Cebu IT Parkを歩いていると、夜でも多くの人がOffice Buildingから出入りしているのを見かけます。そのため「IT Park=Call Centerが集まる場所」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、現在Cebu IT Parkに入っている企業を調べていくと、実際の産業構造はもっと幅があります。Customer Experienceを中心とするBPOだけでなく、JPMorgan ChaseのようなFinancial Services、WiproやAccentureのTechnology、Shearwater HealthのHealthcare Outsourcing、TOA GlobalのAccounting Outsourcing、さらにEducation / EdTechまで、異なる種類の企業が同じBusiness Districtに集まっています。
要点
BPOだけでなく、金融、Technology、Healthcare Outsourcing、Accounting、EdTechなどの拠点が集まっています。
この記事では、2026年9月時点で企業公式WebsiteやOffice Location、採用情報などからCebu IT Park内の拠点を確認できる主要企業を業種別に整理します。すべてのLocatorを網羅する名簿ではなく、「Cebu IT Parkではどのような会社が、どのような仕事をしているのか」を理解するための主要企業データベースです。Cebu IT Parkの主要企業を業種別に見る
主要企業を業種別に比較
まず、現在Cebu IT Park内の拠点を一次情報から確認しやすい主要企業を整理すると、次のようになります。
| 分類 | 主な企業 | 確認できるIT Park拠点 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| Financial Services / Shared Services | JPMorgan Chase | Cebu IT Park | Finance、Accounting、Analytics、Transaction Processingなど |
| Customer Experience / BPO | Concentrix | Cebu IT Park | Customer Service、Technical Support、CX |
| Customer Experience / BPO | TP | Cebu IT Park | Voice、Chat、Back Office、Social Mediaなど |
| Customer Experience / BPO | Select VoiceCom | i1 Building | Contact Center、Outsourcing |
| IT / Technology | Wipro | Central Bloc Corporate Center Tower 2 | IT Services、Business Process Services |
| Technology / Consulting | Accenture | eBloc 2、Filinvest Towers | Technology、Consulting、Operations |
| Retail / Restaurant Technology | NCR Voyix | eBloc 1 | Technology、Training、Lab、Call Center |
| Healthcare Outsourcing | Shearwater Health | Mabuhay Tower | Healthcare関連Outsourcing |
| Accounting Outsourcing | TOA Global | Skyrise 3B、Skyrise 4B | Accounting、Finance系Offshore Teams |
| EOR / Recruitment | Kaptan Talent Solutions | Mabuhay Tower | EOR、Recruitment、Market Entry支援 |
| Education / EdTech | QQEnglish | Skyrise 4 | English Education、Online English |
この一覧だけでも、Cebu IT Parkを「Call Centerの街」と呼ぶだけでは実態を十分に説明できないことが分かります。
BPOと金融サービス
Cebu IT Parkを代表する産業の一つが、BPO・IT-BPMです。ただし、現在のBPOは単純な電話応対だけを意味するものではありません。Concentrixは現在も公式採用ページで「Cebu IT Park」をCebuのRecruitment Siteとして掲載しており、Customer Service Advisorなどを募集しています。仕事内容にはCustomer Serviceだけでなく、顧客情報の処理、問題解決、Digital Toolの利用などが含まれています。
TPのCebu IT Park Siteはさらに規模が分かりやすく、同社公式によると2005年開設で、5,200人を超えるTP Expertsと23のClientを抱えています。業務ChannelもVoiceだけではなく、Chat、Back Office、Social Mediaまで広がり、Banking & Finance、Retail & E-commerce、Travel & Tourism、Communicationsなど複数のIndustryを扱っています。
Select VoiceComもCebu IT Parkのi1 BuildingにOfficeを置いています。公式Contact情報では7階と10階をCebu Officeとして掲載しており、同社はCebuを本拠とするOutsourcing Companyとして事業を展開しています。
つまり、同じ「BPO」に分類される企業でも、規模、顧客Industry、提供するServiceはかなり違います。
JPMorgan Chaseが示すFinancial Servicesの存在
Cebu IT Parkの産業構造を理解するうえで重要なのがJPMorgan Chaseです。JPMorgan Chaseは、CebuにGlobal Service Centerを置いています。同社公式によると、PhilippinesではManila GSCを2005年、Cebu GSCを2010年に開設しました。
Cebuを含むGlobal Service Centerでは、Analytics、Finance and Accounting、Voice-based Services、Transaction Processingなどを行い、Consumer & Community Banking、Corporate & Investment Bank、Asset & Wealth Management、Commercial Bankingなど世界の複数Businessを支えています。
これはCebu IT Parkで働く人の仕事が、Customer Supportだけではないことを示す代表的な例です。世界的な金融機関の内部業務やTransaction、AnalyticsまでCebuから支えています。
Technology企業のCebu拠点
