こんにちは、CebuOです。
Cebu IT Parkには、eBloc、Skyrise、Central Bloc Corporate Center、Filinvest Cyberzoneなど、多くのオフィスビルが集中しています。BPOやIT企業のCebu拠点を調べると、住所としてCebu IT Parkが何度も出てくるため、「昔からBPO企業が多い場所だから現在も会社が集まっている」と考えがちです。
しかし、2026年のオフィス市場 データを見ると、Cebu IT Parkは単に過去の成功によって企業が残っている場所ではありません。空室率、Leasing、フレキシブルオフィスの席数、新しいオフィスビルの稼働状況などを確認すると、現在もMetro Cebuで最も重要なオフィス Districtの一つとして企業を引きつけ続けていることが分かります。
一方で、2026年はCebu全体のオフィス需要が少し変化し始めた年でもあります。AIの普及、新しいオフィス 供給、IT-BPM以外のグローバル・ケイパビリティ・センター、GCCの拡大など、新しい動きも出ています。
要点
2026年第2四半期のColliers調査ではCebu IT Parkのオフィス空室率は13.9%で、Cebu全体の15.9%を下回りました。企業集積、PEZA対応オフィス、複合施設、人材へのアクセスが強みですが、市場の減速や新規供給も合わせて見る必要があります。
2026年の市場データ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 空室率 | 13.9%(Q2 2026・Colliers) |
| 2025年Cebu需要 | 128,500㎡(CBRE関連報道) |
| Flexible Workspace | 約10,500席・Metro Cebuの75% |
| 注意 | 調査会社ごとに対象・定義が異なる |
今回はCebu IT Parkを「BPOの街」というイメージではなく、最新のオフィス市場 データから見ていきます。
2026年でもCebuはMetro Manila以外で最大のオフィス市場
まず、Cebu全体の位置づけを確認します。 Colliers Philippinesは2026年7月、CebuについてMetro Manila以外ではフィリピン最大のオフィス市場であると説明しています。背景には、長年蓄積されたBPM産業、技能を持った人材、そしてオフィス 開発の厚い蓄積があります。
つまりCebu IT Parkは、小さな地方都市のビジネス地区ではありません。 Metro Cebuという国内最大級の地方オフィス市場の中で、Cebu 事業 Parkと並んで中心的な役割を持つ場所です。 Cebu IT Parkに多数のオフィスタワーが存在する理由を考えるときは、この「Cebuそのものに企業が拠点を置く理由」と、「その中でもIT Parkが選ばれる理由」を分けて考える必要があります。
Cebu IT Parkの空室率は2026年第2四半期で13.9%
最新の数字の一つが、Colliers Philippinesによる2026年第2四半期のデータです。 SunStarが2026年8月に報じたColliersの調査によると、Cebu IT Parkのオフィス 空室率は、 13.9%
でした。 前年同期は15.4%だったため、空室率は改善しています。 同じ時点でCebu 事業 Parkは10.9%でした。Cebu全体では15.9%だったため、IT Parkと事業 ParkというEstablished ビジネス地区は、Metro Cebu全体より低い空室率を維持しています。 ここで重要なのは、空室がゼロに近いということではありません。
Cebu全体のオフィス市場に空きがある中でも、Prime ビジネス地区には企業需要が比較的集中している ということです。
2025年には空室率が28%から約14%まで改善していた
少し前まで遡ると、IT Parkの回復がさらに分かりやすくなります。
Colliersによると、Cebu IT Parkのオフィス空室率は2022年の約28%から2025年第3四半期には約14%へ低下しました。
The Freemanは2026年1月、この改善とともに、2025年1〜9月だけでIT Parkの賃貸取引が96,000㎡を超えたと報じています。企業拡張の例としてConcentrix、Optum、EY、Wiproなどが挙げられています。 3年間で空室率が約半分になったことを考えると、IT Parkのオフィス需要がパンデミック後にかなり回復したことが分かります。
2025年のCebu オフィス 需要は128,500㎡
CBRE Philippinesの市場データでもCebuの需要の強さが確認できます。SunStarが2026年2月に報じたCBREの年次報告によると、2025年のオフィス需要は128,500㎡、取引件数は84件、平均取引面積は1,498㎡でした。
成約面積の76%をIT-BPM部門が占めました。Cebu IT Parkには、BPO向けビル、PEZA対応環境、24時間運営を支える施設が長年蓄積されています。
フレキシブルオフィスの75%がCebu IT Parkに集中
Colliersによると、2025年第3四半期のMetro Cebuには約14,000席、面積にして約67,500㎡のフレキシブルオフィスがありました。そのうちCebu IT Parkは約10,500席を占めます。
席数で計算すると約75%、すなわちMetro Cebuの約4席に3席がIT Parkに集中していました。
フレキシブルオフィスとは何か?
