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セブの自然保護区6か所|干潟・森林・海洋保護区を規模で比べる
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セブの自然保護区6か所|干潟・森林・海洋保護区を規模で比べる

オランゴ島の干潟、セブ島中央保護景観、ギルトンガン禁漁区、タニョン海峡、ダナジョンバンク、ボホ川。目的別に選べるよう、面積・入域条件・見られるものを並べて比較しました。

谷口まり(ナビセブ編集部)約12分公開 更新

オランゴ島野生生物保護区の湿地。

谷口まりのアイコン

こんにちは、ナビセブ編集部の谷口まりです。親子でセブに移住しました。観光とグルメの記事を担当しています。

ナビセブでは、セブの自然を「きれいだった」だけで終わらせず、エリア、種類、保護区区分、コミュニティ管理、訪問者ルールという数字と仕組みから見てきました。

ナビセブ編集部のまとめ

セブのエコ観光地は、目的で選びます。

比較の要点

比較対象・項目 数字・内容
数字 比較したエコ観光地
6か所 オランゴのラムサール条約登録湿地
5,800ha オランゴのラムサール条約登録日
1994年7月1日 セブ島中央保護景観
29,062ha ギルトンガン海洋保護区
約15ha タニョン海峡保護海域
521,018ha タニョン海峡の指定日
1998年5月27日 タニョン海峡の鯨類
少なくとも14種 ダナジョンバンクの二重堡礁
272㎢=27,200ha ダナジョンバンクの海岸線
6か所の比較項目と数字

オランゴ島野生生物保護区の湿地

セブ島中央保護景観のブヒサン流域に残る森林

セブ島中央保護景観のブヒサン流域に残る森林

ギルトンガン島周辺の保護海域で泳ぐ魚の群れ

ギルトンガン島周辺の保護海域で泳ぐ魚の群れ

関連記事海の生き物を守る禁漁区|セブ島沖Gilutongan Islandの14.89ヘクタール

サンタンデールから望むタニョン海峡

サンタンデールから望むタニョン海峡

ダナジョンバンク西部のパンダノン島と周辺海域

ダナジョンバンク西部のパンダノン島と周辺海域

セブ州アロギンサンのボホ川

セブ州アロギンサンのボホ川

今回比較する6か所

今回比較するのは、オランゴ島野生生物保護区、セブ島中央保護景観、ギルトンガン海洋保護区、タニョン海峡保護海域、ダナジョンバンク、ボホ川の6か所です。

最も広い保護地域は521,018haです。最も長くコミュニティ管理を続けているボホ川は、2009年6月14日から運営されています。同じエコ観光地でも、鳥観察、森、シュノーケリング、海の野生生物、リーフ生態系、コミュニティツーリズムで、体験できる内容は違います。

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セブのエコ観光地は目的で選ぶ

・渡り鳥を見る:オランゴ島野生生物保護区(ラムサール条約登録湿地:5,800ha)
・森と流域を知る:セブ島中央保護景観(保護地域:29,062ha)
・小規模な海洋保護区を体験する:ギルトンガン海洋保護区(保護区エリア:約15ha)
・セブ最大級の保護海域を知る:タニョン海峡保護海域(保護地域:521,018ha)
・二重堡礁を知る:ダナジョンバンク(二重堡礁:272㎢=27,200ha)
・住民主体のエコツーリズムを体験する:ボホ川(川の長さ:1.4km、直近1年間の訪問者:17,000人超、地域還元:収益の10%)

1|オランゴ島野生生物保護区
オランゴ島野生生物保護区は、ラプラプ市の東側にあるオランゴ島の湿地です。フィリピンで最初にラムサール条約に登録された湿地で、登録日は1994年7月1日です。ラムサール条約登録湿地のエリアは5,800ha、登録湿地番号は656です。オランゴで中心になる体験は、渡り鳥観察です。

東アジア・オーストラリア地域フライウェイの中継地点
オランゴは、渡り鳥が移動する東アジア・オーストラリア地域フライウェイの一部です。このフライウェイは、ロシアやアラスカ、東アジア、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドをつなぎます。オランゴは、鳥が一年中同じ場所に暮らすだけの島ではありません。長距離移動の途中で休み、食事を取り、次の移動に備えるための経由ポイントです。

オランゴは潮で選ぶ
オランゴで鳥観察をするなら、時間だけでなく潮を確認します。干潮では干潟が広く現れ、鳥が広い範囲に分散します。満潮が近づくと、鳥が水際や残った浅瀬へ集まりやすくなります。「何時に行けばよいか」だけではなく、その時刻の潮位がどうなるかが重要です。

2|セブ島中央保護景観
セブ市の山側には、セブ島中央保護景観があります。保護地域は29,062haです。29,062haを㎢へ換算すると、29,062 ÷ 100 = 290.62㎢です。オランゴのラムサール条約登録湿地と比較すると、29,062 ÷ 5,800 = 約5.0倍あります。

セブ市の水を支える流域
セブ島中央保護景観の役割は、森を残すことだけではありません。雨水を受け止める、土壌へ浸透させる、川への急激な流出を抑える、水源を守る、という流域の役割があります。森が失われると、水の供給だけでなく、洪水、土砂崩れ、土壌侵食にも影響します。山側の森は、都市から離れた観光資源ではありません。セブの都市生活を支える基盤です。

3|ギルトンガン海洋保護区
ギルトンガン海洋保護区は、コルドバに属するギルトンガン島周辺の海洋保護区です。保護区エリアは約15haです。15haを㎢に換算すると、15 ÷ 100 = 0.15㎢です。数字だけを見ると小さく感じます。しかし海洋保護区の価値は、広さだけでは決まりません。漁業を制限するゾーンを作り、サンゴ、魚、海の生息環境を継続的に管理することに意味があります。

15haでも海の使い方を変えられる
海洋保護区では、保護区域内で魚が成長し、周辺海域へ移動する流出効果が期待されます。保護区内だけを水族館のように残すのではありません。周辺の漁場を含め、海の資源を長期的に利用する仕組みです。訪問者も、魚に餌を与えない、サンゴの上に立たない、海洋生物に触れない、アンカーを無秩序に下ろさない、というルールを守る必要があります。

4|タニョン海峡保護海域
タニョン海峡は、セブ島とネグロス島の間にある海峡です。保護地域は521,018ha。㎢へ換算すると、521,018 ÷ 100 = 5,210.18㎢です。1998年5月27日、大統領布告No. 1234によって、タニョン海峡保護海域に指定されました。

セブ島中央保護景観の約17.9倍
タニョン海峡は521,018ha、セブ島中央保護景観は29,062haです。521,018 ÷ 29,062 = 約17.9倍です。オランゴのラムサール条約登録湿地と比較すると、521,018 ÷ 5,800 = 約89.8倍です。セブ周辺で保護地域を考えるとき、タニョン海峡は桁の違う広さを持っています。

海生哺乳類は14種類
タニョン海峡では、少なくとも14種の鯨類が確認されています。鯨類とは、クジラやイルカなどのことです。フィリピンで確認されている鯨類の種類の約半数が利用する海域として知られています。だからホエールウォッチングで見るべきものは、遭遇数だけではありません。ボートが動物を追い回していないか、進行方向を塞いでいないか、接近しすぎていないか、複数のボートで囲んでいないかを確認する必要があります。

5|ダナジョンバンク
ダナジョンバンクは、セブ・ボホール・レイテ周辺に広がる二重堡礁です。二重堡礁部分のエリアは272㎢。haへ換算すると、272 × 100= 27,200haです。海岸線は699km、関係する島は40、管轄を持つ地方自治体は17町/市です。

フィリピンで唯一の二重堡礁
ダナジョンバンクは、フィリピンで唯一確認されている二重堡礁です。海岸から沖へ向かってリーフが一列だけ続くのではなく、二重の堡礁を形成しています。サンゴ礁だけでなく、マングローブ、海草藻場、干潟、島のコミュニティ、漁場がつながる広域の生態系です。

272㎢と2,142㎢は意味が違う
ダナジョンバンクでは、272㎢と2,142㎢という2つの数字が使われます。272㎢は、二重堡礁そのもののエリアです。2,142㎢は、FISHプロジェクトなどで使われた、ダナジョンバンク全体の管理・調査対象エリアです。同じ対象を測った数字ではありません。記事やツアーガイドでダナジョンバンクの広さを見るときは、どちらのエリアを示しているのか確認する必要があります。

6|ボホ川
ボホ川は、アロギンサンのバランガイ・ボホにある川です。エコ文化ツアーで利用される川は1.4km。確認されているマングローブは24種、鳥は61種です。運営するのはボホ・アロギンサン・エコツーリズム協会(BAETAS)で、設立日は2009年6月14日です。

2年でコミュニティによる自立運営へ
ボホ川では、2009年3月から6月まで、4か月の講習が行われました。講習を最後まで続けた参加者は52人。ツアー開始から2年で自立を達成しています。2025年7月に公表された直近1年間の訪問者は17,000人超です。さらに観光収益の10%を地域施設へ還元しています。ボホ川の価値は、川クルーズだけではありません。住民が自然を守りながら仕事を作る運営の仕組みにあります。

6か所は何が違う?エリアだけで順位を決めない
最大はタニョン海峡の521,018ha、最小はギルトンガンの約15haです。面積差を単純計算すると、521,018 ÷ 15 = 約34,735倍です。しかし、タニョン海峡がギルトンガンより34,735倍優れているという意味ではありません。タニョン海峡は広域の海域、ギルトンガンはコミュニティが管理する小規模な海洋保護区で、目的と管理方法が違います。エコ観光地は、広さではなく、守る対象と管理の実効性で見る必要があります。

