必要があります。
共用施設と日常の管理設備
大人用プールと子ども用プール
Avida Towers Cebuには居住者向けのプールがあります。
複数のプロジェクト資料では、次のプールがあり、合わせて200人を収容できるとされています。
- 大人用プール
- 子ども用プール
ホテルのプールとは違い、基本的には居住者向けの設備です。現在Booking.comなどに個人所有の住戸が掲載される場合、ホスト側がプールの利用を案内している例もありますが、利用条件は住戸や管理規定によって変わる可能性があります。
クラブハウスは150人対応
プロジェクト資料では、クラブハウスに150人対応の多目的ホールがあります。居住者の集まりや個人のイベントなどに使うコミュニティ施設です。Avida Towers Cebuが単なる住宅タワーではなく、居住者同士が共有する設備を持った住宅コミュニティとして計画されたことが分かります。
子どもの遊び場・屋外ジム・庭園
共用設備としては、次のものも掲載されています。
- 子どもの遊び場
- 屋外ジム
- 庭園エリア
SunStar Cebuの2010年の記事では、クラブハウス、プール、屋外ジム、ジョギングコース、子どもの遊び場、小さな公園(ポケットパーク)などのレクリエーション施設が計画されたと報じられています。現在の新しい高級コンドミニアムと比べると設備の種類はシンプルですが、住宅として必要な共用空間は最初から組み込まれていました。
各タワーにメインロビーと3基のエレベーター
建物の設備としては、各棟にメインロビーがあり、3基のエレベーターが設置されています。さらに管理室、ユーティリティルーム、非常用電源、ごみ置き場・ダストシュート、消防設備・火災報知システム、郵便受けなどもプロジェクト資料に記載されています。
コンドミニアムの設備は華やかな共用施設だけでなく、日常の運営や停電、防火、ごみの管理まで含めて見る必要があります。
Ayala Property Managementが現在も管理
2026年現在、Ayala Property Management Corporationの住宅物件一覧にはAvida Towers Cebuが掲載されています。これは現在の状況を示す大事な情報です。2010年に始まった古いプロジェクトではありますが、現在もAyalaグループの物件管理の対象として明確に残っています。
新しいRialaや38 Park Avenueと比べる際にも、「古いから現在の運営状況が分からない」という物件ではありません。
私有住戸の賃貸はホテルと仕組みが違う
現在も個人所有住戸の宿泊・賃貸が流通
Avida Towers Cebuはホテルではありませんが、現在もBooking.comなどで個人所有の住戸が宿泊施設として掲載されています。2026年のBooking.comでは、Avida Towers Cebu内の1ベッドルームの住戸が短期宿泊用として掲載され、IT Park内であること、Central BlocやSugbo Mercadoへの近さ、プールの利用などが案内されています。
Hotels.comでもタワー1の個人所有の宿泊施設が掲載され、Cebu IT Park、Central Bloc、Sugbo Mercadoへ歩いて行けることが案内されています。しかし、これはAvida Landがホテルを運営しているわけではありません。
個人所有のコンドミニアムとホテルを混同しない
Avida Towers Cebuの住戸に旅行者が泊まれる場合でも、建物全体は住宅用のコンドミニアムです。ホテルのように客室タイプ、ハウスキーピング、朝食、チェックイン、フロントのサービスが一律に決まっているわけではありません。
個人のオーナーやホストによって、家具、Wi-Fi、キッチン用品、清掃、チェックイン方法、宿泊人数などが変わります。
そのためAvida Towers Cebuをホテルとして評価するのではなく、「住宅用コンドミニアムの個人所有住戸の貸し出し」として扱う必要があります。
Rialaとは時代も規模も異なる
最後に|IT Park住宅開発の出発点の一つ
Avida Towers Cebuは古いだけのコンドミニアムではない
Avida Towers Cebuは、最新の高級レジデンスではありません。しかし、2010年に2棟・6,262㎡のプロジェクトとして始まり、タワー1だけで518戸、続くタワー2は527戸まで展開しました。
スタジオ、1ベッドルーム、2ベッドルームの住戸、プール、クラブハウス、子どもの遊び場、屋外ジム、庭園などを備え、現在もAyala Property Managementの管理対象です。
つまりAvida Towers Cebuは、単なる古い住宅棟ではありません。Cebu IT Parkがオフィス中心のビジネス地区から、実際に人が暮らす複合用途の地区へ変わり始めた時代を残す住宅プロジェクトです。
現在のAvida Towers Rialaや38 Park Avenue、The Wave Towersまで続くIT Park住宅開発を理解するなら、その出発点の一つとしてAvida Towers Cebuを見ておく価値があります。
主な情報源:Ayala Land Investor Relations、Ayala Land 2010 Annual Report、Ayala Property Management Corporation、SunStar Cebu、The Freeman / Philstar、現在の個人所有住戸の宿泊情報
参考情報
情報確認日:2026年9月17日
主な確認先:
写真:上空から見たセブITパーク(撮影:Patrickroque01/CC BY-SA 4.0)。Wikimedia Commonsより、トリミング・縮小して使用