「IT Park」という名前に最も直接結び付くのがTechnology企業です。Wiproは公式Global Locationsで、Cebu IT ParkのCentral Bloc Corporate Center Tower 2をPhilippines Officeとして掲載しています。しかも所在地は9階から21階までとなっており、Tower内で非常に大きなOffice Footprintを持つことが分かります。
AccentureもCebu IT Parkに複数の拠点を持っています。現在の公式Locationsには「Cebu City – Cebu IT Park」としてeBloc 2の14階が掲載され、さらにFilinvest TowersもCebu IT Park Officeとして掲載されています。
NCR VoyixはeBloc 1 Towerに「Cebu Mixed Use Office」を置いています。公式Locationsでは、このCebu拠点にOffice Spaceだけでなく、Training、Lab、Call Center機能もあることが示されています。NCR Voyix自体はRetailやRestaurant向けTechnologyを扱う企業であり、一般的なCustomer Service型BPOとは役割が異なります。
この3社だけを見ても、Cebu IT ParkにはIT Service、Consulting、Operations、Product Support、Technology Labなど異なるTechnology系の仕事が集まっています。
Healthcare Outsourcingという専門分野もある
IT Parkには医療分野に特化したOutsourcing企業もあります。Shearwater Healthは公式Contact情報で、Cebu Officeを「15th Floor, Mabuhay Tower, Cebu IT Park」と明記しています。同社はHealthcare分野を専門とする企業で、一般的なBPOとは異なり、Healthcare WorkforceやClinical領域に関係するServiceを展開しています。
Cebuで英語を使う仕事というとCall Centerを想像しやすいのですが、実際にはHealthcareの知識やProfessional Skillと英語を組み合わせる仕事も存在しています。
Healthcare・Accounting・新しいサービス
Professional Services系で分かりやすい企業がTOA Globalです。TOA GlobalはAccounting Outsourcingを中心とする企業で、Cebu IT Parkに2つのOfficeを公式掲載しています。一つはSkyrise 3Bの24階、もう一つはSkyrise 4Bの15階です。
これは、CebuのOutsourcing産業がCustomer Serviceから専門職へ広がっていることを理解するうえで重要です。AccountantやFinance関連の人材がCebuに勤務しながら海外Clientを支えるBusiness Modelが成立しています。
Cebuで生まれる新しいBusiness Service企業
IT Parkには世界的大企業だけが集まっているわけではありません。Kaptan Talent Solutionsは2023年にCebuで創業したRecruitment・Workforce Solutions企業です。2026年にはMabuhay TowerのOfficeを従来の55㎡から330㎡へ拡張しました。SunStar Cebuによると、同社はRecruitmentやEmployer of Record(EOR)に加え、海外企業のPhilippines進出、Entity Setup、Workforce Management、Workspaceなどまで支援する方向へ事業を広げています。
これはCebu IT Parkが「海外企業が入居する場所」だけではなく、海外企業のPhilippines進出を支援する地元企業が育つ場所にもなっていることを示しています。
Education / EdTechもIT Parkの一つの産業
さらに、IT ParkにはEducation企業もあります。QQEnglishはSkyrise 4の7階をIT Park Campusとして公式に掲載しています。対面型のEnglish EducationだけでなくOnline Englishも提供しており、Cebuから海外のLearnerへ英語Lessonを提供しています。
これはBPOとは別の形で、Cebuの英語人材とDigital Technologyを使ってServiceを海外へ提供するBusinessです。IT Parkの産業を見るときには、Education / EdTechも一つの分類として考えた方が実態に近くなります。
Buildingから産業構造を読む
Cebu IT Parkの面白いところは、会社名だけでなく「どのBuildingに入っているか」を見ると産業構造がさらに見えやすくなることです。eBloc 1にはNCR Voyix、eBloc 2にはAccenture、Central Bloc Corporate Center Tower 2にはWipro、Mabuhay TowerにはShearwater HealthやKaptan Talent Solutions、Skyrise 3B・4BにはTOA Global、Skyrise 4にはQQEnglish、i1 BuildingにはSelect VoiceComがあります。
つまり、IT Parkは一つの巨大企業団地というより、多数のOffice Towerの中にFinancial Services、Technology、Healthcare、Accounting、Customer Experience、Educationなどが重なって形成されたBusiness Districtです。
PEZAでもInformation Technology Parks / CentersはEconomic Zoneのカテゴリーとして制度化されており、IT Parkを理解するときは、単なるOffice街ではなく、IT・Export Serviceを支えるEconomic Zoneとして見る必要があります。
「IT Park=Call Center」だけでは現在のCebuを説明できない
Cebu IT Parkが発展する過程で、BPO・Call Centerが大きな役割を果たしてきたことは間違いありません。そして2026年現在も、ConcentrixやTPなど大規模なCustomer Experience企業が重要な雇用を生み出しています。
しかし、現在のIT Parkを見れば、そこにある仕事はそれだけではありません。JPMorgan ChaseではFinancial Services、WiproやAccentureではTechnology、NCR VoyixではRetail / Restaurant Technology、Shearwater HealthではHealthcare、TOA GlobalではAccounting、KaptanではEOR・Recruitment、QQEnglishではEducation / EdTechが動いています。
Cebu IT Parkを理解する一番分かりやすい方法は、「どんなBuildingがあるか」だけを見るのではなく、そのBuildingの中で誰が働き、Cebuから世界へどんな仕事を提供しているのかを見ることです。
そうするとCebu IT Parkは、レストランやMall、Condoが集まった便利な街というだけではなく、Cebuの人材と世界のBusinessをつなぐ巨大なEmployment Districtとして見えてきます。
参考情報
情報確認日:2026年9月16日
主な確認先: