こんにちは、ナビセブ編集部の谷口まりです。親子でセブに移住しました。観光とグルメの記事を担当しています。
Wallet and money 20170827 — Santeri Viinamäki / CC BY-SA
この記事は、セブ島留学中の生活を一人称のモデルケースとしてまとめたものです。セブでATMを使うと、₱1,000札が出てくることがあります。でも実際の生活では、コーヒー₱80、ランチ₱99、水₱30、バス₱49のような小さな支払いが多くなります。
そこで気になるのが、₱1,000札しか持っていなかったら本当に普通に使えるのか、という点です。今回は₱1,000札5枚、合計₱5,000からスタートし、10回の現金払いを想定します。
それぞれの支払額、出した紙幣、本来のお釣り、最後に財布へ何枚の小額紙幣が残るかまで、全部計算します。あわせて、2026年8月現在のBSPの公式情報も確認します。
ナビセブ編集部のまとめ
₱1,000札は法定通貨として使えます。ただ、₱80や₱30の支払いではお釣りが大きくなります。最初の数回で₱100・₱50・₱20に崩しておく方が使いやすいです。
背景と前提
2026年8月現在、フィリピンでは₱1,000、₱500、₱100、₱50のポリマー紙幣が流通しています。紙のNew Generation Currency紙幣も引き続き法定通貨で、ポリマー紙幣と並行して流通しています。 (bsp.gov.ph)BSPは、紙の紙幣もポリマー紙幣も支払いに使用でき、折りたたまれていても受け取らなければならないと案内しています。 (bsp.gov.ph)
一方、店舗にはRepublic Act No. 10909(No Shortchanging Act)により、正確なお釣りを渡す義務があります。キャンディなどをお釣り代わりにすることも禁止されています。 (dti.gov.ph)つまり制度上は、「₱1,000札だから使えない」ということはありません。
ただ実生活では、₱80や₱30の支払いに₱1,000を出すと、お釣りは₱920、₱970と大きくなります。そのため小さな店では、“Do you have smaller bills?”と聞かれることがあります。
スタート|₱1,000札5枚
=₱5,000です。小額紙幣も硬貨も0枚です。かなり使いにくそうです。
支払いごとの記録

PICKUP COFFEEのKape Kastilaは₱80です。₱1,000札を出すと、お釣りは₱1,000 − ₱80=₱920です。お釣りの内訳は、例えば次のようになります。
₱50 × 4
₱20 × 1
=₱920です。1回目の支払いだけで、小額紙幣が一気に増えます。支払い前は₱1,000札しかありませんでしたが、支払い後は₱100札、₱50札、₱20札ができます。つまり、最初の一回を大きめの店で崩せれば、その後はかなり楽になるということです。
Mang InasalのRegular Chicken+1 Riceは₱99です。ここでは、先ほどのお釣りから₱100札を出します。お釣りは₱1で、₱1硬貨が1枚です。ここでのポイントは、₱1,000札を出す必要がないことです。
最初に一度崩せれば、次からは小額紙幣を使えます。10回全部で₱1,000札を出すという想定では、実生活として不自然です。今回見るのは、₱1,000札5枚から始めた財布が、どう小額紙幣に変わっていくかです。
ただ今回は、硬貨がまだ₱1しかないので₱100札を出します。お釣りは₱70で、例えば次の内訳になります。
₱20 × 1
Mactan Newtown–IT Park間のバスの公開運賃は₱49です。ここでは₱50を出し、お釣りは₱1です。ここで小額紙幣の価値が分かります。もしまだ₱1,000札しかなかったら、₱49のバスで₱951のお釣りが必要になります。
公共交通機関では、特に小額紙幣を持っていた方が使いやすいです。モールやホテルで大きな紙幣を崩してから、バスや小さな売店へ行く方が現実的です。
軽食は₱50です。今度は₱50札をそのまま出すので、お釣りは₱0。一番簡単です。
