ナビセブ編集部のまとめ
3棟とも完成済みですが、Calyxはオフィス・商業・住宅の複合、Asia PremierはCLI初の縦型住宅、38 Park Avenueは764戸の高級都市型住宅という違いがあります。
3棟は建物用途と開発思想が違う
Cebu IT ParkにはAvida Towers RialaやAvida Towers Cebu以外にも、性格の異なるレジデンスタワーがあります。
その中でも比較しやすいのが、Calyx Centre、Asia Premier Residences、38 Park Avenueの3棟です。
すべてCebu IT Park内にありますが、Calyx Centreはオフィス・商業・住宅を一つにまとめた複合用途ビル、Asia Premier ResidencesはCebu Landmasters初の縦型住宅プロジェクト、38 Park Avenueは高級コンドミニアムとして開発されました。
この記事では「どのコンドミニアムがおすすめか」を順位付けするのではなく、開発会社、建物のタイプ、規模、住戸構成、共用施設、商業施設との関係を同じ軸で比較し、3棟がIT Parkの中でどう違うのかを整理します。
3つのレジデンスを最初に比較
まず大きな違いを一覧にすると次のようになります。
| 建物 | 開発会社 | タイプ | 状況 | 大きな特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Calyx Centre | Innoland Development | 複合用途 | 完成済み | オフィス・商業・住宅が一体 |
| Asia Premier Residences | Cebu Landmasters | コンドミニアム | 完成済み | CLI初の縦型住宅プロジェクト |
| 38 Park Avenue | El Camino Developers Cebu/Cebu Landmasters | 高級コンドミニアム | 完成済み | 住居フロア38階・764戸 |
3棟とも「IT Parkのコンドミニアム」と一括りにできますが、実際には建物の作り方も、想定している暮らし方もかなり違います。
Calyx Centreは働く・買う・住むを1棟にまとめる
Calyx Centre|住宅だけではない複合用途ビル
Calyx CentreはInnoland Development Corporationが開発した26階建ての複合用途ビルです。Innoland公式では、Calyx Centreを同社最初の開発案件とし、Cebu IT Park内でオフィス、住宅、商業施設を一つの建物にまとめたプロジェクトと説明しています。
完成は2012年12月で、延床面積は29,380㎡です。
つまりCalyx Centreは、住宅タワーの低層部に少し店舗があるだけの建物ではありません。最初から「働く・買う・住む」を一つの建物で成り立たせる複合開発として設計されています。
Calyx Centreは1〜9階がポディウム(低層部)
Calyx Centreの構成はかなり明確です。公式情報では、下の9フロアがポディウム(低層部)で、オフィス、店舗、駐車場などが入ります。オフィスだけでも6,000㎡を超える賃貸面積があり、1階と地下にはレストラン、屋外席エリア、コンビニエンスストアなどが配置されています。
10階が共用施設フロア、その上の11階以上が住宅です。
住宅とオフィスでは入口、ロビー、エレベーターも分けられており、同じ建物の中に異なる用途が入っていても動線が混ざりにくい設計です。
Calyxの共用施設フロアは10階
10階は居住者向けの共用施設エリアです。Innoland公式では、ジム、ラッププール、浅いプール、庭園、居住者ラウンジ、ファンクションルームを確認できます。プールとジムを置くだけではなく、庭園やラウンジを組み合わせているのが特徴です。
Calyx Centreは自ら「green, hybrid condominium」と位置づけており、住宅密度の高いIT Parkの中でも緑のある空間を生活環境の一部にしようとしています。
Calyx Centreは「職住近接」に最も近い
この3棟の中で、仕事と住まいの距離が最も近いコンセプトなのがCalyx Centreです。同じ建物の中にオフィスがあり、1階と地下には店舗があります。居住者が必ずCalyxのオフィスで働くわけではありませんが、建物そのものがビジネスと住宅を組み合わせています。
IT Parkが複合用途の地区であることを、1棟の建物でそのまま表したようなプロジェクトです。
Asia Premierは住宅と日常機能を重視
Asia Premier Residences|CLI最初の縦型住宅プロジェクト
Asia Premier ResidencesはCebu Landmastersが開発した完成済みのコンドミニアムです。所在地はJ.M. Del Mar Street, Cebu I.T. Park, Apas, Cebu City。CLI公式はこのプロジェクトを、同社の1st vertical project(最初の縦型住宅プロジェクト)と明記しています。
Cebu Landmastersは現在、ビサヤ・ミンダナオを中心に多数の縦型住宅、複合開発、ホテルなどを展開していますが、その縦型開発の初期を示す物件がAsia Premier Residencesです。IT Park内のレジデンスというだけでなく、CLIの歴史を見るうえでも重要な建物です。
敷地面積は1,038㎡
CLI公式ではAsia Premier Residencesの敷地面積を1,038㎡としています。Calyx Centreの延床面積や38 Park Avenueの764戸と単純に比べる数字ではありませんが、比較的限られた敷地に縦型住宅を建てたプロジェクトです。
CLI公式は、ビジネス、娯楽、都市の利便性がすぐ近くにある立地を強く打ち出しています。
「住宅だけを作る」のではなく、IT Parkという街区全体を生活環境として使う考え方です。Asia Premier Residencesの公式の共用施設は、ジム、プール、プールデッキ、ファンクションルーム、ルーフデッキ/オープンデッキ、物干しエリア、運転手用ラウンジです。
特に物干しエリアや運転手用ラウンジが入っているのは、最近の新しい高級コンドミニアムとは少し違う部分です。見栄えのする設備だけでなく、実際の暮らしで必要になる機能を組み込んでいます。
Asia Premierは純粋な住宅タワー
Calyx Centreとの大きな違いは、Asia Premier Residencesが住宅を中心にしたコンドミニアムであることです。Calyxはオフィス・商業・住宅の複合用途、Asia Premierは住宅として設計され、生活環境をIT Parkの街区側に頼る構造です。
つまり建物の中ですべてを完結させるのではなく、外へ出ればIT Parkのレストラン、カフェ、オフィス、商業施設があるという考え方です。
38 Park Avenueは住戸と共用施設の幅が広い

38 Park Avenue|住居フロア38階の高級コンドミニアム 38 Park Avenueは、El Camino Developers Cebuが事業会社となり、Cebu Landmastersが開発・管理を担う完成済みのコンドミニアムです。所在地は同じくJ.M. Del Mar Street, Cebu I.T. Parkです。
CLI公式では住居フロア38階を持つ高層レジデンスとして説明され、ニューヨーク風のデザインを大きなコンセプトにしています。PropertyGuru Philippines Property Awardsでは2019年にBest High-End Condominium Development (Cebu)を受賞しています。
38 Park Avenueは764戸
CLI公式による総戸数は764戸です。内訳は、スタジオ:459戸、1ベッドルーム:230戸、2ベッドルーム:56戸、3ベッドルーム:11戸、ペントハウス:8戸です。スタジオと1ベッドルームを合わせると689戸で、全体の約9割を占めます。
高級コンドミニアムという位置づけですが、大型のファミリー向け住戸だけを中心にしたレジデンスではなく、単身の社会人やカップルも含めた都市型の住宅タワーであることが住戸構成から分かります。住戸の広さにもかなり幅があり、CLIの統合報告書では38 Park Avenueの住戸タイプを次のように整理しています。
スタジオ:約24㎡、1ベッドルーム:約54〜56㎡、2ベッドルーム:約80㎡、3ベッドルーム:約111〜137㎡、ペントハウス:約320〜420㎡です。最小のスタジオから最大のペントハウスまで広さの幅が非常に大きく、同じ建物でも暮らし方がかなり異なります。特にペントハウスは一般的なコンドミニアムの住戸とは別格の広さです。
Sky Club Amenity DeckとSky Gardens
38 Park Avenueの特徴的な共用施設が、Sky Club Amenity DeckとSky Gardensです。CLI公式では、インフィニティプール、フィットネスジム、プライベートラウンジ、多目的ホールをオーナーが利用できると案内しています。
さらに一般の共用施設として、プール、レクリエーションラウンジ、キッズゾーン、ガーデンアトリウム、多目的ファンクションホール、ラウンジエリアも掲載されています。
Calyxの緑と複合用途、Asia Premierの実用的な住宅と比べると、38 Park Avenueは共用施設とデザインによる高級感のある暮らしをより強く打ち出しています。
1階に店舗スペース 38 Park Avenueも住宅だけではありません。公式の共用施設には1階の店舗スペースがあります。さらに建物周辺にはThe Plaza at Park Avenueという屋外型の商業エリアがあり、飲食店や物販店を配置したPark Avenue地区の一部として計画されています。
Calyx Centreのようにオフィスまで同じタワーに入れる複合用途ではありませんが、住宅と店舗を近くに置いています。
商業施設とのつながりと運営主体で比べる
3棟は店舗との関係が違う
3つともIT Park内にあり店舗へのアクセスは良好ですが、仕組みが違います。Calyx Centreは建物そのものに店舗とオフィスが入る複合用途。Asia Premier Residencesは住宅タワーで、IT Parkの街区全体の商業施設を利用する形です。
38 Park Avenueは住宅タワーの1階に店舗があり、さらにThe Plaza at Park Avenueと一体的な地区を形成します。同じ「下に店があるコンドミニアム」と考えると、この違いを見落とします。開発会社も異なり、Calyx CentreはInnoland Development Corporationです。
Innolandは2005年に設立され、PEZAのエコゾーン施設事業者にも登録されているセブ系の開発会社です。Calyx Centreが同社最初の開発案件でした。Asia Premier Residencesと38 Park AvenueはCebu Landmastersが中心です。
Asia PremierはCLI初の縦型住宅プロジェクト、38 Park Avenueはその後の高級コンドミニアムです。
この2棟を比べると、CLI自身の縦型住宅開発がどう発展したかも見えてきます。
個人所有住戸の賃貸はホテルとは違う
3棟とも住宅用のコンドミニアムなので、個人所有の住戸が賃貸市場や短期宿泊サイトに出る場合があります。しかし、建物全体がホテルになったわけではありません。ホテルなら客室、朝食、清掃、フロントなどを一つの運営会社が管理します。
コンドミニアムではオーナーごとに家具、Wi-Fi、清掃、チェックイン、キッチン設備、賃貸条件が異なります。そのため「38 Park Avenueに泊まる」「Calyxに泊まる」という場合も、ホテルの施設ではなく個人所有の住戸を借りているケースがあります。
3棟はどんな人に向いているのか?
これはおすすめの順位ではなく、建物のコンセプトから見た違いです。Calyx Centreはオフィス・商業・住宅を同じ建物で使いたい職住近接型。Asia Premier Residencesは比較的オーソドックスなIT Park内の住宅タワーです。
38 Park Avenueは共用施設、デザイン、商業地区まで含めた高級都市型レジデンスです。
同じIT Park内でも「住む場所」の考え方は同じではありません。
各開発の節目を時点付きで整理する
PropertyGuru Philippines Property Awardsでは2019年にBest High-End Condominium Development (Cebu)を受賞しています。
2012年完成のCalyxから38 Park Avenueまで
Calyx Centreは2012年12月完成です。Asia Premier ResidencesはCLI初の縦型住宅プロジェクトとして完成し、現在もCLI公式で完成済み物件として掲載されています。38 Park Avenueは2017年に販売開始、764戸の高級プロジェクトとして開発され、現在は完成済みです。
この3棟を順に見るだけでも、IT Park内の住宅開発が「複合用途の試み」「縦型住宅」「大型の高級レジデンス」へ広がってきたことが分かります。
最後に|同じコンドミニアムでも役割が違う
Calyx Centre、Asia Premier Residences、38 Park Avenueは、すべてCebu IT Park内にある完成済みのレジデンスです。
しかし、Calyx Centreは26階建ての複合用途ビル、Asia PremierはCebu Landmasters初の縦型住宅プロジェクト、38 Park Avenueは住居フロア38階・764戸の高級コンドミニアムです。「IT Parkのコンドミニアム」という一つのくくりだけで見るより、
建物の中に何が入っているのか、どの開発会社がいつ作ったのか、どんな住戸構成なのか、どのような共用施設を重視しているのか、商業施設とどうつながっているのかまで見る方が、住まいとしての違いがはっきりします。Cebu IT Parkはオフィスだけでなく住宅の供給も段階的に増えてきました。この3棟は、その発展をそれぞれ違う形で示している建物です。
主な情報源:Innoland Development Corporation公式、Cebu Landmasters公式、CLI投資家向け資料
参考情報
情報確認日:2026年9月17日
主な確認先:
