こんにちは、ナビセブ編集部の田口じゅんです。セブに住んで10年以上になります。暮らしとエリアの記事を担当しています。
セブのムスリムコミュニティは、規模の大きさではなく、日々の礼拝・商い・食事・互いへの配慮の中に存在しています。訪問する人は、許可を得ることと礼拝への敬意を優先してください。
ナビセブ編集部のまとめ
最初に結論
セブのムスリムコミュニティは、規模の大きさではなく、日々の礼拝・商い・食事・互いへの配慮の中に存在しています。訪問する人は、許可を得ることと礼拝への敬意を優先してください。
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| 項目 | セブでの要点 |
|---|---|
| 人口 | 2023年の地域推計でセブ市に約6,000人 |
| 礼拝 | 金曜の集団礼拝(Jumu’ah)、複数のモスク |
| ラマダン | 日没後のイフタールはコミュニティの時間 |
| ハラル | 原材料・屠畜・調理・保管まで確認 |
確認を順番に進める
現地で迷わないよう、予約前から当日の帰路までの確認事項を実行順に並べます。
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- STEP 1
訪問可能か公式窓口へ確認 - STEP 2
礼拝時間と入口を確認 - STEP 3
肩と膝を覆う服装を選ぶ - STEP 4
靴を脱ぐ場所と撮影条件を確認 - STEP 5
礼拝者の動線を妨げず静かに見学
写真で確認する現地のポイント
写真で、記事に出てくる場所や光景を確認できます。



判断のまとめ
セブのムスリムコミュニティは、規模の大きさではなく、日々の礼拝・商い・食事・互いへの配慮の中に存在しています。訪問する人は、許可を得ることと礼拝への敬意を優先してください。
カトリックの街セブに暮らすムスリム
セブは、フィリピンにおけるキリスト教の出発点として知られています。サント・ニーニョ、マゼランクロス、シヌログ、数多くのカトリック教会。街を歩けば、その歴史と信仰がいたるところに見えます。しかし、セブに暮らしているのはカトリック信者だけではありません。Mambaling、Bulacao、Lahugなどにはモスクがあり、毎週金曜にはムスリムが集まります。ラマダンには日中の食事を断ち、日没後にイフタールを囲みます。2026年3月21日の早朝には、セブ市のPlaza Independenciaに数千人のムスリムが集まり、Eid al-Fitr(断食明けの祭り)の礼拝を捧げました。普段は街の中で目立たなくても、イスラム教はセブの今を形づくる、生きた信仰の一つです。セブを本当に国際的な旅行先にするには、ムスリムの旅行者を「特別な少数」と考えるのではなく、礼拝、食事、プライバシーを必要とする一人の訪問者として迎える視点が必要です。
イスラム教はフィリピンで二番目に大きな宗教
Philippine Statistics Authorityの2020年国勢調査によると、ローマ・カトリックは世帯人口の78.8%、イスラム教は6.4%でした。ムスリムは698万1,710人で、イスラム教はフィリピンで二番目に大きな宗教です。人口の多くはBangsamoro Autonomous Region in Muslim Mindanao(BARMM)、Zamboanga Peninsula、SOCCSKSARGENなど、ミンダナオとスールー諸島に暮らしています。しかし、ムスリムコミュニティは南部だけにあるのではありません。教育、仕事、就職、結婚などを理由に、マニラ、セブ、ダバオ以外のビサヤ地方の都市へ移り住んだ人もいます。セブ市は94.7%がローマ・カトリックと回答した、カトリックの比率が非常に高い都市です。それでも、イスラム教が存在しないわけではありません。
少数であることと、見えないことは同じではないのです。
セブ市には約6,000人という地域推計
セブ市に暮らすムスリムの正確な最新人数は、公開統計だけでは簡単に確定できません。2023年、Cebu City Office of Muslim Affairs and Indigenous Cultural Communitiesの担当者は、地域のムスリムコミュニティを約6,000人と説明しました。同じ説明では、その約80%、約4,800人がマラナオ人とされています。ただし、これは2023年時点の市担当者による地域推計で、2026年の国勢調査確定値ではありません。また、セブのムスリムをすべてマラナオ人として扱うべきではありません。タウスグ、マギンダナオ、サマ、イラヌン、ヤカンなど、フィリピンのムスリムには複数の民族・言語集団があります。さらに、留学生、ビジネスパーソン、エンジニア、旅行者としてセブに滞在するムスリムもいます。同じイスラム教を信仰していても、言語、食事、服装、家族の歴史は同じではありません。