Shantee Steak Bowlは₱165です。₱100札2枚(計₱200)を出すと、お釣りは₱35で、例えば次の内訳になります。
価格は商品によって違いますが、ここでは小さな日用品を₱22と想定します。₱50を出すと、お釣りは₱28で、例えば次の内訳になります。
PICKUP COFFEEのWhite Mochaは₱105です。₱100札2枚(計₱200)を出すと、お釣りは₱95で、例えば次の内訳になります。
最後は₱200です。₱100札1枚と₱50札2枚でぴったり払うので、お釣りは₱0。これで10回の支払いが終わりです。10回の支払額を全部並べると、次のとおりです。
| 回 | 支払い | 金額 | 出した額 | お釣り |
|---|---|---|---|---|
| 1 | コーヒー | ₱80 | ₱1,000 | ₱920 |
| 2 | ランチ | ₱99 | ₱100 | ₱1 |
| 3 | 水 | ₱30 | ₱100 | ₱70 |
| 4 | バス | ₱49 | ₱50 | ₱1 |
| 5 | 軽食 | ₱50 | ₱50 | ₱0 |
| 6 | 夕食 | ₱165 | ₱200 | ₱35 |
| 7 | 日用品 | ₱22 | ₱50 | ₱28 |
| 8 | ドリンク | ₱45 | ₱50 | ₱5 |
| 9 | コーヒー | ₱105 | ₱200 | ₱95 |
| 10 | 食事 | ₱200 | ₱200 | ₱0 |
支出の合計は、80
+99
+30
+49
+50
+165
+22
+45
+105
+200=₱845です。スタート時の₱5,000から引くと、残金は₱5,000 − ₱845=₱4,155です。
₱1,000札は何枚残るでしょうか。最初は5枚で、最初のコーヒーで1枚使いました。その後は小額紙幣を使うので、₱1,000札は4枚残ります。つまり一回崩しただけでも、日常の小額の支払い10回をかなり処理できます。
大事なのは、最初のお釣りの₱920です。これが、その日一日の小銭の元手になります。たとえば、
₱50×4
₱20×1
という形なら、この後がかなり使いやすくなります。では、「₱1,000札は使いにくい?」への答えです。₱1,000札は法定通貨なので、使えます。BSPは、紙とポリマーの紙幣が支払いに使用できると明記しています。 (bsp.gov.ph)ただ、小額の支払いでは使いにくいことがあります。
理由は紙幣の価値ではなく、必要なお釣りが大きいからです。₱80のコーヒーに₱1,000を出すと、お釣りは₱920。お釣りの割合は次のとおりです。
=92%です。お釣りは支払額の11.5倍になります。₱30の水なら、₱1,000 − ₱30=₱970で、お釣りの割合は97%です。小さな店で嫌がられやすい理由が分かります。
₱49のバスなら、₱1,000 − ₱49=₱951のお釣りが必要です。交通機関では特に、小銭を持っておく意味があります。では、DTIのNo Shortchanging Actとは何でしょうか。フィリピンではRepublic Act No. 10909により、事業者は消費者に正確なお釣りを渡す義務があります。
DTIの実施規則では、正確なお釣りを渡すこと、キャンディなどをお釣り代わりにしないことが定められ、小額紙幣や硬貨の不足を理由にお釣りを少なく渡すことは禁止されています。 (dti.gov.ph)つまり、₱99の会計で「₱100でいいですよね」と勝手に₱1を返さないのは、制度上正しくありません。
₱1でもお釣りはお釣りです。例えばランチが₱99で₱100を払えば、お釣りは₱1です。わずか₱1でも、DTIのNo Shortchanging Actでは、小額でもお釣りを少なく渡すことは禁止されています。 (dti.gov.ph)キャンディで返すのもNGです。
以前フィリピンでは、「硬貨がないからキャンディで」という話を聞くことがありました。しかしNo Shortchanging Actでは、お金以外のものをお釣りとして渡すことは禁止されています。 (dti.gov.ph)現在の正式なルールは、正確な金額のお釣り(Exact monetary change)です。
ポリマーの₱1,000札も使えるのでしょうか。答えは「はい」です。BSPのFirst Philippine Polymer Banknote Seriesは、₱1,000、₱500、₱100、₱50の4種類です。 (bsp.gov.ph)紙の紙幣も、引き続き法定通貨です。
ポリマーと紙の紙幣は、同時に使えます。BSPはFirst Philippine Polymer Banknote Seriesについて、同じ額面の紙の紙幣と並行して流通させるとしています。 (bsp.gov.ph)つまり財布に紙の₱100とポリマーの₱100が混じっていても、問題ありません。
折れたポリマー紙幣は使えないのでしょうか。これも誤解があります。BSPのFAQでは、“Folded polymer or paper banknotes must still be accepted.”と明記されています。 (bsp.gov.ph)財布に折って入れること自体で、罰則を受けることもありません。
ただし、紙幣を傷めないように扱うことは推奨されています。ポリマー紙幣にアイロンをかけてはいけません。BSPは、ポリマー紙幣にアイロンをかけないこと、高温にさらさないことを案内しています。 (bsp.gov.ph)留学生がわざわざアイロンをかけることはないと思いますが、知識として紹介しておきます。
現在のポリマー紙幣は4種類で、2026年8月現在、₱1,000、₱500、₱100、₱50です。 (bsp.gov.ph)₱200と₱20はポリマー紙幣のシリーズには含まれていません。紙の₱200は法定通貨として残っています。 (bsp.gov.ph)小額紙幣で持つなら、どれが便利でしょうか。
=₱200で、合計₱900です。これくらい小額紙幣があると、かなり使いやすくなります。これはナビセブの生活モデルでの一例です。では、₱1,000札は何枚持てばよいでしょうか。例えば現金₱5,000なら、
₱500 × 2
₱100 × 10
₱20 × 25
のように分散させた方が、日常生活では使いやすくなります。ただし、これは一例です。大きい紙幣は、ホテルやモールで崩しておきます。小さな店で₱30の支払いに₱1,000を出すより、ホテル、大きなレストラン、モール、スーパーで大きい紙幣を使い、小銭を作ります。
ATMから全部₱1,000札で出てきたら、そのまま小さな売店へ行かず、最初の支払いをモール、レストラン、コンビニなどにします。そこで小額紙幣に変えるという流れが現実的です。
「両替してください」とだけ頼むより、買い物で崩す方が自然です。何も買わずに“Can you change ₱1,000?”と聞くより、必要なコーヒーや水などを買ってお釣りを受け取る方がよいでしょう。
お釣りの待ち時間はどのくらいでしょうか。ここは実測していないため、「平均○秒」とは書きません。店のレジにある釣り銭の量、時間帯、支払額によって変わります。
小額紙幣を求められる割合も同じです。“Do you have smaller bills?”と実際に言われる回数は、現地で10回支払ってみないと分かりません。
そのため、「10回中4回言われた」のような架空の数字は書きません。今回確かに言えるのは、支払額、必要なお釣り、BSPとDTIのルールです。この記事では数字を具体的に出しますが、実際に起きていない出来事の数字は作りません。
それでも、役立つ数字はあります。例えば、コーヒー₱80に₱1,000を出すとお釣りは₱920、水₱30なら₱970、バス₱49なら₱951、ランチ₱99に₱100を出すと₱1です。
これだけでも、どの支払いで小額紙幣が必要かがかなり分かります。お釣りを確認するのは失礼ではありません。フィリピンには正確なお釣りを求める法律があるので、レシートとお釣りを確認するのは普通のことです。
ただし、レジ係を疑うような態度ではなく、普通に確認します。お釣りが足りなかったときは、どうすればよいでしょうか。例えば会計が₱165で₱200を払い、本来₱35のお釣りのところ₱30しか返ってこなかったら、“Sorry, I think the change should be thirty-five pesos.”と確認します。
