要点
SRPでは、埋立地であることやDeveloperがMixed-useと説明していることだけで、建てられる用途は決まりません。Cebu Cityの用途地域・立地確認、建物の設計と建築許可、必要な環境手続を分け、対象区画と計画内容を照合する必要があります。市の建築許可チェックリストにもLocational Clearanceが含まれており、土地を持っていることと建築できることは別の確認です。なお、2026年9月7日時点の本記事では、SRPの区画別の現行指定図と最新条例全文を確認できていないため、特定区画の用途や建築上限を確定するものではありません。Cebu City・建築許可チェックリスト
土地利用計画・用途地域・開発計画は役割が違う
CLUPはComprehensive Land Use Planの略で、市全体の土地利用の方向を示す計画です。Zoning Ordinanceは、その土地利用を規制する条例で、実際の適用を読む際には本文と指定図を組み合わせます。一方、DeveloperのMaster Planは、その事業者が地区内でどのような施設配置や開発を目指すかを示すものです。同じ地図に住宅や商業という言葉があっても、都市計画上の指定と事業者の構想を同一視しないことが基本になります。
Cebu Cityでは、2025年6月に包括的な用途地域条例の改定が議会を通過したことが地元紙で報じられています。したがって、インターネットで見つかる1996年のOrdinance No. 1656だけを、そのまま現在の全ルールとして引用するのは適切ではありません。旧資料は制度の経緯を理解する材料になりますが、現行の適用は改定、発効、承認された指定図まで含めて確認する必要があります。SunStar・2025年6月の改定報道
さらに、2025年12月には計画や条例の手続を問題視する都市計画専門家の意見も報道されています。これは異議が表明されたという情報であり、裁判所が条例を無効と判断したことを意味しません。採決のニュースだけで適用範囲を断定することも、異議のニュースだけで条例を無効と扱うことも避け、個別区画に適用される正式な文書を基準にする必要があります。MYTV・計画手続に関する異議の報道
Commercial・Mixed-use・Open Spaceをどう区別するか
SRPの紹介ではCommercial、Mixed-use、Open Spaceという言葉が繰り返し登場します。しかし、それらが行政上の用途地域名なのか、事業計画の用途説明なのか、施設内の空間を指すのかによって意味が変わります。以下は用語を読み分けるための整理であり、SRP全域に三つの法定区分がそのまま指定されていると示す表ではありません。
| 表現 | 開発紹介での読み方 | 建築ルールとしての確認点 |
|---|---|---|
| Commercial | 店舗、業務、商業用地などの用途説明 | 該当区画の指定と、予定する具体的な営業用途 |
| Mixed-use | 住宅・商業・業務などを組み合わせる計画 | 各用途が許容される条件と建物ごとの許可 |
| Open Space | 公園、緑地、広場、空地などの説明 | 承認図面上の位置・役割と利用条件 |
例えば、City di Mareの公式サイトは住宅、商業、オフィス、Retailを含む複合開発の構想を紹介しています。これは地区の目指す姿を知る一次情報ですが、地区内のすべての土地で、すべての用途が無条件に認められることの証明にはなりません。住宅中心の街区と商業用地では、確認する計画や条件が異なる可能性があるため、地区名から個別区画の建築可否へ飛躍しないことが大切です。City di Mare公式・開発構想
Open Spaceにも同じ注意が必要です。完成予想図に緑色で描かれた場所だけでは、公共公園、私有地内の緑地、建物の周囲に確保する空地のどれかは確定しません。一般に開放されているかという利用上の問題と、建築計画で確保すべき空間かという規制上の問題も分かれます。緑地の宣伝上の割合を、そのまま法定の空地率や建築可能面積の計算に使うことはできません。
Locational Clearanceは、場所と用途を照合する資料
Cebu CityのOffice of the Building Officialが公開するチェックリストは、Locational Clearance、Parking DataとZoning Board Resolution、Barangay Clearanceなどを挙げています。また、土地の登記や税関係の資料も別項目として求めています。書類が分かれていることからも、土地の権利、立地・用途、建物の設計は同じ一つの確認ではないと分かります。実際の提出項目は、新築、改修、申請者と所有者の関係などに応じて、市の最新案内と照合する必要があります。Cebu City OBO・公開チェックリスト