セブのムスリムはどこから来たのか
現在セブで暮らすムスリムの多くは、ミンダナオやスールーに家族のルーツを持ちます。マラナオはラナオ湖周辺、タウスグはスールー諸島、マギンダナオはミンダナオ中南部、サマは海と深く関わる地域など、それぞれ異なる歴史を持っています。セブへ来た理由も一つではありません。大学で学ぶために来た人、市場や小売の商売を始めた人、行政や民間企業で働く人、セブアノと結婚し、家族をつくった人。一時的な移住者としてではなく、何世代もセブで暮らす家庭もあります。「セブアノ」と「ムスリム」を反対の言葉のように扱う必要はありません。セブアノ語を話し、セブで働き、この街を故郷とするムスリムのセブアノもいるからです。
イスラム教はキリスト教より前にフィリピンへ来た
イスラム教は、14世紀頃までにマレー、アラブ、インドなどの商人と宣教者を通じて、スールー諸島へ伝わったとされています。
つまり、1521年にマゼランが到着するより前に、イスラムのコミュニティは現在のフィリピン南部で形成され始めていました。スールー王国やマギンダナオ王国が発展し、海上交易を通して周辺地域と結ばれました。しかし、この事実から「スペイン人の到着以前のセブはイスラム王国だった」と断定することはできません。当時のビサヤ地方は、複数のダトゥ(首長)が率いる沿岸の共同体によって構成され、交易を通してイスラム世界と接触していました。イスラムの影響が届いていた可能性と、セブ全体がイスラム化されていたことは同じではありません。ラプラプをムスリムの英雄とする主張もありますが、史料上は議論があり、多くのセブの歴史家は確定できないとしています。現在の信仰を尊重するためにも、確認できない過去を政治的または観光的に断定すべきではありません。
モスクは何をする場所?
アラビア語でモスクはマスジド(مسجد)と呼ばれます。ムスリムがサラート(礼拝)を行う場所ですが、役割は礼拝だけではありません。コーランを学ぶ、子どもへイスラムの教えを伝える、結婚や葬儀に関わる、ラマダンのイフタールを準備する、困っている家庭へザカートやサダカ(施し)を届ける。小規模なモスクでも、コミュニティセンターとして重要な役割を持っています。セブ市では、MambalingのAl-Khairiah Mosque、Green Mosqueとして知られるモスク、BulacaoのMasjid Al-Kawtharなどでムスリムコミュニティが祈りを続けています。
しかし、すべてが観光客向けに常時公開された施設ではありません。訪問したい場合は、礼拝時間に突然入るのではなく、事前にモスクの管理者やコミュニティの代表者へ連絡してください。
金曜礼拝(Jumu’ah)
ムスリムは一日に5回、マッカ(メッカ)のカアバの方向であるキブラへ向かってサラートを行います。その中でも金曜正午のジュムアは、コミュニティが集まる重要な礼拝です。フトバと呼ばれる説教が行われ、社会、家族、信仰、倫理などについて語られます。セブでは、働く場所とモスクが離れていることや、大人数を収容する大モスクがないことが課題です。2023年、市のムスリムコミュニティの代表は、セブ市に約6,000人が暮らしているにもかかわらず、大規模なグランドモスクがないとして、建設への希望を語りました。小さなモスクに人が分かれて祈る現在の姿は、コミュニティが存在しないからではありません。全員が集まれる施設が不足していることを示しています。
モスクを訪れるときのマナー
ムスリムでない人も、許可を得ればモスクを見学できる場合があります。しかし、教会や寺院と同じく、最初から撮影場所として入ることはできません。事前に訪問者を受け入れられるか確認する、肩と脚を覆うゆったりした服を着る、女性は頭を覆うよう求められる場合がある、礼拝堂へ入る前に靴を脱ぐ、コーランへ無断で触れない、礼拝中の人の前を横切らない、男女別の入口や礼拝スペースを守る、人物を撮影する前に許可を取る、金曜正午など混雑する時間を避ける、食べ物を持ち込まない。握手についても、相手から手を差し出すまで待つと安心です。異性との身体的接触を避ける人がいるためです。
分からないときは、勝手に判断せず「What should I do?」と尋ねてください。