鳥ならオランゴ
鳥観察を目的にするなら、オランゴ島野生生物保護区です。重要なのは、シーズン、潮、天気です。ビーチへ行く感覚ではなく、湿地を利用する野生生物の時間に合わせます。

森ならセブ島中央保護景観
セブの森と水源の関係を知るなら、セブ島中央保護景観です。保護地域内では、指定された道や管理者の案内を利用し、植物を採らない、野生生物を追わない、ごみを持ち帰る、屋外で火を使わない、という行動が基本です。

シュノーケリングならギルトンガン
海洋保護区を水中から体験するなら、ギルトンガンです。ただし、美しい魚の写真を撮ることより、サンゴに触れない、立たない、餌やりをしない、という行動が優先されます。サンゴに優しいと表示された日焼け止めでも大量使用を避け、可能ならラッシュガードで肌を覆います。

海の野生生物ならタニョン海峡
イルカやクジラを含む海の野生生物を考えるなら、タニョン海峡です。遭遇を保証するツアーではありません。野生生物が現れない日も、自然体験の一部です。動物を囲むツアーより、距離と進行方向を守る事業者を選びます。

リーフ全体を知るならダナジョンバンク
サンゴだけでなく、マングローブ、海草の藻場、漁業コミュニティ、島を含む広域の海の生態系を知るなら、ダナジョンバンクです。ただしダナジョンバンク全体が、一つの観光アトラクションとして整備されているわけではありません。コミュニティや海洋保護区ごとに、利用条件と管理主体が異なります。

コミュニティツーリズムならボホ川
地域運営を体験したいなら、ボホ川です。ローカルガイドの説明を聞き、コミュニティが用意するサービスを利用することが、地域内へ収益を残すことにつながります。安いボートだけを外部で手配するより、コミュニティ組織を通して利用することに意味があります。

エコツアーを選ぶ前の6項目
予約前に確認したいのは、次の6項目です。
1|管理者は誰か:LGU、DENR、住民組織、コミュニティ協会、海洋保護区の管理団体のどこが管理しているか。
2|料金は何に使われるか:入場料、環境保全料、ガイド料、保護区料金、コミュニティ基金の内訳を見る。
3|人数制限があるか:ボートの定員や、訪問者の受け入れ人数の上限を無視していないか。

4|ガイドが同行するか:地域の生態系とルールを説明できるガイドがいるか。
5|野生生物へ干渉しないか:餌やり、接触、追跡、捕獲を行わないか。
6|天気と潮を優先するか:予定より、安全と自然の条件を優先する事業者か。
この6項目を確認すると、「エコ」という言葉だけで選ぶことは少なくなります。

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今日分かったこと

セブのエコ観光地は、一つのランキングでは選べません。渡り鳥を見るならオランゴ島、森と水源を知るならセブ島中央保護景観、海洋保護区を水中から体験するならギルトンガン、広域の保護海域と海の野生生物を考えるならタニョン海峡、二重堡礁を知るならダナジョンバンク、コミュニティが自然を守りながら観光を運営する仕組みを見るならボホ川です。

6か所のエリアは約15haから521,018haまでで、単純な面積差は約34,735倍あります。しかし本当に見るべき数字は広さだけではなく、種類、保護区区分、訪問者の受け入れ人数、コミュニティの収益、管理期間です。

セブでエコツアーを選ぶとは、自然がきれいな場所を探すことではありません。誰が守り、どのルールで利用し、観光収益がどこへ戻るのかを確認することです。

情報基準日:2026年8月28日
エコ観光地:中心となる環境/数字/適した体験
・オランゴ島:湿地・干潟/5,800ha/鳥観察
・セブ島中央保護景観:森・流域/29,062ha/森と水源の理解
・ギルトンガン:サンゴ礁/約15ha/シュノーケリング・海の保全
・タニョン海峡:保護海域/521,018ha/海の野生生物
・ダナジョンバンク:二重堡礁/272㎢/リーフ生態系の理解
・ボホ川:川・マングローブ/1.4km/住民主体のエコツーリズム

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記事内の確定データ

項目 確定数字・内容
数字 比較したエコ観光地
6か所 オランゴのラムサール条約登録湿地
5,800ha オランゴのラムサール条約登録日
1994年7月1日 セブ島中央保護景観
29,062ha ギルトンガン海洋保護区
約15ha タニョン海峡保護海域
521,018ha タニョン海峡の指定日
1998年5月27日 タニョン海峡の鯨類
少なくとも14種 ダナジョンバンクの二重堡礁
272㎢=27,200ha ダナジョンバンクの海岸線
699km ダナジョンバンクの島
40 ボホ川
1.4km ボホ川のマングローブ
24種 ボホ川の鳥
61種 BAETAS設立
2009年6月14日 ボホ川の直近1年間の訪問者
17,000人超 ボホ川の地域還元
記事内の項目と数字

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