要点
South Road Properties(サウス・ロード・プロパティーズ、略称SRP)は、セブ市南部の海沿いに広がる約300haの埋立開発地区です。セブ市が進めた埋立事業を基盤に、住宅、商業施設、ホテル、娯楽施設などの開発が進んでいます。SM Seaside City CebuやNUSTAR、City di Mareなどを含む広い地域の名称で、ひとつの施設や不動産会社のプロジェクト名ではありません。SM Prime公式発表
SRPはどこにある?セブ市南部の海沿いに広がる地区

SRPがあるのは、セブ島側のセブ市南部です。市街地の海側に造成された土地に大型開発が集まり、海沿いのCebu South Coastal Roadが地区内外の移動を支えています。マクタン島のリゾート地区とは別の場所で、空港のある島とSRPを同じ地域として考えると位置関係を取り違えてしまいます。
地図を見るときは、まずSM Seaside City Cebu、NUSTAR、City di Mareの名前を探すと、SRPの広がりをつかみやすくなります。ただし、これらは同じ種類の名称ではありません。モール、複合リゾート、複数の用途を組み合わせる開発地区が、それぞれSRPという地域の中に位置しています。
| 名称 | 何を指すか | SRPとの関係 |
|---|---|---|
| South Road Properties/SRP | 埋立開発地区 | 地域全体の名称 |
| Cebu South Coastal Road | 幹線道路 | SRPを通り、周辺地域につなぐ道路 |
| City di Mare | 複合開発地区 | SRP内でFilinvestが開発 |
| South Coast City | 複合開発地区 | SRP内でSM・Ayala系が開発 |
| SM Seaside City Cebu | ショッピングモール | SRP内の主要商業施設 |
| NUSTAR | 複合リゾート | SRPのKawit側に立地 |
この区別が分かると、住所に「SRP」と書かれていても、建物の入口まで特定できるわけではないことが理解できます。訪問先を検索するときは、地区名に加えて施設名や建物名を確認するのが基本です。特に複合開発地区では、その中の住宅、商業施設、イベント会場によって目的地が変わります。Filinvest公式、SM Seaside公式、NUSTAR公式
「約300ha」は地区の規模を示す数字
SRPは一般に「300haの埋立地区」と紹介されます。面積を換算すると約3平方キロメートルで、個別のモールや住宅開発の敷地より大きな単位です。SM Primeの公式発表でも、セブ市の300haの埋立事業という説明が使われています。SM Prime公式発表
一方、JICAの事後評価資料では、埋立事業の実績面積が約296haと整理されています。この数字には海岸道路部分の24haが含まれており、「約300haのすべてが民間向けの建築用地」という意味ではありません。SRPの概要には約300haという表現が使えますが、土地取引や個別開発の面積を比較するときは、資料が何を数えているのかまで確認する必要があります。JICA事後評価報告書・埋立事業の計画/実績比較
また、SRP全体の面積と、その内部にあるCity di MareやSouth Coast Cityの面積を足すことはできません。地区全体と内部の開発区域では、数字の階層が異なるためです。モールの延床面積も土地面積とは別なので、大きさを比べる際は「地区」「敷地」「建物」のどれを示す数値かをそろえることが大切です。
なぜ埋め立てたのか?出発点は都市の経済基盤づくり
SRPの成立を調べると、South Reclamation Projectという名称が登場します。現在のSouth Road Propertiesという地区名に対し、こちらは埋立事業の経緯をたどる際に使われる名称です。JICA資料では、産業用地の需要に応えることや、開発が遅れていたセブ南部の経済活動を促すことが事業の背景として説明されています。
つまり、現在目立つモールやホテルだけを造るために始まった開発ではありません。埋立によって土地を確保し、道路などの基盤と組み合わせて都市の成長を支えることが出発点でした。日本の円借款を活用した事業でもあり、JICAの評価では埋立事業の土木工事完了を2004年12月としています。ただし、これは現在の商業施設や住宅まで一斉に完成した時期ではありません。JICA事後評価報告書・事業背景と実施期間
その後の計画では、商業や住宅を含む都市開発の方向性が明確になっていきます。都市インフラの事業準備を支援するCDIAは、SRPを新たな中心業務地区として構想し、交通や上下水道などの整備を検討しました。埋立で土地を造る段階と、その土地に街の機能を整える段階を分けると、SRPの変化を理解しやすくなります。CDIA・SRPの都市サービス/公共交通に関する事業概要
主要な開発地区と施設はどうつながっている?