敬意のある質問は、知っているふりをすることより歓迎されます。
ラマダンで変わる一日の時間
ラマダンは、イスラム暦の第9月です。健康な成人のムスリムは、夜明けから日没まで飲食を断ちます。水も飲みません。喫煙や性行為も避け、礼拝、施し、自制を大切にします。ただし、子ども、病気の人、高齢者、妊娠中・授乳中の女性、旅行者などには免除や後日の補いがあります。すべてのムスリムが同じ条件で断食するわけではありません。
夜明け前の食事をスフールまたはサフール、日没後に断食を終える食事をイフタールと呼びます。2024年には、NCMF Visayas Regional OfficeがLahugを含むビサヤ地方のモスクへイフタールを提供しました。ラマダン中のセブでは、昼間は普段と変わらないように見えても、ムスリムの家庭の一日は早朝と日没を中心に動いています。職場でも礼拝時間、休憩、勤務時間への配慮が必要です。
ムスリムでない人がラマダン中にできる配慮
セブ全体で昼間の飲食が禁止されるわけではありません。
ムスリムでない人は通常どおり食事ができます。しかし、断食中の同僚や友人の目の前で、必要以上に食事を勧めたり、「水も飲めないの?」と繰り返し質問したりする必要はありません。
配慮したいのは次の点です。ランチミーティングへの参加を強制しない、日没前の長い会議を避ける、体力を使う作業の時間を調整する、食事を断られても失礼だと考えない、イフタールへ招かれたら開始の合図を待つ、「断食で痩せられる」と軽く扱わない、「Ramadan Mubarak」と挨拶する。ラマダンは空腹を我慢するダイエットではありません。恵まれない人の苦しみを考え、自分の言葉と行いを整え、アッラーとの関係を深める月です。
2026年、Plaza Independenciaに集まった人々
イスラム暦は月の観測に基づくため、ラマダンとイードの日付は西暦の上で毎年約10日から11日早くなります。
2026年、フィリピンでは2月19日からラマダンが始まると発表され、3月20日がEid’l Fitrの祝日(Regular Holiday)になりました。セブ市では3月21日の早朝、Plaza Independenciaに数千人のムスリムが集まり、合同礼拝を行いました。普段は複数の小さなモスクへ分かれている人々が、歴史地区の大きな公共空間に集まったのです。この光景は、セブにムスリムが「訪れている」のではなく、コミュニティとして暮らしていることを目に見える形にしました。Eid al-Fitrは、ラマダンが終わって好きなだけ食べる日ではありません。礼拝、施し、家族との再会、許し、感謝によって断食月を締めくくる日です。
Eid al-Adhaと分かち合う食事
もう一つの重要な祝日がEid al-Adha(犠牲祭)です。預言者イブラーヒームがアッラーへの信仰を示した物語を記念し、可能な家庭は動物の犠牲(クルバーン)を行います。肉は家族だけで食べるのではなく、親族、近所の人、経済的に困っている人へ分けます。
2026年にもセブのムスリムコミュニティは、Plaza Independenciaでの集団礼拝を準備しました。外から見ると動物の犠牲だけが強く印象に残るかもしれません。しかし、中心にあるのは、所有しているものを手放し、ほかの人と分け合う信仰です。撮影目的で処理場所へ近づいたり、子どもを含む参加者の顔を無断で撮影したりしないでください。
ハラルは「豚肉なし」だけではない
ムスリムの旅行者に「この料理には豚肉が入っていません」と伝えるだけでは、ハラルを保証したことになりません。ハラルはアラビア語で、許されているものを意味します。食べ物では次のような点が関係します。豚肉と豚由来成分を使わない、血や許されない動物を使わない、肉がイスラムの決まりに沿って処理されている、アルコールを含まない、調理器具・油・保管でハラルでない食品と混ざらない、原材料と流通経路が確認されている。シーフードや野菜料理でも、豚肉を揚げた油、アルコールを含むソース、ラード、ゼラチンなどが使われる可能性があります。
そのため、ハラル認証(Halal-certified)とムスリムフレンドリー(Muslim-friendly)は同じではありません。ムスリムフレンドリーは、豚肉を避けている、シーフード中心である、礼拝への配慮があるなどを示しますが、認証機関によるハラル認証を意味しない場合があります。レストラン側も、確証がないのに「Halal」と表示すべきではありません。
セブはムスリムの旅行者を十分に迎えられている?
セブにはモスク、ハラルレストラン、ムスリムフレンドリーなホテルが増えています。Department of Tourism(観光省)も、礼拝室、キブラの方向表示、ハラル認証の食事など、ムスリムフレンドリーな観光の整備を進めています。しかし、バンコク、シンガポール、クアラルンプールなどと比べると、セブでは選択肢が限られ、最新情報も見つけにくいのが現状です。空港や大型ホテルに礼拝スペースがあっても、すべての施設に用意されているわけではありません。
レストラン検索でも、「No pork」とハラル認証が混同されています。世界のムスリム人口を考えれば、これは小さな課題ではありません。正確なハラル表示、ウドゥ(礼拝前の清め)のできる礼拝室、キブラの案内、女性のプライバシー、ラマダン中の食事時間への対応が整えば、セブはインドネシア、マレーシア、ブルネイ、中東、南アジアからさらに訪れやすい旅行先になります。
世界の旅行者に伝えたいセブの姿
セブのイスラムは、巨大なモスクや歴史的な記念碑によって目立っているわけではありません。小さな礼拝室、金曜の礼拝、日没を待つ家族、ハラルフードを探す学生、イードの朝に集まる数千人の姿によって続いています。カトリックが多数を占める街で、ムスリムコミュニティは信仰を守りながら働き、学び、商売を営んできました。セブを多文化都市として紹介するなら、祭りの違いを並べるだけでは足りません。異なる礼拝時間を尊重できるか。安心して食べられる食事を正しく示せるか。
少数のコミュニティにも礼拝する場所があるか。その日常的な配慮こそが、世界中の人を迎えるセブの力になります。
よくある質問
Q1.セブにモスクはありますか?
あります。セブ市のMambaling、Bulacao、Lahugなどに複数のモスクと礼拝のコミュニティがあります。ただし、見学施設ではないため、訪問前に受け入れの可否を確認してください。
Q2.ラプラプはムスリムだったのですか?
そのような主張がありますが、史料上確定していません。多くの研究者は、当時のビサヤ地方の土着信仰を持っていた可能性が高いとしています。断定は避けるべきです。
Q3.ムスリムでなくてもイフタールに参加できますか?
コミュニティや友人から招かれた場合は参加できます。日没後、礼拝や主催者の合図を待ってから食べ始め、食べ物を無駄にしないようにしてください。
Q4.シーフードレストランならハラルですか?
必ずしもハラルではありません。アルコール、ソース、調理油、器具の共用などを確認する必要があります。ハラル認証の有無を尋ねてください。
Q5.モスクで女性も祈れますか?
多くのモスクに女性用の礼拝スペースがありますが、広さや入口は施設によって異なります。事前に場所と利用条件を確認してください。
まとめ
セブ市ではローマ・カトリックが人口の94.7%を占めます。しかし、その数字の外側にも、毎日礼拝を行い、ラマダンを守り、イードを祝うムスリムコミュニティがあります。2023年の地域推計は約6,000人。2026年のEid al-Fitrには、Plaza Independenciaへ数千人が集まりました。セブのイスラムを知ることは、カトリックのセブを否定することではありません。同じ街で、異なる信仰を持つ人々がどのように暮らし、互いの時間、食事、祈りを尊重しているかを見ることです。モスクの大きさではなく、少数の人も安心して祈れるか。その視点を持つと、セブはキリスト教の歴史都市であると同時に、世界の人を迎える多宗教都市として見えてきます。
情報確認日:2026年8月31日
主な参考資料:Philippine Statistics Authority|Religious Affiliation in the Philippines 2020、Philippine Statistics Authority|Ethnicity in the Philippines 2020
SunStar Cebu|Muslims in Cebu Continue to Dream of Grand Mosque、Cebu Daily News|Eid al-Fitr 2026 at Plaza Independencia、Philippine Information Agency|Ramadan and Muslim Workers in Central Visayas、Philippine Information Agency|Understanding Ramadan
フィリピンのムスリム人口:2020年国勢調査で698万1,710人、全世帯人口の6.4%
セブ市の特徴:2020年時点でローマ・カトリックが94.7%を占める一方、複数のムスリムコミュニティが存在
セブ市のムスリム人口:2023年の市担当者による地域推計は約6,000人
主な背景:マラナオを中心に、タウスグ、マギンダナオ、サマなど多様
礼拝施設:Al-Khairiah Mosque、Green Mosque、Masjid Al-Kawtharなど
- 集団礼拝の日
- 金曜(Jumu’ah)
- 断食月
- ラマダン。イスラムの太陰暦により毎年日付が変わる
- 2026年のEid al-Fitr
3月20日がフィリピンの祝日(Regular Holiday)。セブの合同礼拝は3月21日にも実施
ハラルとは:豚肉を使わないだけでなく、原材料、屠畜、調理、保管までイスラムの決まりに適合すること
情報確認日:2026年8月31日
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👨💻 ナビセブ編集部
ナビセブ編集部の結論
セブはフィリピンにおけるキリスト教の出発点として知られていますが、ムスリムコミュニティも暮らしています。
その存在は規模の大きさではなく、日々の礼拝・商い・食事・互いへの配慮の中に見えます。
モスクなどを訪問する人は、許可を得ることと礼拝への敬意を優先してください。