SRPでこの確認を具体的に進めるには、Townshipやモールの名前だけでなく、Lot番号、所在地、敷地図、予定する用途が必要になります。Google Mapsの施設ピンは場所の目安になりますが、登記上の境界や用途地域の指定を代替するものではありません。「SRPの土地」という広い説明を、対象となる一筆と計画内容へ絞ることで、初めて適用ルールの照合ができます。
建築許可と使用開始の許可は同じではない
National Building CodeであるPresidential Decree No. 1096は、第301条で建築許可を扱い、第309条でCertificate of Occupancyを定めています。後者は建物の使用・入居に関わるもので、建物を建てる段階の許可と区別されます。外観が完成したこと、テナント募集が始まったこと、建築許可を持つことだけで、予定する用途の使用開始まで承認されていると判断することはできません。最高裁判所E-Library・PD No. 1096
この区別は、既存建物に新しい用途を入れる場合にも重要です。同法第309条は既存の使用・占有区分の変更にも言及しており、建物が以前から存在することだけで、新たな使い方が自動的に認められるわけではありません。例えば、同じ床を店舗として使うか、別の用途に変えるかでは、確認すべき計画が変わります。市もBuilding PermitとOccupancyのチェックリストを別に公開しています。Cebu City・申請書類案内
ECCは、用途地域や建築許可の代わりにならない
環境手続では、Environmental Compliance CertificateをECC、Certificate of Non-CoverageをCNCと呼びます。DENRのDAO 2003-30は、ECCまたはCNCの発行によって、他法令に基づく政府の許可やClearanceの取得が免除されるものではないと定めています。環境上の手続を終えたという説明と、市がその場所・用途・建物を認めたという説明は分けなければなりません。DENR・DAO 2003-30 第4.2項
また、ECCとCNCは、事業者が都合に応じて自由に選ぶ同じ種類の証明ではありません。EMBのオンライン判定では、事業の種類や条件に沿って制度の対象を確認する仕組みになっています。CNCであっても、他の環境法令への適合が不要になるわけではありません。地区の埋立事業に関する資料と、その上で新たに実施する建築・運営事業の資料についても、対象事業、場所、規模が一致しているかを確認します。EMB・CNCの事業判定
埋立地であることから、高さや建築可能面積は決められない
Reclaimed Landは土地の成立を説明する言葉で、それ自体が「何階まで建てられるか」を示す用途地域名ではありません。建築の判断では、用途に加えて、敷地条件、構造設計、道路との関係、空地や駐車計画などを組み合わせる必要があります。SRP内に高い建物があることも、別区画で同じ高さが認められる根拠にはなりません。周辺の外観を見てルールを逆算するより、対象地と建物の承認資料を読むことが確実です。
特に、建ぺい率に相当する敷地の建築面積割合、容積に関わる指標、Setback、高さなどは、数字だけを切り出さないことが重要です。どの土地、用途、計画、条例版に対応した数値なのかが分からなければ、別の物件へ転用できません。本記事では、SRP全域に共通する上限値を確認できていないため、一律の階数・高さ・空地率は掲載していません。個別の建築可否は、市の担当窓口と設計を担う資格者による区画単位の確認が必要です。
SRPで建てられるものは、区画と事業ごとの資料で決まる

SRPには複合開発が進んでいますが、地区の将来像と個々の建築条件は別の情報です。用途地域・立地確認、Developerの承認計画、建築許可、環境手続、使用開始に関わる資料を、それぞれの役割に沿って読む必要があります。CommercialやMixed-useという言葉だけで建築を判断せず、土地と用途と計画が一致する文書を揃えることが、SRPの建築ルールを理解する基本です。
よくある質問
Mixed-useの地区なら、どの区画でも住宅と店舗を建てられますか?
地区全体の複合用途という説明だけでは判断できません。対象区画の指定、承認された計画、予定する建物用途を照合する必要があります。
ECCを取得していれば、そのまま着工できますか?
ECCは他の政府許可を免除するものではありません。建築許可や立地に関わる確認など、計画に必要な別の手続も満たす必要があります。
SRPの建物は、すべて同じ高さ制限ですか?
本記事では、SRP全域に一律に適用される高さ上限を確認できていません。隣の建物の高さを基準にせず、対象区画と用途に適用される現行規定・承認資料で確認してください。
写真:上空から見たSRP(撮影:Marmar0222/CC BY-SA 4.0)。Wikimedia Commonsより、トリミング・縮小して使用