こんにちは、ナビセブ編集部の谷口まりです。親子でセブに移住しました。観光とグルメの記事を担当しています。
セブの野生生物というと、ジンベエザメ、ウミガメ、イルカを思い浮かべる人が多いと思います。しかし、セブの森には、世界でセブ島にしか生息しない鳥がいます。
主な数字
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月現在 | セブ鳥チェックリスト |
| 288種 | セブ固有種 |
| 4種 | 世界的に絶滅のおそれがある種 |
| 18種 | セブハナドリ |
| 近絶滅種 | セブハナドリの推定総個体数 |
| 85〜105羽 | セブハナドリの成熟個体数 |
| 60〜70羽 | 再発見前の最後の記録 |
| 1906年 | 再発見 |
| 1992年 | 記録の空白 |
| 86年 | ブラック・シャーマ |
結論
2026年の現在の分類では、セブ固有種は4種です。
セブ島固有種のブラック・シャーマ

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セブ島だけに生息する鳥
2026年2月17日に更新されたセブの鳥類チェックリストでは、確認されている鳥類が288種、セブ固有種が4種、世界的に絶滅のおそれがある種が18種です。セブ固有の4種は、セブハナドリ、ブラック・シャーマ、セブアオバズク、セブチャイロバトです。
同じセブ固有種でも、推定個体数は大きく違います。セブハナドリは推定60〜70成熟個体、ブラック・シャーマは推定10,000〜16,500成熟個体です。セブ固有の鳥を守るには、何羽見つけたか、どこで見つけたかだけでなく、残された森へ人がどのような影響を与えるかを考える必要があります。
2026年の現在の分類ではセブ固有種は4種
現在、セブ固有種として扱われる鳥は4種です。4種のうち、近絶滅種が2種、危急種が1種、軽度懸念が1種です。
古い資料には「2種+12亜種」と書かれている
セブの鳥を調べると、「2固有種+12固有亜種」という数字が多く出てきます。
この数字は間違いではありません。当時の分類では、セブハナドリとブラック・シャーマの2種をセブ固有種として扱い、セブアオバズクやセブチャイロバトなどを別の種の亜種として扱っていました。その後、分類の改定によって、セブアオバズクとセブチャイロバトが独立した種として扱われるようになりました。そのため2026年の現在のチェックリストに合わせて、セブ固有種=4種を採用します。
1|セブハナドリ
セブハナドリは、セブ固有の鳥の中で最も危機的な種です。学名はDicaeum quadricolor、IUCNの区分は近絶滅種です。2005年の推定総個体数は85〜105羽、推定成熟個体数は60〜70羽です。
中央値を単純計算すると、(60+70)÷ 2 = 65羽です。セブハナドリの成熟個体数は、約65羽を中心とする非常に小さな推定です。ただし、これは2026年に65羽を一斉に数えた結果ではありません。BirdLifeが現在掲載している個体数の推定は、2005年の推定値です。
86年間「絶滅した」と考えられていた
セブハナドリの古い記録は1906年です。その後、長期間にわたって確認されず、絶滅したと考えられていました。再発見は1992年で、記録の空白は1992 − 1906 = 86年です。
1992年、セブ島に残された小さな石灰岩の森で再発見されました。しかし、再発見されたことと、安全な個体数まで回復したことは同じではありません。現在もIUCNの区分は近絶滅種です。
名前のquadricolorは4色
学名のquadricolorは、4色を意味します。オスには、青黒、赤、黄、白の特徴的な色が見られます。体長は約11〜12cmです。
非常に小さく、林冠付近で小さな果実やヤドリギなどを利用します。森に入れば簡単に見つかる鳥ではありません。
2|ブラック・シャーマ
ブラック・シャーマは、セブアノ語でSiloyと呼ばれます。学名はCopsychus cebuensisです。セブ島だけに生息する鳥ですが、最新の個体数研究によって、以前考えられていたより広く分布していることが分かりました。BirdLifeの現在の推定成熟個体数は10,000〜16,500羽、最良推定値は12,000〜13,000羽です。
最良推定値の中央値は、12,000+13,000 = 25,000、25,000 ÷ 2 = 12,500羽です。
ブラック・シャーマは11の森林パッチで調査
ブラック・シャーマの個体数研究は、2018年2月〜2020年3月に行われました。調査の規模は次のとおりです。
- 調査した森林パッチ:11
- ポイント調査地点:111
- ブラック・シャーマの検出記録:93
生息密度は1km²当たり313羽、推定総個体数は11,839羽、推定範囲は9,160〜15,415羽です。111の調査地点に対して検出記録が93なので、単純な検出割合は93 ÷ 111 × 100 = 約83.8%です。
ただし、同じ個体を複数回確認する可能性や、観察されなかった個体もあるため、83.8%を生息率とは呼びません。個体数の推定には、距離サンプリング法を使っています。
以前より個体数が増えたの?
