マンツーマン授業ではグループ授業より発話機会を作りやすい一方、50分間ずっと学生が話すわけではありません。教師の説明、読解、筆記、思考、発音の聞き比べにも時間を使います。
授業数だけでSpeaking量を判断せず、50分をStudent Talk、Teacher Talk、Silent Work、Transitionへ分けて測ります。
要点
Student Talk Ratioは「学生が英語を話した分数÷実際の授業時間×100」です。計画例ではConversationが27分・54%、Grammarが16分・32%、Readingが12分・24%。3コマ150分の合計では55分、約36.7%です。ただし、発話率が高いほど必ず良い授業という意味ではありません。
50分を4種類の時間に分ける
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| Student Talk | 学生が英語を話している時間 |
| Teacher Talk | 教師が説明、質問、例示している時間 |
| Silent Work | 読む、書く、考える時間 |
| Transition | 教材準備、接続確認、活動切り替え |
Student Talkを2種類に分ける
Spontaneous Talk
自分で内容と表現を組み立てる意見、説明、質問、自由会話です。
Controlled Talk
教材の音読、教師の後に続く発音練習、決められた文型の反復です。
どちらも必要ですが学習目的が違うため、内訳を分けると授業の特徴が見えます。
Teacher Talkは少ないほど良いとは限らない
教師の説明、発音の手本、質問、訂正、会話例は必要なInputです。問題は、理解済みの内容を長く説明し続けたり、学生が答える前に教師自身が答えたりする場合です。
教師の時間だけでなく、その後に学生の発話や訂正後の言い直しが生まれたかを見ます。
Silent WorkとTransitionを区別する
読む、考える、書く、訂正を確認する沈黙は学習時間です。初心者には答えを組み立てる時間が必要で、教師が待たなければ発話はさらに減ります。
教材やページ探し、ログイン、音声待ち、事務連絡、機器調整はTransitionです。英語の挨拶が会話として成立していればTalkへ含められます。
授業タイプ別の50分測定例
| 授業 | Student Talk | Teacher Talk | Silent Work | Transition | Talk Ratio |
|---|---|---|---|---|---|
| Conversation | 27分 | 14分 | 6分 | 3分 | 54% |
| Grammar | 16分 | 22分 | 9分 | 3分 | 32% |
| Reading | 12分 | 18分 | 17分 | 3分 | 24% |
Conversationの27分はSpontaneous Talk 22分、Controlled Talk 5分という内訳です。Readingは黙読があるため、発話率だけで良し悪しを判断できません。
3コマ150分でStudent Talkは55分
27分+16分+12分=55分で、55÷150×100=約36.7%です。この数字を学校全体の平均にはできません。教師、教材、レベル、目的、体調で変わるため、異なる授業を最低3コマ、可能なら別の日にも測ります。
8コマすべてへ同じ比率を掛けない
| 授業タイプ | 主に測る内容 |
|---|---|
| Conversation | Spontaneous Talk |
| Grammar | 説明後の例文作成と言い直し |
| Pronunciation | Controlled Talkと訂正 |
| Reading | 音読、黙読、内容説明 |
| Listening | 聞いた後の応答 |
| Test Preparation | 問題演習と解説 |
発話時間と内容を一緒に測る
- 新しい表現を使った回数
- 教師へ質問した回数
- 訂正を受けた回数
- 訂正後に言い直した回数
- 1分以上続けて説明した回数
30分話しても簡単な表現だけを繰り返す場合があります。一方、15分でも新しい表現、発音訂正、正確な言い直し、集中したInputが含まれる場合があります。
Student Talkが短い原因を3回以上測る
ListeningやReading中心、質問を理解できない、語彙不足、教師の説明が長い、回答を待たない、教材が難しい、体調不良、機器準備など複数の原因があります。一度だけで教師の問題と決めず、同じ原因が繰り返すかを見ます。
発話を増やす目的を教師へ具体的に伝える
- “I’d like to speak more today. Please give me time to finish my answer.”
- “After you correct me, please let me say the full sentence again.”
- “I’d like to ask at least three questions during the lesson.”
Teacher Talkを減らすという抽象的な依頼より、学生が行いたい行動を伝える方が授業へ反映しやすくなります。
測定方法は2種類
授業後の5分単位記録
記憶をもとに4分類を5分単位で記録します。精度は限定されますが、録音せず続けられます。
許可を得た録音・計測
学校と教師の明確な許可を得て録音し、後から測ります。音声には個人情報が含まれるため、保存、分析、共有、削除の方法を確認します。許可がなければ録音しません。
比較するときは測定条件を併記する
- 実際の授業時間
- 学生の英語レベル
- 教材・科目
- マンツーマンかグループか
- 測定日と授業数
- 録音か自己記録か
- SpontaneousとControlledの内訳
条件を示さずStudent Talk Ratioだけを学校ランキングに使用してはいけません。
学校を決める前に確認したい7項目
- マンツーマンで行う活動
- Conversation中心科目
- 教師が回答を待つ時間
- 訂正後の言い直し
- 発話量を相談できるか
- 教材・難易度の変更
- 授業録音の規則
NAVICEBUの結論
50分のマンツーマンでも、測定例ではConversation 27分、Grammar 16分、Reading 12分とStudent Talkが異なります。3コマ合計は55分、約36.7%です。
測定の目的はTeacher Talkをなくすことではありません。学生が英語を使うべき授業で、質問、訂正、言い直しを個別に調整できているかを確認することです。
参考情報
情報確認日:2026年8月
主な確認先:
British Council「English teachers, are you talking too much in class?」
Cambridge University Press「Interaction and instructed second language acquisition」