お金のやりとりで使う英語は、数字が中心です。使う英語は簡単で、“Do you have change for one thousand?”“Do you have smaller bills?”“Is this correct?”“I think the change should be…”などです。
難しい英会話ではありません。レジ係から“Do you have smaller bills?”と聞かれたら、持っていれば“Yes.”、なければ“Sorry, I only have one thousand.”と答えます。
ポリマーの₱1,000札を拒否されたら、どうすればよいでしょうか。本物の紙幣で法定通貨なのに、単にポリマーであることや折れていることを理由に拒否された場合について、BSPは受け取る必要があると案内しています。 (bsp.gov.ph)
苦情の窓口は、事業者についてはDTI、銀行などはBSP、公共交通機関はLTFRBという案内もあります。 (bsp.gov.ph)ただし、「お釣りがない」と「紙幣を認めない」は別の話なので、分けて考えます。「ポリマーだから拒否する」のと、「レジに₱920のお釣りが十分にない」のとでは違います。
後者は現場のお釣りの問題です。No Shortchanging Actは店側に正確なお釣りを渡す義務を課していますが、実生活では小額紙幣を出せるなら出した方が、会計は速くなります。
最後に財布の中身を計算します。スタートは₱5,000、支出は₱845、残りは₱4,155です。内訳は実際のお釣りの組み合わせによって変わります。ただし、₱1,000札4枚は使っていないので、残りの₱155が小額紙幣や硬貨として残る計算です。
=₱4,000です。残りの合計は₱4,155なので、小額紙幣と硬貨の合計は₱155です。一日の最後には、小額紙幣が少なくなりました。最初のコーヒーで₱920のお釣りを作りましたが、10回使った結果、最終的な小額紙幣と硬貨の合計は₱155です。
つまり、次の日も現金で生活するなら、また大きい紙幣を一度崩す必要が出てきます。
2026年8月のフィリピンの紙幣
ポリマー紙幣:₱1,000、₱500、₱100、₱50
紙の紙幣(NGC):₱1,000、₱500、₱200、₱100、₱50など
いずれも現行の法定通貨です。ポリマー紙幣と紙の紙幣は並行して流通しています。 (bsp.gov.ph)
今日分かったこと
₱1,000札は使えます。2026年8月現在、₱1,000は現行の法定通貨で、ポリマーと紙の両方が流通しています。 (bsp.gov.ph)BSPは、折れた紙の紙幣やポリマー紙幣も、支払いで受け取る必要があると案内しています。 (bsp.gov.ph)また店舗側には、No Shortchanging Actにより正確なお釣りを渡す義務があります。 (dti.gov.ph)
ただ、制度上使えることと、日常で使いやすいことは別でした。₱80のコーヒーに₱1,000を出すと₱920、₱30の水なら₱970、₱49のバスなら₱951のお釣りが必要です。だから日常生活では、₱100、₱50、₱20を持っている方が圧倒的に楽です。
今回の10回の支払いモデルでは、スタートが₱5,000、支出が₱845、残りが₱4,155でした。一度大きな店で₱1,000札を崩し、その後小額紙幣を使えば、10回の小額の支払いでも₱1,000札を何度も出す必要はありません。
だからセブで現金を使うなら、ATMでお金を引き出した直後に、小額紙幣を少し作っておく。これが一番実用的だと思います。お金についての記事は、次回が最後です。
ここまで、₱1,000で過ごす1日、₱5,000で過ごす1週間、ATM、DCC、GCash、Wise、現金のお釣りについて見てきました。最後は全部をまとめます。
セブ留学1か月で、自由に使うお金はいくら必要でしょうか。学費、宿泊費、学校の食事は除き、コーヒー、外食、Grab、バス、買い物、週末、娯楽、緊急用の予備費を全部足します。
