こんにちは、ナビセブ編集部の谷口まりです。親子でセブに移住しました。観光とグルメの記事を担当しています。
タブレア(Tablea)は、焙煎したカカオ豆をすりつぶして丸く固めたフィリピンのカカオの塊です。見た目は小さなチョコレートですが、規格どおりの品なら砂糖もミルクも入っていません。セブではこれをお湯に溶かし、シクワテ(Sikwate)という温かい飲み物にして朝に飲みます。
ナビセブ編集部のまとめ
タブレアは飲むための100%カカオ、板チョコは食べるための菓子

タブレアの定義は、フィリピンの国家規格PNS/BAFS 111:2021にあります。「カカオ豆だけで作り、ほかの材料も添加物も加えないカカオマス」です。板チョコは、カカオに砂糖やカカオバター、乳成分を足して食べやすくした菓子です。かじると、タブレアは苦くて粉っぽく、口の中でなめらかに溶けません。シクワテにしたら、もち米のプトマヤや米の焼き菓子ビビンカと合わせます。お土産に選ぶなら、袋の「Unsweetened(無糖)」の表示と製造者の住所を見てください。
タブレア・ココア・板チョコ・シクワテの違い

4つともカカオ豆から作りますが、完成品の中身と使い道が違います。
| 名前 | 何でできているか | 砂糖 | 主な使い方 |
|---|---|---|---|
| タブレア | 焙煎したカカオ豆をすりつぶし、型で固めたもの | 規格品は入らない(加糖の商品も売られている) | シクワテ、チャンポラード、料理 |
| ココアパウダー | カカオマスから脂肪分の一部を抜き、粉にしたもの | 商品による | 飲み物、製菓 |
| 板チョコ | カカオマスに砂糖・カカオバター・乳成分を加えたもの | 入る | そのまま食べる |
| シクワテ | タブレアをお湯で溶かした飲み物 | 店や家庭で足す | 朝食、おやつ |
規格では、タブレアの脂肪分を100gあたり45g超、水分を3%以下と決めています。粒の細かさは100マイクロメートル未満です(2026年10月確認)。脂肪分が多いので、溶かすと表面に油が浮きます。板チョコより粒が粗く、舌にざらつきが残るのもふつうです。味についても、苦みのほかに渋みと酸味があるとしています。
ココアパウダーとの大きな違いは、この脂肪分です。ココアは脂肪を減らして粉にしたものです。同じカップ1杯なら、タブレアのほうが口当たりが重く、香りも濃く出ます。
カカオ豆がタブレアになるまでの5工程

- 収穫:カカオの実を割り、白い果肉に包まれた豆を取り出す
- 発酵:豆と果肉を数日寝かせ、香りと味の元を作る
- 乾燥:天日などで水分を抜く。湿ったままだとカビの原因になる
- 焙煎と殻むき:豆を炒って香ばしさを出し、殻を外してカカオニブにする
- すりつぶして成形:ニブをすりつぶすと脂肪が溶けてペースト状になる。これを型に入れて冷やし固める
規格は、発酵させた豆と発酵させない豆のどちらも認めています。発酵させない豆で作ったものは、香りが弱く渋みが強めです。袋に「fermented(発酵豆)」とある商品は、この点を売りにしています。
セブで作るタブレアの豆は、多くがミンダナオ島から来る

フィリピンのカカオ豆は、ミンダナオ島のダバオ地方が産地の中心です。フィリピン統計庁によると、2023年4〜6月の全国の生産量は2,350トンでした。そのうちダバオ地方が1,670トンで、全体の71.2%を占めます。
セブにもカカオ農園はありますが、量はダバオに遠く及びません。フィリピン農業省の農村開発事業は、セブの加工業者がダバオ市カリナン地区から豆を仕入れていた例を紹介しています。「セブ製造」は、加工と袋詰めをセブでしたという意味です。豆の産地とは別の話です。産地が気になるなら、袋の表示を見るか、売り場で「豆はどこで育てたものか」を聞いてください。
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シクワテとチャンポラードにする

シクワテは、鍋で温めたお湯にタブレアを溶かせばできあがりです。昔ながらの家では、バティロールという木の棒を両手でこすって回し、泡を立てます。棒の綴りはBatirolで、Batidorとも呼びます。砂糖・牛乳・ココナッツミルクを足すかどうかは家庭しだいです。最初の一口は何も足さずに飲むと、豆の香りの違いが分かります。
チャンポラード(Champorado)は、もち米を煮た粥にタブレアを溶かした料理です。多くの家では甘く仕上げ、塩辛い干し魚のトゥヨ(Tuyo)を添えて、甘さと塩気を交互に食べます。食堂で頼むと、干し魚が同じ皿にのって出てくることがあります。
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プトマヤとマンダウエのビビンカを合わせる

セブの朝の定番は、シクワテとプトマヤ(Puto Maya)の組み合わせです。プトマヤは、もち米をココナッツミルクとショウガで炊いたもので、熟したマンゴーを添えることもあります。米粉を蒸した小さな「プト(Puto)」とは別の料理です。店では短く「Puto」と呼ぶこともあるので、注文前に実物を見て確かめてください。
もう一つ合わせたいのが、マンダウエ市のビビンカ(Bibingka)です。ルソン島のビビンカは、塩漬け卵やチーズをのせたものが有名です。マンダウエの昔ながらの作り方は米・ココナッツミルク・砂糖が中心で、ふわっと柔らかく焼き上がります。生地をヤシの樹液の酒トゥバ(Tuba)で発酵させる家もあり、今はイーストを使う店もあります。マンダウエでは、家族で製法を受け継いだ小さな店が焼き続けてきました。

まず無糖のシクワテを一口飲み、プトマヤかビビンカを食べてから、もう一度シクワテに戻ります。もち米の甘さが入ると、最初に強く感じた苦みが和らぎ、カカオの香りがはっきりします。ビビンカは朝のうちに売り切れる店もあるので、昼過ぎに行くなら焼いている時間を店に聞いておいてください。
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お土産に買うときに見る表示と保存のしかた

規格は、袋に書く項目も決めています。全部そろった商品なら、作り手と期限まで分かります。
| 袋の表示 | 見るところ |
|---|---|
| 商品名・原材料 | 「Cacao mass」「100% cacao」なら砂糖なし。Sugarの記載があれば加糖 |
| 製造者の名前と住所 | セブ州の住所ならセブで加工した品 |
| 内容量 | 1袋の重さ。飲む回数の目安になる |
| 製造日・賞味期限 | 両方あるか。期限が近いものは避ける |
| 保存方法 | 規格で記載が義務づけられている |
| Product of the Philippines | フィリピン産の表示 |
| 任意の表示 | 発酵豆かどうか、単一産地か、地理的表示など |
保存するときは、暑さと湿気、強いにおいを避けてください。セブの車内や窓際に置くと、脂肪分が溶けて表面が白くなります。白くなっただけなら溶かして使えますが、カビや油の古いにおいがするもの、袋が破れたものは使わないでください。持ち帰るなら、未開封の市販品をスーツケースの中央に入れるとつぶれにくくなります。
タブレアそのものは無糖でも、砂糖や練乳を足したシクワテは甘い飲み物になります。「カカオだから体にいい」とひとまとめにせず、足した砂糖の量で考えてください。
タブレアはセブのどこで買える?値段の目安とシクワテを飲める店
ここまではタブレアの作り方や、チョコレートとの違いを紹介しました。ここでは、セブでタブレアを買う場所と値段の目安、お店でシクワテを飲める場所をまとめます。
タブレアを買う:スーパー、お土産店、アルガオの工場
セブ州アルガオで1948年から作られているギラン・タブレアは、100%純カカオで、砂糖は入っていません。ナビセブが2026年8月に確かめた公開価格は、プレミアム200gが₱275、335gが₱395です。セブのスーパー、パサルボン(お土産)ショップ、オンラインショップでも売られていますが、店によって置いている種類と量が違います。
モールのスーパーでも、ドライマンゴーやOtapと並んでTableaが見つかることがあります。商品には砂糖入り(Sweetened)と無糖(Unsweetened)があるので、表示を見て選びます。ギラン・タブレアの案内では、シクワテ1杯は水1カップにタブレア2〜3枚が目安です。
工場はアルガオのカンバヌア地区(101 San Miguel St.)にあります。地図サービスに出ている営業時間は毎日6:00〜20:00ですが、観光客をいつでも案内している施設ではないので、行く前に連絡してください。

