LCICで日本とセブを結ぶ文化交流イベント「結ぶ 2025」開催
2025年11月8日(土)、Lapulapu-Cebu International College(LCIC)にて、日本とセブをつなぐ文化交流イベント「結ぶ(MUSUBU 2025)」が開催されました。

「結ぶ MUSUBU」のロゴ。テーマは“Intertwining Japan and Philippine Culture”。
LCICの外国語学部では、日本語教育だけでなく、日本文化の教育にも力を入れています。同イベントは、学生や地域社会の人々に日本文化への理解を深めてもらうとともに、LCICを拠点とした日比間の継続的な文化交流を育むことを目的としており、昨年に続く2回目の開催となりました。
当日は台風25号(カルマエギ)の影響によりプログラムを一部変更し、14時からの日本語模擬授業からスタート。18時からは校内の「TSUNEISHI HALL」において、LCICの生徒や高校生ダンサーによるフィリピン伝統舞踊、日本から来比した日本舞踊と和楽器のユニット「花響(Hanayura)」によるパフォーマンスが行われました。会場には松尾秀明・在セブ日本国総領事の姿も見られました。
オープニングでは、LCIC副学長のDr. Angelo Maduli氏がスピーチを行い、「学生たちが文化を通して互いを理解し合う場を持てることは、教育機関として非常に意義深いことです」と述べました。

オープニングスピーチを行うLCIC副学長のDr. Angelo Maduli氏。
続いて、Japanese Coordinatorの辻徹氏が登壇し、「こうした文化交流が両国友好の礎になることを願っています」と挨拶しました。

Japanese Coordinatorの辻徹氏による挨拶。
続くステージでは、「Karatong(カラトン)」」「Bahandian(バハンディアン)」といったフィリピンの伝統舞踊のパフォーマンスが披露されました。Karatongを踊ったのはLCICのダンス部「Dance Troupe」、Bahandianを踊ったのは地域の高校「Proverb」のダンサーたちです。今回は初の試みとして、高校生とのコラボレーションも実現しました。カラフルな衣装と軽快な音楽に合わせた踊りが観客を魅了し、会場は一気に明るく活気づきました。

LCICのダンス部員によるフィリピン伝統舞踊「Karatong(カラトン)」。パラワン州カラミアン諸島に伝わる祝祭の踊り。

Bahandian(バハンディアン)。西ビサヤ地方に伝わる民族舞踊で、「感謝」と「誇り」がテーマ。
続いて、学生たちと花響(Hanayura)がコラボレーションした「さくらさくら」の演奏と踊りが披露されました。箏の音色に合わせ、浴衣姿の学生たちが扇を手に舞い、日本の春の情景を会場に届けました。

学生たちと「花響(Hanayura)」がコラボレーションした「さくらさくら」の踊りと演奏。
メインとなる花響(Hanayura)による日本舞踊と和楽器による演奏で、観客は一気に雅やかな雰囲気に包まれました。さらに、三味線や箏などによるアニメ主題歌の特別演奏も行われ、会場は大きな拍手と笑顔であふれました。

「花響(Hanayura)」による和楽器紹介なども行われた。左から野中久美子さん(能管)、井原季子さん(笙)、向平美希さん(唄・鳴物)、常磐津三都貴さん(三味線)、山根悠希さん(日本舞踊)、西尾裕美子さん(箏)。

花響(Hanayura)による舞と演奏の共演。笙、能管、箏、三味線、鳴り物に合わせ、「端唄 香に迷う」「三番叟」が披露された。
最後は出演者全員による「I love Cebu」の合唱とダンスで締めくくられ、文化の絆を再確認する温かな一日となりました。

花響(Hanayura)とLCICの学生による「I love Cebu」。参加者がひとつになるステージに会場全体が笑顔に。

観客も立ち上がり一緒に踊るなど、会場が一体となって盛り上がったフィナーレの様子。
イベントの責任者を務めたLCICの豊田辰仁さんは、「台風の影響により規模を縮小しての開催となりましたが、日頃の授業では得られない貴重な機会を提供することができ、また、地域の企業や団体の皆様、そして地域の高校生との新たなつながりも生まれ、文化と教育を通じた交流の輪が広がったという実感が得られました」と語りました。
また、花響(Hanayura)代表の山根悠希さんは「今回披露した『三番叟』は、平和や祈りをテーマにした、日本の伝統芸能の歴史の中で大切にされてきた演目です。世界の平和への想いや、セブ島の皆さまと出会えたご縁への感謝を込めて、メンバー全員で心をひとつにお届けしました。文化を通して心が通じ合うことを実感できた、かけがえのない時間でした。これからも人と人、国と国を結ぶ活動を続けていきたいです」と語ってくれました。

松尾秀明・在セブ日本国総領事(左から2番目)と花響(Hanayura)メンバー。左から4番目が山根悠希さん。


