フィリピンの産業を支えるBPOとは?

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2026年1月2日

フィリピン経済を語るうえで、近年ますます存在感を強めているのが BPO(Business Process Outsourcing)産業です。

観光業や海外で働くOFW(海外出稼ぎ労働者)による送金と並び、BPOはフィリピンの雇用創出と外貨獲得を支える重要な柱となっています。

本記事では、「BPOとは何か?」という基本から、なぜフィリピンが世界有数のBPO大国となったのか、そしてセブ島とBPO産業の関係性までを、現地視点でわかりやすく解説します。

BPOとは何か?フィリピンで急成長した背景

フィリピンの産業を支えるBPOとは?

BPOとは、あまり聞きなれない名前かもしれません。どのような意味で、どのようにBPOは成長したのでしょうか?

BPO(Business Process Outsourcing)の基本的な意味

BPO(Business Process Outsourcing)は、自社で行なっている業務の一部を委託してお願いすることを指します。

主にコールセンター業務、データ入力、バックオフィス業務など、詳しい仕事内容は様々です。

フィリピン経済の大きな柱の1つとして、需要のある部門です。

フィリピンでBPO産業が成長した理由

フィリピンは、英語が公用語で話されており、その上、若い人材が豊富、人件費も安いことから、BPOに最適な国と言われています。

フィリピンは東南アジアでは珍しく製造業が他国と比べると少なく、英語が話せるフィリピン人の多くがBPOに努めています。

なぜフィリピンは世界有数のBPO大国なのか

フィリピンの産業を支えるBPOとは?

フィリピンは、どのようにしてBPOの国として選ばれたのでしょうか?その詳しい理由を下記にて紹介します。

英語が公用語であるフィリピンの強み

フィリピンは英語が公用語として認められており、大半の人が英語でのコミュニケーションが可能です。

テレビ、映画、コマーシャルなど、普段見かけるものも英語表記のことが多く、子供の頃から英語に馴染む教育がされています。

またフィリピンでは英語が出来ることにより、仕事の選択肢が増えるため、非常に重要だと考えられています。

人件費の安さと企業側のコストメリット

フィリピンはいまだに人件費が安く、フィリピンセブ島では最低賃金日当1,200円程で人が雇えます。

そんなフィリピンでは、英語が話せ、低賃金の為、雇う側の企業には利益が出やすく、コスト面のメリットが大きいです。

若く豊富な労働人口

フィリピンは人口ボーナス期とされ、平均24歳の若い人が多い国です。

そして、人口に対し、求人数が追いついておらず、若くて豊富な行動人口は、BPOに多く流れることがあります。

以前は、英語が話せると、語学教師が多いですが、現在ではさらに給料の良いBPOに人気があります。

政府によるBPO産業への支援政策

フィリピン政府は、BPOをフィリピンの経済軸の1つとして力を入れており、経済特区を整備することで、税制優遇制度など、新規でBPO参入がしやすく、今までアメリカ拠点だったコールセンターが多く、フィリピンに切り替えることに成功しました。

フィリピンセブ島では、ITパークが経済特区の代表的な街として知られ、深夜勤をするBPOのフィリピン人労働者をよく見かけます。

フィリピンのBPOで行われている主な業務内容

フィリピンの産業を支えるBPOとは?

では、実際にBPOの現場では、どのようなタスクを行なっているのでしょうか?

コールセンター・カスタマーサポート業務

フィリピン人の多くが働くBPOの主な業務として、英語を活用したコールセンターが有名です。

特に、英語圏でのカスタマサポート、クレームセンターもフィリピンに拠点がある場合が多いです。

アメリカクライアントの場合、フィリピンと時差の関係で出勤時間は主に深夜から翌日明け方までと、労働者にはタフな時間帯といえます。

バックオフィス・事務代行業務

それ以外にも、業務代行のバックオフィスなどをBPOとして仕事を受け持つケースも、近年増えています。

フィリピンで業務をアシストし、安い賃金にて英語のタスクをこなすことができます。

セブ島とBPO産業の関係性

フィリピンの産業を支えるBPOとは?

セブ島では、BPOはどのような立ち位置で、どれくらい人気があるのでしょうか?

マニラに次ぐBPO拠点としてのセブ島

セブ島は首都マニラに次ぐ第二の都市です。セブではビサヤ語が話されており、ミンダナオ島など、セブ以外のエリアからも、多くのフィリピン人が出稼ぎに来ます。

BPOの多くは経済特区にビルがあり、セブの場合、ITパーク、アヤラビジネスパーク、マクタンニュータウンの3箇所に集まります。

ITパーク・ビジネスパークの発展

セブ市ITパークは、ナイトマーケット、バーやレストランが多いことから、観光・留学生も多く訪れる場所です。

このエリアは経済特区とされ、多くの高層ビルが立ち並び、そしてBPOで働くフィリピン人が多くいます。

深夜勤のフィリピン人も多いことから、ITパーク内の飲食店は24時間営業も少なくありません。

セブ島でBPOが若者に人気な理由

セブ島にはBPO以外に大きな産業は、観光・語学留学などがありますが、給料面を考慮すると、多くの人はBPOを選びます。

特に大学出たばかりの新卒は、比較的就職がしやすく、給料の高いBPO就職を考える若いフィリピン人も少なくありません。

今までは、英語=語学学校での就職でしたが、最近では英語を使ってBPOで稼ぎたいと思うフィリピン人は少なくありません。

まとめ|フィリピン経済を理解する鍵はBPOにある

フィリピンの産業を支えるBPOとは?

フィリピンのBPO産業は、英語力の高さ、若く豊富な労働人口、人件費の安さ、そして政府による支援政策が重なり、急速に成長してきました。

現在では、OFW(海外出稼ぎ労働者)による送金と並び、フィリピン経済を支える重要な柱の一つとなっています。

特にセブ島では、ITパークやビジネスパークを中心にBPO企業が集積し、若いフィリピン人にとって安定した雇用と比較的高い収入を得られる貴重な就職先となっています。

一方で、深夜勤務やシフト制といった負担もあり、BPO産業には課題があるのも事実です。それでも、フィリピンの産業構造や人々の働き方、生活水準を理解するうえで、BPOの存在は欠かすことができません。

フィリピン経済を表面的な「観光国」というイメージだけで捉えるのではなく、BPOという内側から支える産業に目を向けることで、よりリアルなフィリピンの姿が見えてくるでしょう。

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