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シクワテを飲む:市場の屋台、カフェ、ホテルのラウンジ
砂糖なしのシクワテを試すなら、カルボン市場の2階にあるローカルのフードコートの「Letty’s Puto Maya」があります。ナビセブの連載で紹介した時点では、プトマヤとシクワテが各10ペソで、シクワテは甘さがまったくなく、テーブルの砂糖で甘くする飲み方でした。反対に、ITパークの屋台街にある「Nora’s Puto Sikwate」のシクワテはとても甘いと紹介しています。同じシクワテでも、店によって甘さがかなり違います。
座って飲みたいなら、チョコレート専門店の「Tablea Chocolate Cafe」が朝8時から開いていて、プトマヤ、ホットチョコ、マンゴーの「Puto Maya Set」が175ペソでした。どちらも連載で紹介した時点の値段なので、今の値段はお店で確かめてください。
ビビンカも一緒に食べたいなら、NUSTAR内のFili HotelにあるFili Lobby Lounge(毎日8:00〜23:00)も候補です。2026年9月に確かめた公式メニューには、Bibingkaが₱250で載っています(サービス料と地方税は別)。飲み物が付くかどうかは書かれていないので、注文するときに聞いてください。

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👨💻 ナビセブ編集部
ナビセブ編集部の結論

タブレアを板チョコの仲間だと思って買うと、かじったときの苦さに驚きます。編集部のおすすめは、まず市場か屋台で無糖のシクワテを1杯飲むことです。砂糖を足したくなるかを確かめてから、タブレアを買ってください。苦いまま飲めた人は無糖、砂糖を足した人は加糖の商品を選べば失敗しません。
お土産なら、製造者の住所と賞味期限が両方ある袋を選んでください。豆の産地まで知りたい人は、売り場で一言聞くだけで、セブで加工した品かダバオの豆かが分かります。
よくある質問

タブレアはそのまま食べられますか?
食べられます。ただし無糖の品はかなり苦く、口の中で溶けにくいので、飲み物や料理に使うのが基本です。
シクワテとホットチョコレートは同じものですか?
どちらも温かいカカオの飲み物ですが、シクワテはタブレアをお湯で溶かしたものです。一般的なホットチョコレートより濃く、粒の舌触りや油分が残ります。
シクワテに乳製品は入っていますか?
タブレアとお湯だけなら入りません。店によっては牛乳や練乳、粉乳を足すので、アレルギーがある人は注文前に聞いてください。
ビビンカには必ずトゥバが入っていますか?
いいえ。トゥバで発酵させるのは昔ながらの作り方の一つで、今はイーストを使う店もあります。
日本の台所でもシクワテは作れますか?
作れます。小鍋で沸かしたお湯にタブレアを溶かし、泡立て器で混ぜてください。バティロールがなくても泡は立ちます。
最後に

2026年10月に確認した情報です。屋台やカフェの値段と営業時間は変わるので、行く前に地図サービスや店のSNSで確かめてください。お土産は、袋の無糖・加糖の表示と賞味期限を見てから選んでください。
