こんにちは、ナビセブ編集部の谷口まりです。親子でセブに移住しました。観光とグルメの記事を担当しています。
ナビセブ編集部のまとめ
JRG Halad Museum(ハラド博物館)は、セブの歌や音楽家の記憶を伝えるために、Jose R. Gullasが創設した音楽をテーマとする博物館です。楽譜や楽器、音楽家の記念品を集める活動には、歌い継がれる曲と、それを生み出した人を結び直す意味があります。旧邸で住まいや家具を知るのとは異なり、音楽からセブの文化に触れられるのが特徴です。ここでは創設と展示の記録をもとに歩みを紹介し、過去の開館時間や料金は現在の来館条件として案内しません。
JRG Halad Museumとは?
「Halad」に込められた贈り物と敬意
JRGは、創設者Jose R. Gullasの名前に由来します。「Halad」はセブアノ語で、捧げる行為や贈り物を表す言葉です。The Freemanの2011年のコラムは、Joseと妻Nenaによる博物館づくりを、その言葉の意味に重ねて紹介しています。名称を知ると、単に古い品を集める施設ではなく、音楽や家族への敬意を形にした取り組みとして理解できます。
同じコラムは、創設者の両親への思いとセブ音楽への愛情が、博物館の背景にあると伝えています。ここで大切なのは、誰かの思い出を、ほかの人も学べる資料へと開いていくことです。家庭で大切にされてきた一枚の楽譜も、作者や曲の来歴と結び付けば、地域文化を知る手がかりになります。「Halad」という名前は、保存される物だけでなく、それを次の世代へ手渡す姿勢にも目を向けさせます。
新聞社の建物から音楽を伝える場所へ
博物館の沿革では、所在地をセブ市のV. Gullas StreetとD. Jakosalem Streetの交わる場所とし、The Freemanの旧建物を活用したと説明しています。Parian周辺の文化施設と合わせて調べる場合も、旧邸そのものを公開した住宅博物館とは成り立ちが異なります。街の建物が別の役割を引き受け、その中で音楽資料が共有されてきた場所と考えると、特徴を捉えやすくなります。
The Freemanは、博物館と関係のある新聞でもあります。同紙の記事には、創設者の思いや学芸員への取材など、この施設を知るための具体的な記録が残されています。一方で、創設への称賛を述べたコラムと、展示内容を伝える取材記事は読み分けたいところです。建物の価値や人気を強調した表現より、いつ、何が紹介され、誰が説明したのかに注目すると、館の歩みが見えます。
コンサートから博物館へ発展した歩み
歌を再び演奏することが保存の入口になった
沿革資料によると、博物館の前史には、University of the VisayasのUV Choraleが関わったHaladコンサートがあります。2007年からの活動では、過去の作曲家に光を当て、作品を再び演奏する取り組みが進められました。顕彰された音楽家の家族から資料が寄せられ、それらを受け継ぐ場所として博物館の構想につながったとされています。先に収蔵施設があり、後から演奏が加わったという順序ではない点が興味深いところです。
歌は、楽譜を保管するだけでは日常の中に戻ってきません。演奏する人がいて、それを聴く人がいることで、新しい世代にも届きます。一方、演奏だけが残ると、曲を作った人や成立の背景が忘れられることもあります。Haladの歩みは、音を届ける活動と、その由来を残す活動を一緒に考える入口になります。
2010年の創設後も展示は変化してきた
博物館は2010年に創設され、その後、展示の拡充が進められました。2011年の紹介と2014年の取材では、展示構成にも違いが見られます。これは一つの時点の紹介文だけでは、施設の全期間を説明できないことを示しています。古い記事に書かれた展示室数を、現在の館内図として使うことはできません。
2014年のThe Freemanによる取材では、学芸員Audrey Tomadaが、伝統音楽の講話や展示の構想を語っています。収蔵品を並べることに加え、音楽について話を聞き、理解を深める場を目指していたことが読み取れます。ただし、当時の計画は、その後の実施や現在の継続を意味しません。博物館の歴史を読むときには、開催されたことと、予定されたことを区別する必要があります。
作曲家と曲名を結び付けてセブ音楽を知る
Ben Zubiriと「Matud Nila」
Haladの顕彰活動をまとめた沿革には、「Matud Nila」の作曲家Ben Zubiriが登場します。曲名を聞いたことがある人も、作者の名前と合わせて知ることで、歌の背後に一人の音楽家がいたことを意識できます。館に関係する人物を知る入口として、この名前と曲名の組み合わせを覚えておくとよいでしょう。ここでは顕彰の記録として紹介しており、本人の特定の楽器が現在展示されていると保証するものではありません。
