在セブ日本国総領事館・山地秀樹総領事インタビュー

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2022年7月6日

(写真左)山地 秀樹 総領事・(写真右)矢冨 利夫領事


皆様が安全に安心して生活できるような様々なサービスを提供していきたい

新型コロナウィルス感染拡大や台風22号(フィリピン名:Odette オデット)による被害等、立て続けに襲った困難から少しずつ日常を取り戻しつつあるフィリピン・セブ島。ビサヤ地域を管轄する在セブ日本国総領事館・山地秀樹総領事及び矢冨 利夫領事にご協力をいただき、在留邦人の方々へのメッセージ、今後の取り組み等について取材をさせていただきました。

 

・2021年1月より領事事務所から総領事館に格上げされたことで、在住者が利用できる新たなサービスやメリットなどありますか?

山地総領事 個人利用者の観点からは、領事関係のサービスにおいて領事事務所と総領事館で特に大きな違いはありません。市役所とその出張所で同じ住民サービスを提供しているのと同様に、基本的な機能は変わりません。しかしながら、一般的に総領事館のほうが人員の面で規模が大きくなりますので、対応能力に余力ができます。領事事務所ですとスタッフの人数が少ないため、邦人に対する事件が起きた際に、そちらで手一杯となる可能性もありますが、人員が多ければ余裕をもった対応が可能となります。

 

また、総領事であれば、領事よりも、フィリピン側のより高い役職の人物に接触が可能となりますので、経済、科学、文化等の懸案事項があったときに問題解決能力が上がります。企業、学校、その他邦人にとってビジネスがスムーズになることが大きなメリットになるのではないでしょうか。いずれにせよ、セブにいる邦人の方々からのご意見を踏まえて、サービスを高め充実したものにしていきたいと考えています。

 

・セブ島から離れた地域に住んでいる方向けに、総領事館へ行かなくてもオンライン上で申請できるようなサービスはありますか?今後デジタル化されるサービスはありますか?

山地総領事 現在、旅券申請やマイナンバーカードの国外継続利用など領事サービスのデジタル化は外務省でも検討しているところです。遠隔地に在留する方々へのサービスの拡充というのは重要な課題だと認識していますし、ネグロス、レイテ各州にも邦人の方がいらっしゃいますので、そういった遠隔地の方向けに、まずは領事出張サービスが提供できないか検討している段階です。

 

・今後、セブ島観光はコロナパンデミック前のように回復すると思われますか?

山地総領事 観光分野の専門家ではないので詳しくありませんが、観光業界では、2024年頃に本格回復するのではないかという予測がされているとの報道に接したことがあります。総領事館としては、日本とフィリピンの関係の幅を広げ、観光、投資など、経済を拡大させていくのも任務の1つですので、観光業が回復に向かうように、支援できるところはしていきたいと考えています。

 

・日本帰国時のPCR検査は今後も継続されるのでしょうか?

山地総領事 現在、日本では新規感染者の数が毎日1万人を大きく超えている状況が続いているので、国民の生命を守るという観点から、外国から入国する方へのPCR検査を簡単に取りやめることは難しいかと思います。海外では入国規制が緩和されてきているところもありますが、他国が規制緩和されているからと言って、日本も緩やかにできるかというと、そこの判断は慎重にならなければならないかと思います。死亡率が下がってきてるとはいえ、実際に死亡者がゼロではないので、規制緩和は慎重にならないといけないと思いますね。ただ、もう少し新規感染者の数が減少し、安定してくれば状況も変わってくるかと思います。

 

・セブ島の印象はいかがですか?

山地総領事 セブの熱気、人々のリラックスした歩き方、町で売られている南国フルーツを見たときに、東南アジアを感じましたね。また、南からの太平洋高気圧が日本に暑い夏をもたらすことを考えると、その南にある赤道近くのフィリピンは更に暑いのかな?と思っていましたが、実際降り立ってみると、気温は25℃〜32℃と安定していて、常夏とはいえ過ごしやすいと感じました。街中は、人々の行きかいも活発になってきているように思われますし、経済活動も復調の兆しを見せ始めていると感じますね。

 

・今後訪れてみたい場所はございますか?

山地総領事 フィリピン・セブ島をよく知るためにも、各地を見て回りたいと思っています。グウェンドリン・ガルシア州知事を表敬訪問した際、「モアルボアルは、最高級のダイビングスポット」とおっしゃっていたので、一度訪れてみたいと思っています。他にもジンベイザメのスポットでもあるオスロブなど、セブ島の数々の観光資源を訪れて、理解を深めたいと思っております。

 

・休日はどのように過ごされていますか?

山地総領事 テニスが趣味なので、時間がある時はテニスで汗を流しています。テニスができる場所を探しているので、良いところがあったらお聞きしたいです。

また、土・日のうちのどちらか一日は、職場にて、総領事館のホームページやフェイスブックの改訂作業を行っています。フィリピン・セブの歴史を調べて理解を深めたり、セブでの体験や、セブと日本との繋がりについて、皆様向けに「セブ便り」を書いて発信しておりますので、ぜひご覧ください!(現在は第3回まで公開されています。)

 

山地総領事ご自身が書かれている「セブ便り」はこちら

https://www.cebu.ph.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00369.html

 

◆セブ便り第 1回

 「フィリピン史の始まりはセブにあり。ーマゼランの来訪」(2022.6.1)

◆セブ便り第 2回 

 「フィリピン史の始まりはセブにあり。ーラプラプの戦い」(2022.6.16)

◆セブ便り第 3回

「フィリピン史の始まりはセブにあり。-レガスピによるセブ植民地化」 (2022.7.1)

 

・最後に、在住者へのメッセージをお願いします。

山地総領事 私の大切な仕事は、日本とフィリピンの関係を幅広いものにし、皆様が安全に、安心して生活できるよう様々なサービスを提供することです。何かお困りのことがあれば遠慮なく総領事館へご相談にいらしてください。

 

<取材を終えて >

昨年、 2Quad ビルの8階に移転した日本国総領事館。建物の入口には、フィリピンへの敬意を表したフィリピン国旗と、堂々たる日の丸が掲げられており、日本人として大変誇らしく感じました。また、今回の取材を通して私たちが日ごろから安心して海外で生活ができているのも総領事をはじめ総領事館の皆様のご尽力のおかげだと改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました!

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