City di Mareは、FilinvestがSRP内で展開する複合開発地区です。公式サイトでは住宅、商業、業務などを組み合わせる街として紹介され、海沿いの商業施設IL Corsoもこの開発を理解するうえで重要な存在です。「City di Mareへ行く」と「IL Corsoへ行く」では目的地の具体性が異なり、前者が街の名称、後者がその中の施設名という関係になります。Filinvest・City di Mare公式
South Coast Cityは、SM Prime、Ayala Land、Cebu Holdingsによる共同開発地区です。Cebu地元メディアのMyCebuでも、26haの開発として紹介され、内部の商業区画やイベント関連施設などの計画が説明されています。SRP全体、South Coast City、その内部の区画・施設という順に読むと、開発ニュースに複数の名称が出てきても整理できます。MyCebu・South Coast Cityの開発紹介
SM Seaside City Cebuは、SRP内の大型ショッピングモールです。買い物や食事の行き先として知られていますが、モールの名称をSRP全体の名称として使うことはできません。また、SMが関わる周辺開発があっても、すべてがモールの館内施設というわけではなく、建物や事業ごとの区別が必要です。SM Seaside City Cebu公式ディレクトリ
NUSTARは、公式住所にKawit Island、South Road Propertiesと記載される複合リゾートです。ホテル、飲食、商業、娯楽、イベントなどの機能を持ち、SRPの海側を把握する際の目印にもなります。地図や資料にKawitという地名が出てきた場合は、NUSTARの位置と照らし合わせると、地区内の方向を理解しやすくなります。NUSTAR公式
Cebu South Coastal RoadとSRPは何が違う?
Cebu South Coastal Roadは、SRPを通る幹線道路です。SRPが開発された土地・地区を指すのに対し、道路はその地区へのアクセスと周辺都市間の移動を担います。両者は開発の経緯でも密接に関係していますが、埋立事業の面積や完成時期と、道路事業の延長や完成時期は分けて読む必要があります。JICA・セブ南部埋立/海岸道路事業の評価資料
位置関係としては、セブ市中心部側から南のTalisay方面へ向かう軸にSRPがあります。さらに、Cebu–Cordova Link Expressway、通称CCLEXが、セブ市のSRPとマクタン島のCordovaを結びます。フィリピン政府の開通関連発表でも、この両端の関係が明記されており、SRPがセブ島南部とマクタン島側を結ぶ交通上の接点になっていることが分かります。フィリピン大統領広報局・CCLEX開通関連発表
ただし、道路がつながっていることと、目的の建物へすぐ入れることは別です。地区内の施設を訪ねる際は、施設側の入口や乗降場所まで確認してください。「SRPまで」の経路だけで調べるより、最終目的地を指定した方が、到着後の移動を把握しやすくなります。
市の埋立事業から、複数の事業者が開発する街へ
SRPの基盤を造った主体と、現在の各施設を開発・運営する主体は同じではありません。例えばCity di Mareの公式説明には、セブ市とFilinvestによる共同事業部分と商業部分が示されています。一方、SM Primeの2015年の発表では、SM・Ayala側の共同事業体が市の土地入札で区画を取得した経緯が説明されています。City di Mare公式・開発概要、SM Prime・土地取得発表
このため、「SRPは誰のものか」という問いに、ひとつの会社名だけで答えることはできません。地域の成立、土地の保有・取引、建物の開発、施設の運営を分けて見る必要があります。利用者にとっても、問い合わせ先や施設ルールはSRP全体で共通とは限らず、訪問する施設ごとの案内が基本になります。
SRPは完成した街なのか?
SRPにはすでに利用できる商業施設や宿泊施設がある一方、開発計画が段階的に進む部分もあります。例えばSMの2026年8月の公式記事では、SM Seaside周辺の商業・娯楽機能を紹介しつつ、SMXについては今後の施設として説明しています。同じ地区の紹介文に登場していても、営業中の施設と将来計画を同列に扱うことはできません。SM Supermalls・2026年8月5日の開発紹介
「新しいCBD」という表現も、地区の方向性を示す言葉として読むのが適切です。CDIAの計画資料では、建物の誘致だけでなく、公共交通、水、排水、電力、廃棄物処理などが検討対象になっています。街としての使いやすさは施設数だけでは決まらず、日常生活や事業活動を支える仕組みも含めて見る必要があります。CDIA・SRPの都市基盤計画
SRPを理解するための基本

SRPは、セブ市が造成した約300haの土地を基盤に、複数の開発地区や施設が集まる都市開発エリアです。まず地区全体の位置を押さえ、次にCity di MareやSouth Coast City、さらに目的の建物という順に確認すると、地図も開発ニュースも読みやすくなります。現在利用できる施設と将来の計画を区別することが、変化を続けるSRPを正確に知るための基本です。
よくある質問
SRPはショッピングモールの名前ですか?
SRPは地区名です。SM Seaside City CebuやIL Corsoなどは、その地域にある個別の商業施設です。訪問先を調べる際は、SRPに加えて施設名を指定してください。
SRPはマクタン島にありますか?
セブ島側のセブ市にあります。マクタン島のCordovaとはCCLEXで結ばれています。空港やマクタン島のホテルから向かう場合も、目的地はセブ市側です。
「2004年完成」は現在の街全体の完成を意味しますか?
JICA資料にある2004年12月という時期は、埋立事業の土木工事完了を指します。その後のモール、ホテル、住宅などの開発とは別です。現在の施設を利用できるかどうかは、各施設の最新案内で確認してください。
情報確認日:2026年9月7日。 歴史・事業面積はJICA資料、地区・施設の概要は開発会社と運営会社の公式情報を中心に確認し、Cebu地元メディアの掲載情報を照合しています。
写真:SM Seaside City Cebuと海沿いの道路(撮影:Øyvind Holmstad/CC BY-SA 4.0)、上空から見たSRP(撮影:Marmar0222/CC BY-SA 4.0)。Wikimedia Commonsより、トリミング・縮小して使用