音楽の資料を読む際は、作曲者、作詞者、歌い手を区別することも大切です。よく知られた歌唱音源の歌手が、そのまま曲の作者とは限りません。同じ曲を複数の人が歌っている場合は、まず作者の表記を確かめ、それから声や伴奏の違いを聴くと、作品と演奏の両方を楽しめます。曲名は、博物館の説明と音源をつなぐ検索の手がかりにもなります。
Vicente Rubiと「Kasadya Ning Taknaa」
同じ沿革には、「Kasadya Ning Taknaa」の作曲家Vicente Rubiも、Haladの活動で顕彰された人物として挙げられています。セブ音楽を初めて知る人にとっては、多数の名前を一度に覚えるより、こうした一曲と一人から入るほうが取り組みやすいでしょう。まず曲名を正確に控え、作者の紹介と合わせて音を聴いてみる方法があります。
歌を聴くときは、言葉の意味だけでなく、旋律の繰り返しや歌い出しにも耳を向けてみてください。歌詞が十分に分からなくても、同じ節が戻ってくる場所や、合唱と独唱の違いは感じ取れます。意味を調べた後でもう一度聴けば、最初には気付かなかった言葉と音の関係が見えてくることもあります。音楽博物館を知る楽しみは、館の説明を読んだ後にも、自分で曲をたどれる点にあります。
楽譜・楽器・音源は何を伝えるのか
同じ曲にも、異なる種類の記録がある
Haladの収蔵・展示の紹介には、楽譜、楽器、レコード、音楽家の記念品が登場します。これらは、すべて同じ情報を伝える物ではありません。楽譜は曲を再び演奏するための手がかりとなり、楽器は音楽家が音を生み出す行為を考えさせ、録音はある演奏の姿を残します。複数の資料を組み合わせることで、一曲を平面的に捉えずに済みます。
たとえば楽譜を見るなら、曲名だけでなく、作者名や出版・記載の情報にも目を向けられます。楽器なら、誰が使った物かという来歴と、楽器そのものの種類を分けて読むことができます。また、音楽家の衣装や記念品は、旋律を記録する資料とは役割が異なり、その人の舞台活動や人生を考える材料になります。音楽の専門知識がなくても、「この品から何が分かるのか」という問いを持つことで理解が深まります。
音を聴く仕組みも展示の一部だった
2014年の取材記事は、Halad Music Galleryに、ビサヤ地方の歌をデジタルで蓄積し、来館者が触れられる仕組みがあったと伝えています。楽譜に書かれた音を、実際に聴く経験につなげようとした点に、この館の音楽博物館としての工夫が表れています。これは当時の展示記録であり、同じ機器が現在利用できるという案内ではありません。
紙に記された曲と耳で聴く演奏は、互いを補う関係にあります。楽譜を読めない人でも、音源を通じて曲の雰囲気を知り、その後で作者の紹介へ関心を広げられます。反対に、作者の人生を知ってから聴くと、同じ旋律の受け止め方が変わることもあるでしょう。音楽資料を保存する意味は、物を残すことと、人がそれに接する方法を残すことの両方にあります。
訪問を考えるときは公開条件を確認する
JRG Halad Museumについて、2026年9月時点の一般来館を裏付ける現行の運営案内は確認できていません。そのため、古い記事にある曜日、時間、料金を使って、そのまま訪問予定を組むことは勧められません。これは閉館を断定する意味でもありません。施設の歴史を知るための情報と、希望日に入館できるかという情報を分けて扱うことが必要です。
訪問を希望する場合は、館やGullas関係の運営者による最新の告知で、一般公開の有無と予約方法を確認してください。特別行事への参加案内が見つかっても、通常日の自由見学まで可能とは限りません。また、過去に紹介された音楽資料や試聴設備を目的にするなら、その展示や利用の可否も合わせて確認すると、訪問の目的が明確になります。
最後に
JRG Halad Museumの歩みは、セブの歌を演奏し直すことと、作曲家の資料を受け継ぐことが結び付いた文化継承の取り組みです。Ben ZubiriやVicente Rubiの名前を曲と合わせて知り、楽譜・楽器・録音の役割に目を向けると、音楽を通じて地域を知る楽しみが広がります。現在の来館条件は別途確認しつつ、まず一曲を聴き、その曲を生んだ人へ関心を向けてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
JRG Halad Museumはどのような博物館ですか?
Jose R. Gullasが創設した、セブの音楽文化と音楽家の記憶を伝える博物館です。過去の紹介では、楽譜や楽器、レコード、記念品などが取り上げられています。
「Halad」とはどういう意味ですか?
セブアノ語で、捧げることや贈り物を表す言葉です。博物館の名称には、創設者の両親やセブ音楽への敬意が重ねられています。
現在の開館時間と入館料は分かりますか?
2026年9月時点の現行条件を裏付ける運営案内は確認できていません。過去の時間や料金を使わず、訪問前に運営者の最新案内で一般公開と予約の要否を確認してください。