ブラック・シャーマは以前、絶滅危惧種として扱われていました。
現在のBirdLifeの評価は軽度懸念です。これは、短期間で急に個体数が増えたと断定する意味ではありません。調査範囲を広げ、二次林、低木林、植林地周辺などでも生息を確認したことで、以前より実態に近い個体数の推定が得られたことが大きな理由です。
BirdLifeは現在、10,000〜16,500成熟個体と評価しています。しかし、セブだけに生息する種であることは変わりません。森の分断や土地転用の影響を受けなくなったわけでもありません。
3|セブアオバズク
セブアオバズクは、セブ固有のフクロウです。学名はNinox rumseyi、IUCNの区分は危急種です。推定繁殖つがい数は200組で、1つがい=2成熟個体として、200 × 2 = 約400成熟個体です。
適した生息環境は19.2km²と推定されています。19.2km²をhaへ換算すると、19.2 × 100 = 1,920haです。セブアオバズクは夜行性です。昼間に森を歩いても、姿より鳴き声で存在を知ることが多い種です。
4|セブチャイロバト
セブチャイロバトの学名はPhapitreron frontalis、IUCNの区分は近絶滅種です。推定成熟個体数は1〜49羽です。最大値の49羽を基準にしても、50羽未満です。BirdLifeでは、1990年代半ば、2000年代初頭、2007〜2012年に未確認の目撃情報が報告されたことを踏まえ、この種を絶滅(Extinct)ではなく近絶滅種として扱っています。
セブハナドリ以上に、確実な現在の記録を得ることが難しい鳥です。
4種の推定個体数には大きな差がある
最も多いブラック・シャーマの最良推定値を12,500羽とします。セブハナドリの成熟個体数の中央値は65羽です。
差は12,500 ÷ 65 = 約192.3倍です。セブ固有種という同じ分類でも、数十羽規模、数百羽規模、1万羽規模と状況が違います。「固有の鳥を守る」という一つの方法だけでは対応できません。種ごとに生息環境、個体数、脅威を調べる必要があります。
どこで観察できる?
セブの固有の鳥は、主に残された森林パッチで確認されています。代表的なエリアは、セブ島中央部、タブナン、アルコイ、アルガオ、ダラゲテなどです。ただし、希少な鳥の正確な巣の場所や最新の観察ポイントを無制限に公開することは、保全につながりません。
特にセブハナドリとセブチャイロバトは、個体数が非常に少ない種です。訪問する場合は、地元の野鳥ガイド、保全グループ、DENR、保護地域の管理者を通し、指定されたルートとルールに従います。
鳥を見るなら朝
バードウォッチングの基本時間は6:00〜9:00で、9:00 − 6:00 = 3時間です。
気温が上がる前で、鳥の鳴き声や採餌の様子を確認しやすい時間です。しかし、固有種は必ず見られるわけではありません。特にセブハナドリとセブチャイロバトを、「行けば見られる鳥」として計画しないことが大切です。
音声の再生を繰り返さない
バードウォッチングで問題になりやすいのが、音声の再生です。録音した鳥の鳴き声をスピーカーやスマートフォンから流し、鳥を呼び寄せる方法です。鳥は録音された音を、ライバル、つがいの相手、縄張りへの侵入者と判断する場合があります。
何度も再生を行うと、採餌、休息、営巣、縄張り行動を妨げる可能性があります。希少な種では、写真を撮るための連続再生をしません。
ガイドや研究者が調査目的で使用する場合と、旅行者が撮影のために繰り返す場合は同じではありません。
巣の場所を公開しない
巣を見つけても、正確なGPS、場所の情報、道からの方向、木の特徴をリアルタイムで公開しません。
SNSで位置情報を共有すると、多くの人が同じ場所へ集中する可能性があります。巣へ人が近づけば、親鳥が戻れない、卵やひなが捕食者に見つかる、巣を放棄するといったリスクがあります。写真は、巣から離れて撮影します。
固有の鳥を見る7つのルール
- ルール 1
指定された道から外れない。 - ルール 2
音声の再生を繰り返さない。 - ルール 3
巣へ近づかない。 - ルール 4
正確な場所をリアルタイムで公開しない。 - ルール 5
ストロボを連続使用しない。 - ルール 6
鳥へ餌を与えない。 - ルール 7
植物や巣の材料などを動かさない。
「見つけた鳥の数」より、鳥の行動を変えなかったことを大切にします。
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今日分かったこと
2026年の現在の分類で、セブ固有の鳥は4種です。セブハナドリ、ブラック・シャーマ、セブアオバズク、セブチャイロバトです。セブハナドリは、1906年の記録後に姿を消し、86年後の1992年に再発見されました。
現在掲載されている推定成熟個体数は、セブハナドリが60〜70羽、セブチャイロバトが1〜49羽、セブアオバズクが約400羽です。一方、ブラック・シャーマは11の森林パッチ、111のポイント調査地点で行われた調査を基に、10,000〜16,500成熟個体と評価されています。
しかし、4種すべてが、世界でセブにしかいない鳥です。写真を撮るために鳴き声を流す、巣へ近づく、正確な場所をリアルタイムで公開する、といった行動が、希少な種へ負担を与える可能性があります。セブで固有の鳥を見るときに大切なのは、どれだけ近くで見たかではなく、鳥の行動を変えずに帰れたかです。
これがセブの森で守るべきバードウォッチングのルールです。
情報基準日:2026年8月28日
種|学名|IUCN区分|推定成熟個体数
セブハナドリ|Dicaeum quadricolor|近絶滅種|60〜70
ブラック・シャーマ|Copsychus cebuensis|軽度懸念|10,000〜16,500
セブアオバズク|Ninox rumseyi|危急種|約400
セブチャイロバト|Phapitreron frontalis|近絶滅種|1〜49
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主なデータ
| 項目 | 数字・内容 |
|---|---|
| 2026年8月現在 | セブ鳥チェックリスト |
| 288種 | セブ固有種 |
| 4種 | 世界的に絶滅のおそれがある種 |
| 18種 | セブハナドリ |
| 近絶滅種 | セブハナドリの推定総個体数 |
| 85〜105羽 | セブハナドリの成熟個体数 |
| 60〜70羽 | 再発見前の最後の記録 |
| 1906年 | 再発見 |
| 1992年 | 記録の空白 |
| 86年 | ブラック・シャーマ |
| 軽度懸念 | ブラック・シャーマの成熟個体数 |
| 10,000〜16,500羽 | ブラック・シャーマの最良推定値 |
| 12,000〜13,000羽 | 調査した森林パッチ |
| 11 | ポイント調査地点 |
| 111 | 検出記録 |
| 93 | 調査による推定個体数 |
| 11,839羽 | セブアオバズク |
| 危急種 | セブアオバズクの成熟個体数 |
| 約400羽 | 適した生息環境 |
| 19.2km² | セブチャイロバト |
| 近絶滅種 | セブチャイロバトの成熟個体数 |
| 1〜49羽 | バードウォッチングの基本時間 |


