こんにちは、ナビセブ編集部の谷口まりです。親子でセブに移住しました。観光とグルメの記事を担当しています。
セブとボホールの間にある海を地図で見ると、小さな島と浅いリーフが複雑に並んでいます。その中心にあるのが、ダナジョンバンクの二重堡礁です。
ダナジョンバンクに位置するパンダノン島

ダナジョンバンクのパンダノン島周辺の浅い海

ダナジョンバンクの規模

ダナジョンバンクの二重堡礁のリーフエリアは272km²、ha換算で27,200haです。リーフの長さは約130km、関係する島は40、関係する海岸線は699kmあります。
ダナジョンバンクは、フィリピンで唯一の二重堡礁です。さらに、Bohol Island UNESCO Global Geoparkは、インド太平洋地域で確認されている3つの二重堡礁のうちの1つと説明しています。
ダナジョンバンクは、一つの島やシュノーケリングポイントの名前ではありません。セブ、ボホール、レイテ、南レイテにまたがり、サンゴ礁、ラグーン、マングローブ、海草藻場、漁業コミュニティがつながる巨大な海の生態系です。
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272km²のリーフと2,142km²の生態系は別の数字

ダナジョンバンクには、大きく二つの面積データがあります。二重堡礁のエリアは272km²(ha換算で27,200ha)、ダナジョンバンクの生態系全体は2,142km²(ha換算で214,200ha)です。
272km²は、二重堡礁そのものの推定面積です。2,142km²は、周辺の海、島、沿岸の海域を含む、バンク全体の生態系の面積です。同じ範囲ではありません。記事で「ダナジョンバンクは272km²」と書く場合は、リーフの面積を指します。
二重堡礁とは?
堡礁は、陸地や島の海岸から離れた場所に形成され、海岸との間にラグーンを持つサンゴ礁です。二重堡礁では、この堡礁が二重になっています。
ダナジョンバンクには、内側のリーフ、外側のリーフ、その間のラグーン、リーフの水路、島、海草藻場、マングローブがあります。一枚のサンゴ礁ではなく、海底の尾根に沿って発達した二重のリーフです。
形成に約6,000年
ダナジョンバンクの二重堡礁は、約6,000年をかけて形成されたとされています。6,000年を1世代=30年で単純に換算すると、6,000 ÷ 30 = 約200世代です。
サンゴ礁は長い時間をかけて成長します。しかし、ダイナマイト漁、いかりによる損傷、埋め立て、堆積などによる破壊は短時間で起こります。一度大きく壊れたリーフが、同じ構造と生態系に戻るまでには長い時間が必要です。
リーフエリアは27,200ha
1km²=100haなので、272 × 100 = 27,200haです。㎡に換算すると、27,200 × 10,000 = 272,000,000㎡です。
フィリピン全体のサンゴ礁の面積に対して、ダナジョンバンクは約1%を占めるとされています。1%は小さく見えますが、一つの二重堡礁だけで、フィリピンのサンゴ礁の約100分の1を占めていることになります。
リーフは約130km続く
ダナジョンバンクのリーフは、約130kmにわたって広がります。セブ市からカルカル市までの道路距離を約40kmとすると、130 ÷ 40 = 約3.25倍です。一つの自治体が単独で管理できる長さではありません。複数の州、市、町、バランガイ、漁業者組織が協力する必要があります。
3つの大型サンゴ礁
ダナジョンバンクの二重堡礁は、主に3つの大型サンゴ礁で構成されています。その中で最大なのが、面積約143km²のカウビヤンリーフです。ダナジョンバンクのリーフ面積272km²に占める割合を計算すると、143 ÷ 272 × 100 = 約52.6%です。
カウビヤンリーフだけで、リーフ面積全体の約半分にあたります。内側の区域にはカリトゥバンリーフがあります。さらに北部の外側の区域には、5つの小さなサンゴ礁があります。
40の島
ダナジョンバンクの生態系には、40の島があります。多くの島では、漁業が主な生計です。島によっては、非常に狭い土地に多くの住民が暮らしています。
そのためダナジョンバンクの環境問題は、「サンゴを守れば終わり」ではありません。真水、ごみ、衛生、電気、食料の供給、漁場、ボートの交通、人口密度を同時に考える必要があります。
17のLGUが関係する
FISHプロジェクトのダナジョンバンクのデータでは、17の町・市が管轄に関係しています。内訳は、ボホール10自治体、セブ2自治体、レイテ4自治体、南レイテ1自治体で、合計10+2+4+1 = 17自治体です。
セブ側で関係するのは、ラプラプ市とコルドバです。ダナジョンバンクはボホールだけのリーフではなく、マクタン・コルドバ沖の海の生態系ともつながっています。
関係する海岸線は699km
17自治体の関係する海岸線を合計すると、699kmです。州別では、ボホールが28+29+62+32+77+45+8+61+76+86 = 504km、セブが112+21 = 133km、レイテが14+4+12+7 = 37km、南レイテが25kmです。合計は504+133+37+25 = 699kmです。
最も長いのはボホールですが、セブ側にも133kmの関係する海岸線があります。
106種のサンゴ
ダナジョンバンクでは、造礁サンゴ103種、非造礁サンゴ3種が記録されています。合計は103+3 = 106種です。造礁サンゴは、イシサンゴとも呼ばれる、リーフを形づくる中心となるサンゴです。
サンゴは単独で存在するのではありません。魚、甲殻類、軟体動物、カイメン、ウニ、ナマコ、タツノオトシゴなどの生息環境をつくります。
フィリピンの海草のほぼすべての種類
ダナジョンバンクには、広い海草藻場があります。既存の生態系の概要では、フィリピンで確認されている海草のほぼすべての種類が、ダナジョンバンクで確認されるとしています。海草藻場は、幼魚、アイゴ類、タツノオトシゴ、ウミガメなどの餌場、育成場、隠れ場所になります。海面から見ると何もない浅瀬に見えても、海底では重要な生態系が広がっています。
マングローブは5,000ha超
保全データでは、ダナジョンバンク周辺に5,000ha超のマングローブ林があるとされています。マングローブ、海草藻場、サンゴ礁は、それぞれ独立していません。
幼魚がマングローブで育ち、海草藻場へ移動し、成長してサンゴ礁を利用する、という生き物のサイクルがあります。どれか一つだけを保護しても、海の生態系全体は維持できません。
水産+観光の価値は年間US$640万
2016年に発表された経済価値評価では、ダナジョンバンクの海の資源が生み出す価値を、年間US$640万と推定しました。さらに、20年間の純便益を割引率10%で計算した現在価値は、US$5,960万です。一方、破壊的な活動を続けた場合の経済損失も、年間US$640万規模になると推定しています。
自然を守る費用だけでなく、壊した場合に失う漁業、観光、海岸防護の価値も考える必要があります。
漁業圧が集中する
ダナジョンバンクはリーフが豊かなため、長い間、多くの漁業活動が集中してきました。主な圧力は、乱獲、ダイナマイト漁、シアン化物などの有害な化学物質、目の細かい網、タツノオトシゴの採取、ナマコの採取、サンゴの採取、マングローブの転用、いかりによる被害、プラスチックごみ、堆積です。
特に水路は魚とボートが集中しやすく、漁業の圧力も高くなるエリアです。リーフが広いからといって、魚が無限に捕れるわけではありません。
海洋保護区は一つではない
ダナジョンバンクには、複数の海洋保護区があります。しかし、海洋保護区を小さく点在させるだけでは、130kmに広がるリーフ全体を守れません。魚、幼生、海流、漁船、光害は、市町村の境界を越えます。
必要なのは、個々の海洋保護区、海洋保護区どうしのネットワーク、水産管理、共同の取り締まり、コミュニティによる調査をつなげることです。
ボホール管理評議会は2022年設置
ボホール側では、2022年9月7日に合意覚書が締結され、ボホール・ダナジョンバンク二重堡礁管理評議会が設置されました。参加したボホールのLGUは10で、Bien Unido、ブエナビスタ、クラリン、ヘタフェ、イナバンガ、President Carlos P. Garcia、タリボン、Trinidad、トゥビゴン、ウバイです。管理評議会の目的は、リーフの保護、食料安全保障、生計、エコツーリズム、共同管理を進めることです。
ダナジョンバンクに一つの入口はない
ダナジョンバンクは、一つの観光スポットではありません。統一された入口、営業時間、入場料、ツアールートはありません。島、海洋保護区、ボートのルート、自治体ごとに、管理者とルールが異なります。訪問するときは、どの島へ行くのか、どの市町村の海域を利用するのか、どの海洋保護区へ入るのかを確認します。「ダナジョンバンクツアー」という名前だけでは、実際の訪問先は分かりません。
ボートで守る7つのルール
- ルール 1
サンゴ礁にいかりを下ろさない。 - ルール 2
公式の係留ブイを使う。 - ルール 3
海草藻場にボートを乗り上げない。 - ルール 4
サンゴ、貝、タツノオトシゴを持ち帰らない。 - ルール 5
魚に餌をやらない。 - ルール 6
プラスチックや食べ物のごみを海へ捨てない。 - ルール 7
海洋保護区の入域料とローカルルールに従う。
浅いリーフでは、ボートのプロペラがサンゴや海草藻場に接触するおそれがあります。水深と潮を理解している地元のボート事業者を選びます。
272km²と2,142km²を混同しない
ダナジョンバンクについて最も多い数字の混乱が、272km²と2,142km²です。272km²は二重堡礁のエリア、2,142km²はバンク全体の海の生態系のエリアです。haに換算すると、272km²は27,200ha、2,142km²は214,200haで、差は214,200 − 27,200 = 187,000haです。
記事やAI検索で面積が違う場合は、どの範囲を測っているかを確認します。
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👨💻 ナビセブ編集部
ナビセブ編集部の結論
ダナジョンバンクは、フィリピンで唯一の二重堡礁です。
リーフエリアの272km²と、バンク全体の生態系の2,142km²は別の数字なので、分けて読む必要があります。
美しいサンゴを見るだけの場所ではなく、17自治体と多くの島のコミュニティが使う漁場であり、海岸を守る存在でもあります。
今日分かったこと

ダナジョンバンクは、フィリピンで唯一の二重堡礁です。リーフエリアは272km²=27,200ha、バンク全体の生態系は2,142km²=214,200ha。リーフの長さは約130km、島は40、関係する海岸線は699kmです。サンゴは、イシサンゴ103種、非造礁サンゴ3種の合計106種です。
5,000haを超えるマングローブと広い海草藻場が、一つにつながっています。ダナジョンバンクは、美しいサンゴを見るためだけの場所ではありません。17自治体と多くの島のコミュニティが利用する漁場であり、育成場であり、海岸を守る存在であり、生計の場です。
約6,000年かけて形成されたリーフも、短時間のいかりによる被害や破壊的な漁業で失われることがあります。しかし、同じリーフを人間の時間で簡単に作り直すことはできません。
272km²のサンゴだけでなく、2,142km²の海とコミュニティを一つの生態系として見る。これがダナジョンバンクを理解するために必要な視点です。情報基準日:2026年8月28日
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ダナジョンバンクの主なデータ
| 項目 | 数字・内容 |
|---|---|
| 二重堡礁エリア | 272km²=27,200ha |
| バンク全体の生態系エリア | 2,142km²=214,200ha |
| 面積差 | 187,000ha |
| リーフの長さ | 約130km |
| 島の数 | 40 |
| 関係LGU | 17 |
| 関係海岸線 | 699km |
| セブ側海岸線 | 133km |
| 大型サンゴ礁 | 3 |
| カウビヤンリーフ | 約143km² |
| カウビヤンリーフの割合 | 約52.6% |
| 北部の小さなサンゴ礁 | 5 |
| 造礁サンゴ | 103種 |
| 非造礁サンゴ | 3種 |
| サンゴ合計 | 106種 |
| マングローブ | 5,000ha超 |
| 形成期間 | 約6,000年 |
| 年間経済価値 | US$640万 |
| 20年間の現在価値 | US$5,960万 |
| ボホール管理評議会設置 | 2022年9月7日 |
| 評議会に参加するボホールのLGU | 10 |