フレキシブルオフィスは、カフェでのPC作業とは異なり、専門事業者が設備や運営サービスを提供する仕事場です。
フレキシブルオフィスには、サービスオフィス、個室、コワーキングスペース、会議室、運営付きオフィスなどがあります。
通常のオフィス賃貸では、企業自身が長期契約を結び、Interior Construction、Furniture、Internet、Securityなどを準備する必要があります。 フレキシブルオフィスなら、すでに設備が整ったオフィスへ比較的短期間で入居できます。 新しくCebuへ進出する企業や、最初は数十人で始め、将来人数を増やしたい企業にとって使いやすい仕組みです。
そのフレキシブルオフィスがIT Parkへ75%集中していることは、「既存大手BPOだけがIT Parkを使っている」のではなく、新しい企業や小規模拠点もIT Parkを選びやすい環境ができていることを意味します。
オフィスが集まる4つの理由
IT Parkにオフィスが集中する理由①|すでに企業のEco Systemがある
企業がオフィスを選ぶときは、建物だけでなく周辺環境も見ます。
企業にとっては、人材と他社の集積、採用のしやすさに加え、交通、飲食店、ホテル、銀行、フレキシブルオフィスが近くにあることも重要です。
ColliersもIT Parkについて、 established ecosystem, infrastructure and access to talent が強みだと説明しています。
一度このEco Systemが形成されると、新しい企業も同じ場所を選びやすくなります。 それがさらに人材、オフィス、サービス 事業を呼び込むという循環が生まれます。
理由②|PEZA対応オフィスの蓄積
Cebu IT Parkは情報 技術 Special Economic Zoneとして発展してきました。 そのため、長年BPO・IT企業が利用してきたPEZA対応のオフィスビルが集積しています。 企業が新しくCebuへ進出する場合、単に空いているオフィスを探すだけではなく、事業内容によってはPEZA登録やビル側の条件も重要になります。
Cebu IT Parkには、eBlocシリーズをはじめ、こうした企業利用を前提に開発されたオフィスビルの蓄積があります。 新しいビジネス地区が一から同じEco Systemを作るには時間がかかります。 IT Parkにはすでに20年以上の蓄積があります。
理由③|新しいGrade A オフィスも追加されている
IT Parkは古いオフィスだけの街でもありません。 Colliersは2026年のCebu IT Park分析で、Filinvest Cyberzone Cebu タワーs 3・4が新しいHigh-quality オフィス Inventoryとして加わり、両タワーがすでにFully Leasedになったと紹介しています。 CBREの2025年Year-end Reportでも、 Central Bloc、
Filinvest Cyberzone Cebu タワーs 3・4 などがFull Occupancyに達したと報告されています。 つまり、企業がIT Parkを選ぶ理由は「昔からオフィスがあるから」だけではありません。 新しいGrade A ビルも供給され、その新しいオフィスにもテナントが入っています。
理由④|オフィス以外の施設が多い
Cebu IT ParkにはAyala Malls Central Bloc、Seda Central Bloc Cebuのほか、飲食店、カフェ、スーパーマーケット、ジム、薬局、銀行、コンドミニアム、交通ターミナルがあります。
24時間稼働する企業では、働くビルだけでは生活が完結しません。
24時間稼働する企業の従業員には、食事、移動、日用品、医療、銀行、休憩、住居も必要です。
前の記事まで見てきたように、IT ParkはThe Walk、Garden Bloc、Central Bloc、Sedaなどを追加しながらMixed-use Districtへ発展してきました。 この街としての完成度もオフィス需要を支える一つの理由です。
空室率の読み分け
2025年には「空室6%」という別の数字もあった
オフィス データを見るときに注意しなければならないことがあります。 調査会社によって空室率が違うことです。 Leechiu Property Consultantsは2025年9月、Cebu IT Parkについて利用可能なオフィススペースが約36,000㎡まで減少し、
空室率 6% と報告しています。 一方、Colliersは2025年第3四半期について約14%としています。 これは「どちらかが間違い」と単純に判断してはいけません。
調査会社ごとに対象ビル、グレード、完成済みストックの定義、空室の数え方、転貸などの潜在的な空きスペースを含めるかが異なる可能性があります。
NaviCebuでは今後、オフィス市場 データについて、 「誰の調査か」 を必ず数字と一緒に書きます。
「IT Parkの空室率は○%」と資料なしで一つの数字に固定しません。
CBREの6.4%もIT Park単独とは限らない
CBREは2025年第4四半期のCebuの「IT Parks」の空室率を6.4%としています。 ここも注意が必要です。 これは報道上「IT Parks」と表現されており、必ずしもCebu IT Parkという一つのEstateだけの数字とは限りません。
Colliersの「Cebu IT Park約14%」とCBREの「IT Parks 6.4%」は、調査対象が同じと確認できるまで単純比較できません。
CEBU PLACE DATABASEでは、こうしたデータのScopeまで確認して掲載します。
需要の変化とリスク
2026年に入ってオフィス市場は少し減速している
2026年にはCebuのオフィス賃貸取引が減速しました。Colliersによると、上半期の取引面積は19,300㎡でした。 前年同期の87,300㎡から大きく減っています。 一方CBREの2026年第2四半期データでは、Cebuの四半期ly Take-upは約9,200㎡で、Cebuは依然として主要地方Marketの中では高い水準を維持しましたが、空室率は13.9%へわずかに上昇しています。
IT Parkの競争力が強いことと、オフィス市場に今後リスクがないことは別です。
AIはCebuのオフィス需要を減らすのか?
2026年に新しく出てきた論点がAIです。 CBRE Philippinesは2026年4月、AI AdoptionがIT-BPM企業のオフィス 需要へ影響し始めているとして、Cebu全体のオフィス 空室率が2026年末に18〜20%まで上昇する可能性を示しました。 BPOは長年Cebu オフィス市場最大の需要源でした。 そのためAIによって一部業務が自動化されれば、オフィス需要にも影響する可能性があります。
しかし一方で、すべてのオフィス需要がなくなるわけではありません。
BPOだけではなくGCCが増えている
新たな需要源として注目されるのが、グローバル・ケイパビリティ・センター(GCC)です。
GCCは多国籍企業が自社の財務、IT、人事、分析、エンジニアリング、共通業務などを集約する拠点です。
Colliersによると、2025年のCebuのオフィス需要ではGCCが約21%を占めました。
Cebuのオフィス需要は、従来のコールセンター型BPOだけでなく、GCCなどの専門業務にも広がっています。
IT Parkの企業データベースを今後作るときにも、「全部BPO」と一括りにしないことが重要になります。
2026年最新の数字を整理
調査会社ごとに対象が違うため、数字を同じものとして比較しないことが前提です。 この表を見ると、2026年にMarket全体が少し減速しても、Cebu IT Parkは依然としてPrime オフィス Districtとして比較的強い位置にあることが分かります。
まとめ
なぜIT Parkにオフィスが集中するのか?
一つの理由だけではありません。 20年以上のオフィス 開発。 PEZA Environment。 BPO・IT人材の集積。
フレキシブルオフィス。 Grade A ビル。 飲食店やモール。 ホテル。
Residential。 交通。 そして、「Cebuでオフィスを探すならまず候補になる」という知名度。 これらが重なっています。
新しいビジネス地区がビルを一棟造っただけでは、同じ環境にはなりません。 Cebu IT Parkの強さは、長期間かけてEstate全体のEco Systemを作ったことにあります。 しかし「IT Park一強」が永遠に続くとは限らない 2026年のCebuでは、North Reclamation Area、Mandani Bay、Mandaue、Mactan、SRPなどでも新しいオフィス 開発が進んでいます。
約90,000㎡の新規オフィス供給が2026年中に加わるとの予測もあり、企業の選択肢は増えています。AI、GCC、ハイブリッド勤務などで使い方も変わりつつあります。
IT Parkを固定的に「Cebuで最強のオフィス地区」と評するのではなく、空室率、賃貸取引、新規供給、テナント、フレキシブルオフィスの動きを定期的に確認します。
2026年のデータから見ると、Cebu IT Parkは過去のBPO Boomだけで生き残っているビジネス地区ではありません。 フレキシブルオフィスではMetro Cebuの約75%を占め、2025年には96,000㎡を超えるLeasing Transactionがあり、新しいFilinvest Cyberzone タワーも高い稼働を見せました。
2026年第2四半期でもColliers調査の空室率は13.9%で、Cebu全体の15.9%より低い水準です。 一方で、オフィス 需要の減速、新しい供給、AIの影響など、これまでとは違う変化も始まっています。 だからこそ、Cebu IT Parkを「BPO企業が多い街」という昔からの説明だけで終わらせるのではなく、最新データを継続して見る必要があります。
| 指標 | 数値 | 時点・資料 |
|---|---|---|
| Cebu IT Park空室率 | 約14% | 2025年第3四半期・Colliers |
| Cebu IT Park空室率 | 13.9% | 2026年第2四半期・Colliers |
| Cebu Business Park空室率 | 10.9% | 2026年第2四半期・Colliers |
| Cebu IT Parkのフレキシブルオフィス | 約10,500席 | 2025年第3四半期・Colliers |
| Metro Cebuのフレキシブルオフィス | 約14,000席 | 2025年第3四半期・Colliers |
| IT Parkの席数構成比 | 約75% | 上記2値から算出 |
| IT Parkの賃貸取引 | 96,000㎡超 | 2025年1〜9月・Colliers |
| Cebu全体のオフィス需要 | 128,500㎡ | 2025年・CBRE |
| Cebuの需要に占めるIT-BPM | 76% | 2025年・CBRE |
参考情報
情報確認日:2026年9月16日
主な確認先:
写真:上空から見たセブITパーク(撮影:Patrickroque01/CC BY-SA 4.0)。Wikimedia Commonsより、トリミング・縮小して使用